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連載 | #1 ジョジョの奇妙な音楽

ジョジョの奇妙な音楽 vol.1 70年代ロックを知るとジョジョを3倍楽しめるッ!!

ジョジョの奇妙な音楽 vol.1 70年代ロックを知るとジョジョを3倍楽しめるッ!!
まずはこの動画のプレイボタンを押し、楽曲が鳴りはじめてから読み進めてください。
(0:00~0:08)なにやら陰気で不穏な空気感の前奏からはじまり、(0:09~)『シザーハンズ』や『アリス・イン・ワンダーランド』(どちらもティム・バートン監督作)作曲家のダニー・エルフマンの歌声が重なる。そして…(2:25~)不気味な子供たちの大合唱が鳴り響く!

これが、彼が率いたロックバンドであるオインゴ・ボインゴの代表曲です。

思えば「ジョジョ」第3部にたびたび登場したオインゴ&ボインゴ兄弟も、陰気で不穏なキャラクターでした。まさに2人のキャラクター性を代弁するアーティスト、それが「オインゴ・ボインゴ」。

オインゴ・ボインゴ兄弟(出典『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 6』27P「「クヌム神」のオインゴ「トト神」のボインゴ その1」より)

みんな大好き「ジョジョの奇妙な冒険」は、現在第4部「ダイヤモンドは砕けない」のアニメを放送中。そしてこの「ジョジョの奇妙な冒険」の様々なキャラクター名やスタンド名の元ネタとなる音楽自体については、これまでもたびたび指摘されています。

昔から多くの漫画やアニメには、本人が大好きな音楽アーティストの名前や楽曲名をもじる文化がありますが、「ジョジョ」の著者である荒木飛呂彦は単に楽曲名をもじるだけにとどまらず、キャラクターの性格などはもとより、特に第7部以降は物語そのものにも音楽に関する要素を入り込ませています

そのため、元ネタの音楽はもちろん、そのアーティストのキャラクター性や時代背景などを知ることで、ジョジョをさらに数倍楽しむことができるのです

それに、特にゴリゴリのロックバンドの音源は、そのほとんどが特定のライブ盤でないと録音品質がよろしくなく、なかなかアーティストの実力が世の中に伝わっていません。

そこで、ここでは、「なんだか音の寂しい昔の曲」というイメージを吹き飛ばすような最高の盤をご紹介しつつ(気に入ったらiTunesでポチることができる時代)、第1部「ファントムブラッド」から第8部「ジョジョリオン」に至るまで、様々な角度から物語と音楽の関係性を深く掘り下げ、ジョジョの奇妙な世界を新たな視点から紐解いていければと思います。

まず、(ジョジョ的に)重要な70年代のロック音楽シーンと、ジョジョの世界がいかに音楽と結び付いているのかを理解してもらうため、初回は、特にジョジョと関連性の深いレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、ディープ・パープル(Deep Purple)、AC/DCという3組を通じて、彼らがいかにジョジョのキャラクターたちを通じて骨肉の争いを繰り広げていたかを見ていきます。

文:AnitaSun(同人音楽超まとめ)

※この連載では「ジョジョの奇妙な冒険」の激しいネタバレを含みます

レッド・ツェッペリン/ツェペリ一族と70年代のロック音楽シーン

ウィル・A・ツェペリ、シーザー・A・ツェペリ、そしてジャイロ・ツェペリ。いつの章だって、ツェペリ一族は主人公を導く存在でした。

ウィル・A・ツェペリ(出典『ジョジョの奇妙な冒険 第1部 2』92P「あしたの勇気・うけ継ぐ者 その2」より)

その元ネタになっているバンドであるレッド・ツェッペリンは、まさに70年代のロックミュージックの様式を、王道ロックミュージック自体の様式として定着させたといっても過言ではない、歴史上ビートルズと双璧をなす伝説のロックバンドです。

イギリス最大手の王道ロックラジオ局「Planet Rock」が2005年に投票を行った「理想のスーパー・グループ(Ideal Supergroup)を決めよう」という企画では、最強のシンガーにレッドツェッペリンのロバート・プラントが、最強のギタリストにレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが、さらには最強のベーシストにはレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズが選ばれ、そして最強のドラマーにはレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムが選ばれるという、すさまじい現象が起こりました。

※あえて注釈をすると、レッド・ツェッペリンは4人構成のバンドです

ツェペリ一族、特にジャイロあたりのキャラクターに相応しい荒々しさ!

カントリーを中心としたグループサウンドばかりだった時代が終わり、電子音楽を駆使した緻密なアーティストや、轟音エレクトリックギターによるハードロック/ヘビーメタルバンドが徐々に表舞台に現れ始めたのが、60年代の終わりごろ。

そして70年代に入り、「轟音ギター+糞ダメ人間ども+ど派手な格好=ロック」という、黄金の王道ロック方程式が生まれたこのタイミングが…

観たら誰しもが分かるだろう。 そう、ワンピースの作者は本当にロッキー・ホラー・ショウが大好きだな!!!

レッド・ツェッペリンが活躍した時代です。

ちなみにこれらのレッド・ツェッペリンの音源は『How The West Was Won』略称『HTWWW』から。筆者が独善的に認定するレッド・ツェッペリン屈指の名盤にして、ロック史上に燦々と輝くライブ音源だ!

レッド・ツェッペリンの何がすごいのか。演奏技術もすごい、ライブの熱量もヤバイ、しかし、やはりこの音楽性の広さと唯一無二のオリジナル性が何よりもヤバイ。

彼らの音楽は、当時のハードロック・ヘビーメタルサウンドはもちろん、黒人のファンクミュージック、ビートルズのようなサイケデリックロック、果てはアイルランドの民族音楽までがごった煮のように混じっており、特に面白いのは古~いブルースやカントリーミュージックのような「当時は時代遅れでダサいと思われていた」音楽要素までをしっかりと取り入れ、自分たちの音楽に昇華していること。

例えばこの曲は非常に分かりやすい好例です。
アメリカの荒野の中繰り広げられる、ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリの掛け合いを思い出しながら聴いてみてください。

ジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリ(出典『ジョジョの奇妙な冒険 第7部 12巻』149P「チューブラー・ベルズ その2」より)

こちら、静かなカントリーミュージックのバラードかと思いきや…01:25には轟音ハードロックになだれ込む。これぞレッド・ツェッペリン、当時のフリークス(心や体のどこかが欠けた人々のこと。転じて当時の糞ダメ人間どもの総称)の英雄です。

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