都築響一「エロトピア・ジャパン展」 ラブホ写真やラブドール展示で迫る日本のエロ

都築響一「エロトピア・ジャパン展」 ラブホ写真やラブドール展示で迫る日本のエロ
都築響一「エロトピア・ジャパン展」 ラブホ写真やラブドール展示で迫る日本のエロ

(C)オリエント工業のラブドール

写真家/編集者の都築響一さんによる、エロをテーマにした展覧会「『神は局部に宿る』都築響一 presents エロトピア・ジャパン展」が、東京・渋谷の松濤にあるアートスペース・アツコバルー arts drinks talkにて開催される。

同展では、都築さんがこれまで収集してきた秘宝館コレクションをはじめ、ラブホテルやイメージクラブの写真、オリエント工業製のラブドールなどが展示され、日本におけるエロのオムニバス的展覧会となる。

会期は6月11日(土)から7月31日(日)まで、入場料は1,000円となっている。

写真家/編集者・都築響一とは?

都築響一さんは雑誌『ポパイ(POPEYE)』や『ブルータス(BRUTUS) 』の編集を経て、全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインの分野で執筆・編集活動を続けている。

日本各地の秘宝館や村おこし施設などの珍スポットを追った写真ルポルタージュ『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』では「第23回木村伊兵衛賞」を受賞。

そのほかにも300件もの賃貸物件を写し出した『賃貸宇宙UNIVERSE forRENT』、閉塞した美術業界に殴り込みをかけた『現代美術場外乱闘』、死刑囚の辞世の句、寝たきり老人の独語、暴走族の特攻服などを詩と捉えて集めた『夜露死苦現代詩』など多数の書籍を刊行。

2015年末には編集者として本づくりの裏側を明かした『圏外編集者』を刊行し、現在は、個人で有料メールマガジン「ROADSIDERS' weekly」を配信している。

隠された日本のエロ文化をアートと共に探求

(C)都築響一 秘宝館

そんな都築響一さんによる展覧会「『神は局部に宿る』都築響一 presents エロトピア・ジャパン展」は、これまでに同氏が長年取材してきた様々なエロを写真や秘宝館コレクションと共に展示。

(C)都築響一 ラブホテルシリーズより

ラブホテルやイメクラを再現したゾーンも展開し、日本の隠されたエロ文化をアートと共に探求できる。

会場では、アダルトグッズ・TENGAの製品も販売されるという。

日本を訪れる外国人観光客は、氾濫する性的イメージにいきなり圧倒される。通りにはみ出す風俗看板に、路傍でチラシを配るメイド少女に、DVD屋のすだれの奥に、コンビニの成人コーナーにあふれ匂い立つセックス。そしてハイウェイ沿いに建つラブホテルの群。

この息づまる性臭に、暴走する妄想に、アートを、建築を、デザインを語る人々はつねに顔を背けてきた。超高級外資系ホテルや貸切離れの高級旅館は存在すら知らなくても、地元のラブホテルを知らないひとはいないだろうに。現代美術館の「ビデオアート」には一生縁がなくても、AVを一本も観たことのない日本人はいないだろうに。そして発情する日本のストリートは、「わけがわからないけど気になってしょうがないもの」だらけなのに。

ラブホテルもイメクラも秘宝館も、その作り手たちは、自分がアートを作ってるなんて、まったく思っていない。彼らが目指すのはただ、自分と受け手の欲望と妄想をもっとも完璧に満足させる装置である。性欲と金銭欲とを両輪にドライブしつづける、そんな彼らのクリエイティヴィティの純度が、いまや美術館を飾るアーティストの「作品」よりもはるかに、僕らの眼とこころに突き刺さってくるのはどういうことだろう。アートじゃないはずのものが、はるかにアーティスティックに見えてしまうのは、なぜなんだろう。

さげすまれ、疎まれることはしばしばでも、敬意を払われることは決してないまま、それらはひそかに生き延び、いつのまにか消えていく。

日出づる国のブラインドサイドに響く、その歌が君には聞こえるだろうか。 都築響一さんのコメント

(C)都築響一 秘宝館

(C)都築響一 秘宝館

(C)都築響一 ラブホテルシリーズより

(C)都築響一 ラブホテルシリーズより

(C)都築響一 ラブホテルシリーズより

(C)都築響一 ラブホテルシリーズより

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イベント情報

『神は局部に宿る』都築響一 presents エロトピア・ジャパン

会期
2016年6月11日(土)〜 7月31日(日)
時間
水曜〜土曜 14時〜21時
日曜・月曜 11時〜18時
定休日
火曜日
入場料
1,000円

※性的な表現が含まれておりますので、予めご了承の上ご来場ください

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