月刊化した「水中ニーソ」撮影現場に密着! 水中メイクのコツも

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人呼んで“水中の申し子”、真縞しまりすさんの美しき撮影

『水中ニーソプラス』の表紙をはじめ、ホビーメーカー海洋堂とのコラボレーションフィギュア『1/10 水中ニーソ しまりすちゃん レジンキャストキット』では原型モデルを務めるなど、水中ニーソの代表的なモデルともいえる真縞しまりすさん。その“水中能力”の高さから、他のモデルよりも長い60分の撮影にも耐えられるといいます。

えみりさんが苦労している中層でのキープも「なぜかしまりすちゃんはすぐ出来た」そうで、その能力は「しまりすの謎技術」とスタッフやモデルから呼ばれているのだとか。その謎技術、この日もフルに発揮されていました。 白いマイクロビキニに真っ赤なリボンをまとって真縞しまりすさんが現れると、撮影現場からは「かわいい!」の声がゾクゾクと。今回はクリスマスをイメージした写真からスタート。クリスマスだけに「私がプレゼント」感を演出するためのリボンと星飾りというわけです。 このクリスマス写真は撮影翌日の24日には古賀学さんのTwitterで発表されており、聖なる夜に華を添えてくれましたが、撮影現場はやはり大変。リボンが外れたり、ウィッグの乱れを直したりと、細かな調整を続けながらベストな一枚を探っていく地道な作業です。 そして「しまりすの謎技術」と評される中層でのキープも見事に決まります。まるで見えない台に腰掛けているかのごとくポーズを保つ姿は、たしかに「どうやっているのかわからない」と間近で見ても感じるほど。

「体力はすっごいあるんですよね。スポーツは極真空手合気道、それと中学生からダイビングを続けていましたし、運動神経もある方なんです。ラッキーでした」と真縞しまりすさん。スタッフから「水中の申し子」と呼び声が上がるのも納得の撮影でした。 古賀さんも「メモリーをフルに使いきった! さすがの撮れ高」と手応えを感じているよう。実は『水中ニーソ』月刊化の裏には、撮れ高があるにもかかわらず発表できていない写真が大量にあるという事情も関係しているのだそう。月刊化して、秘蔵ショットも続々放出されるはずです。

クリスマスに続く「お正月バージョン」の写真も近日公開の予定。撮影の様子を思い浮かべつつ、古賀学さんのTwitterをチェックしてみると、楽しみが大きくなるかもしれませんよ。

えみりさん、まさじさん、真縞しまりすさんの撮影はこの後も続き、数々の作品がつくられていきました。“秘蔵っ子”えみりさんと、“申し子”しまりすさんのペア撮影もあり、リリースが待ち遠しい限りです。

水中メイクならではの苦労は「摩擦との戦い」にある!

撮影をサポートするスタッフの中でも、モデルの印象を大きく左右するのがメイク。どのようなポイントに気をつけているのか、『水中ニーソ』の初期からメイクを担当するユウリさんに「水中で落ちずに映えるメイクのコツ」を聞きました。

1.油性の化粧品を使う

ユウリさんがまず見るのは化粧品の原材料欄。通常、多く含まれている順に記載されているので、「水」が初めの方に表示されているものは水性のものが多いため、溶けやすく相性が悪いそう。また、水中では特に赤色が吸収されて見えるため、地上との発色の異なりを考えるのもポイントです。

2.水中メイクが取れてしまう「3つの敵」を知る

メイクの取れ方は「水に溶けてしまう」「水面との摩擦」「顔をぬぐってしまう」の大きく3点にあります。「水面との摩擦」は水中に潜る際に、水が顔をなぞる瞬間に起きる摩擦のこと。また、人間は水中から顔を出すと無意識に手でぬぐってしまうのも悩みの種だとか。たしかに水中ニーソのモデルたちは水中から上がってきた時も、なるべく顔に触れないようにしていました。

3.本来の用途「以外」でも使えるものなら使う

水に強いと言われるウォータープルーフの化粧品でも、摩擦に弱いものがあるのだそう。摩擦への耐久度を見るために、ユウリさんは「テスターを一度肌につけ、乾くまでお店の中を歩いてから、こすって確かめてみる」と地道なトライを続けています。

最も向いているのは「水中バレエ」に用いるメイク道具とのことですが、単価と揮発性が高く「摩擦に弱いものもある」と言います。「だから、たとえばペンシルでしっかり乗せて綿棒で肌に密着させたり、眉はウォータープルーフのアイライナーで書いちゃったりもします。アイシャドウがほしかったら、アイシャドウ以外の化粧品も見て、使えるものを探していますね」とユウリさん。 今回の撮影で具体的に意識した点を、真縞しまりすさんのメイクを例にうかがってみました。

「妖精さんっぽい雰囲気を出したかったんです。だから、眉毛とまつげをどれだけ白く潰すかを意識しています。地上だと強烈だけど、水中だからこそ許されるメイクでしたね。

今回は手に入れられた白マスカラが水性だったせいで、最後に剥がれてしまったのが心残り。いまだに試行錯誤の日々です。古賀さんたちと出会うまで、こんなに水中メイクのことを考えるなんて思ってもみなかったです」

ひとつの現場ごとにノウハウを貯め、次に活かすのは古賀学さんやモデルだけではなく、スタッフも同じ。だからこそ他とは違う表現が生まれていくのだろうと感じます。ちなみに、『月刊水中ニーソ』の4月号でメイク特集が組まれるとのことなので、水中撮影にトライしたい人たちは必見です!

古賀学ミニインタビュー:月刊化を経てどんな“水中”を目指すのか?

最後に、古賀さんに水中ニーソのこれまでの歩み、月刊化では出版社から離れインディーズでの発表の道を選んだ理由、そして今後の展開についてもお聞きしました。

──改めて、そもそもどうして水中ニーソ始められたのでしょうか?

古賀さん 映画『ヘルタースケルター』の水中撮影を担当することになった時に、事前の準備がてら、一眼レフでの実験撮影を水中で行っていたんです。

試し撮りとして、競泳水着にスキューバ器材をつけてダイビングしている様子を動画撮影していたのですが、たまたま衣装にニーハイソックスが何種類かあって、白ニーハイの透け具合をチェックするべくそのまま履いてもらって撮影したのが最初の「水中ニーソ」です。2012年1月のことでした。

──これまで、撮影中/撮影外で一番ひやっとした瞬間は?

古賀さん 撮影中にひやっとしたくないので、ひやっとしない準備をしています(笑)。安全管理を任せられる水中スタッフとか、細かく現場をイメージした香盤表とか、モデルのスキルに合わせて撮影内容を考えて、現場で悩む必要がないようにしています。

ただ、コラボプロジェクトによっては、モデルが先に決まっているケースがあるんです。撮影現場を見ていただいてお察しの通り、モデルの技量というものも、地上撮影以上に水中撮影の出来を左右する大きなポイントなんです。だから、そのモデルが水の中で輝かなかったらどうしよう? と心配しながら臨むこともあります。

──意外とここは理解されていない、というポイントは?

古賀さん カジュアルにしたくて意図的にうすっぺらくしているのですが、見た目以上にお金がかかることは意外と知られていない。

カメラやハウジングだけで50万ほど、それに追加で、1台5万前後する水中照明用のライトなども随時買い足しています。

それに、一回の撮影で使用するスタジオ代にしてもダイビング講習用のプールを貸し切っているので、人件費含めてかなりの費用がかかります…!

──2015年、月刊化されたり地上波CMの映像を手がけられたりと、大きな動きがあった1年だったかと思いますが、9月に刊行された写真集『水中ニーソキューブ』以降、それまでの版元だったポット出版から離れてなぜインディーズという形になったのですか?

古賀さん 2013年に写真集化を打診してくれた編集の大田洋輔さんがポット出版を退社したということが大きいです。

引き続きポット出版さんにお世話になるか、他の版元さんに持ち込むか、あるいは自分で出版して販売するか。いろいろ思案していたところに、アーティストの村上隆さんがインディーズ案を面白がってくれたことに後押しされて、自分で出版する道を選びました。

『水中ニーソキューブ』は、展示やイベントでの手売り以外にもAmazonやヴィレヴァンでも取り扱っているので、入手しづらいということもないと思います。『月刊水中ニーソ』は今のところ、BASEのネットショップでの限定的な展開にとどめています。 ──なぜ月刊化されたのですか?

古賀さん これまでも展示やイベントで販売していた小さな写真集が好評でした。100ページ級の写真集だとできない小まわりの効く単発コンセプトや実験が可能なので、これをレギュラー化できないかという試みの意味が大きいです。

──「水中ニーソ」の今後の展開は?

古賀さん まずは毎月刊行を決めた『月刊水中ニーソ』を進めていきます。夏の暑い時期に向けて展示やボリュームのある作品集もつくりたいです。前作の『水中ニーソキューブ』が傑作なので、どうやってそれを超えるコンセプトを見つけるか、これから考えていこうと思っています。
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