オートバイなどの製造・販売を主とする会社・ヤマハ発動機株式会社が、2014年春より完全オリジナルのアニメを制作していることをご存知でしょうか?
タイトルは『Master of Torque』(マスター・オブ・トルク)。
「どうせ企業のつくった5分くらいの短編でしょ?」と思いきや、約20分尺という本腰の入れよう! 現在、シーズン2までがWeb限定で公開されており、作品の舞台となるのはオリンピックの開催まであと3年と迫った2017年の東京とちょっとタイムリー。
首都高の解体・改修、新規増設工事が急ピッチで進んでいる中、ヤマハ発動機が製造する実際のバイクが多数登場。オートバイに乗る若者3人が大きな陰謀に巻き込まれていく過程や、その人間模様を描く物語を展開します。
全編3DCGを駆使し、従来のアニメにはなかったリアルなバイクの挙動が観られるバイクメーカーならではのアニメとなっています。 登場するメインキャラクターに命を吹き込む声優陣には、アニメ『イナズマイレブン』豪炎寺修也役などで知られる野島裕史さん。 アニメ『ふたりはプリキュア Splash☆Star』美翔舞役などで知られる榎本温子さん。 アニメ『べるぜバブ』姫川竜也役などで知られる荻野晴朗さん。 監督をつとめたのはCGアニメーションスタジオ・シモグミの代表である下山真吾さん。 そして、本作のエグゼクティブプロデューサーであるヤマハ発動機の牧野浩さんも交え、アニメの魅力や裏話を語り尽くす座談会が行われました。その様子を余すことなくご紹介します!
主人公の騨が乗っているMT-09 TRACERも好評で、商品が足りない状態が続いています。
実物のバイクを見た声優陣からも「大きい!」「かっこいい!」と歓声があがります。確かにかっこいい!
榎本 そんなヤマハさんがなぜアニメつくることになったのでしょう?
牧野 これまでは新しい車種が出る時に、専門誌や販売店を通じてメッセージを出していたんですけれども、徐々に若者層と、従来のバイク好きの層にギャップが生まれてきました。なので、アニメでその状況を打破していきたいという理由で制作に踏み切りました。
野島 ブランドのイメージ向上という形で。
牧野 アニメを発信することでオートバイをたくさん売るという考え方ではなく、結果的にブランディングになればと。
なるほどわからん! アニメをつくることがどうしてイメージアップになるのでしょうか?
野島 絵画の背景に扇子がうつったりしてますよね?
牧野 印象派の人たちのものの考え方と、浮世絵の概念って非常に近かったんですね。葛飾北斎が富士山を描いた「富嶽三十六景」なども頭の中にあるイマジネーションを、さも本当のように描くという虚構の世界です。これは現代のアニメと同じじゃないかと。
アニメならば欧州での親和性も高いということも含め、我々の持っている魂(スピリット)や哲学(フィロソフィー)をお客さんに伝える大きな手段ではないかという風に考えました。
浮世絵からアニメというのもちょっと強引かもしれませんが、世界に通用する=アニメーションというアイデアが出発点となったようです。
牧野 我々の要望も聞いていただきたいですし、つくり手の熱い気持ちも受け止めたいから、うまいキャッチボールができるというところで、シモグミさんとうまくリンクしまして。
野島 僕ら声優陣が出会ったのも監督の作品ががきっかけですもんね!
下山 『スケアクロウマン』という作品で、ここにいるお三方含めメインキャストの方々とシリーズをやらせていただきました。
なんと、今作の声優陣は過去に下山監督が副監督として参加したTVシリーズで共演されていたようです!
気心の知れたチームが再集結し、キャラクターに命が吹き込まれていったのですね。
タイトルは『Master of Torque』(マスター・オブ・トルク)。
「どうせ企業のつくった5分くらいの短編でしょ?」と思いきや、約20分尺という本腰の入れよう! 現在、シーズン2までがWeb限定で公開されており、作品の舞台となるのはオリンピックの開催まであと3年と迫った2017年の東京とちょっとタイムリー。
首都高の解体・改修、新規増設工事が急ピッチで進んでいる中、ヤマハ発動機が製造する実際のバイクが多数登場。オートバイに乗る若者3人が大きな陰謀に巻き込まれていく過程や、その人間模様を描く物語を展開します。
全編3DCGを駆使し、従来のアニメにはなかったリアルなバイクの挙動が観られるバイクメーカーならではのアニメとなっています。 登場するメインキャラクターに命を吹き込む声優陣には、アニメ『イナズマイレブン』豪炎寺修也役などで知られる野島裕史さん。 アニメ『ふたりはプリキュア Splash☆Star』美翔舞役などで知られる榎本温子さん。 アニメ『べるぜバブ』姫川竜也役などで知られる荻野晴朗さん。 監督をつとめたのはCGアニメーションスタジオ・シモグミの代表である下山真吾さん。 そして、本作のエグゼクティブプロデューサーであるヤマハ発動機の牧野浩さんも交え、アニメの魅力や裏話を語り尽くす座談会が行われました。その様子を余すことなくご紹介します!
マスターオブトルクの魅力を語る! #1
そもそもなぜ、バイク屋がアニメを?
読者のみなさんの中には、そもそもバイクメーカーであるヤマハ発動機が「なぜアニメを制作しはじめたのか?」疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。正直、筆者の私もそう思ったくらいです。しかし、それにはちゃんとした理由があるようです。 牧野 作中に登場するバイク「MTシリーズ」は、リーマンショック後の新しい市場にトライする意味でつくられました。日本でもヨーロッパでもアメリカでも予想した期待値以上に好評をいただいています。主人公の騨が乗っているMT-09 TRACERも好評で、商品が足りない状態が続いています。
実物のバイクを見た声優陣からも「大きい!」「かっこいい!」と歓声があがります。確かにかっこいい!
榎本 そんなヤマハさんがなぜアニメつくることになったのでしょう?
牧野 これまでは新しい車種が出る時に、専門誌や販売店を通じてメッセージを出していたんですけれども、徐々に若者層と、従来のバイク好きの層にギャップが生まれてきました。なので、アニメでその状況を打破していきたいという理由で制作に踏み切りました。
野島 ブランドのイメージ向上という形で。
牧野 アニメを発信することでオートバイをたくさん売るという考え方ではなく、結果的にブランディングになればと。
なるほどわからん! アニメをつくることがどうしてイメージアップになるのでしょうか?
浮世絵からヒントを得た
牧野 日本文化を紐解いていくうちに「浮世絵」というキーワードにたどり着きました。浮世絵は江戸時代の庶民の娯楽。それが欧州に渡って、特にフランスの印象派に影響を与え、画家のゴッホがその浮世絵を模写したりしているんです。野島 絵画の背景に扇子がうつったりしてますよね?
牧野 印象派の人たちのものの考え方と、浮世絵の概念って非常に近かったんですね。葛飾北斎が富士山を描いた「富嶽三十六景」なども頭の中にあるイマジネーションを、さも本当のように描くという虚構の世界です。これは現代のアニメと同じじゃないかと。
アニメならば欧州での親和性も高いということも含め、我々の持っている魂(スピリット)や哲学(フィロソフィー)をお客さんに伝える大きな手段ではないかという風に考えました。
浮世絵からアニメというのもちょっと強引かもしれませんが、世界に通用する=アニメーションというアイデアが出発点となったようです。
監督との出会い、声優キャストも夢の再会?
そうは言っても、ヤマハ発動機もアニメを制作するのは初めての試み! そこで白羽の矢が立ったのが3DCGアニメスタジオの「シモグミ」でした。牧野 我々の要望も聞いていただきたいですし、つくり手の熱い気持ちも受け止めたいから、うまいキャッチボールができるというところで、シモグミさんとうまくリンクしまして。
野島 僕ら声優陣が出会ったのも監督の作品ががきっかけですもんね!
下山 『スケアクロウマン』という作品で、ここにいるお三方含めメインキャストの方々とシリーズをやらせていただきました。
なんと、今作の声優陣は過去に下山監督が副監督として参加したTVシリーズで共演されていたようです!
気心の知れたチームが再集結し、キャラクターに命が吹き込まれていったのですね。
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