2012年4月の大阪の老舗クラブ・NOONの摘発を受けて起こったイベント「SAVE THE NOON」のライブと、出演ミュージシャンらへのインタビューを記録し、表現者の視点から風営法について語ったドキュメンタリー映画『SAVE THE CLUB NOON』が、2013年11月30日(土)に公開される。本作は、制作資金の全額をクラウドファンディングサイトで集めることに成功した、日本ではまだ数少ない事例としても注目されている。
この摘発を受け、クラブミュージックはもちろん、様々なジャンルのアンダーグラウンドな音楽シーンを支えたNOONへの「感謝」そして「救済したい」という想いを伝えるべく、日本全国から約100組のDJ、ミュージシャンが集まり、ライブイベント「SAVE THE NOON」が開催された。このライブの様子と出演者のインタビューを記録したのが、映画『SAVE THE CLUB NOON』だ。出演者には、いとうせいこうさん、THA BLUE HERBのILL-BOSSTINOさん、ハナレグミ、七尾旅人さん、EGO-WRAPPIN’の中納良恵さんら、豪華なメンバーが名を連ねている。
また、本作は「Motion Gallery」というクラウドファンディングサイトで制作・公開の資金を集めており、目標額300万円を大きく上回る約400万円を集め、成功したプロジェクトでもある。このプロジェクトのFacebookページには6000近くの「いいね!」が押されていることからも、本作への関心の高さがうかがえる。
60年以上前の法律が現在にも適用されていることへの違和感や、取り締まりの基準も恣意的なのではないか、という疑問の声も上がっており、風営法にまつわる議論は後を絶たない。
本作『SAVE THE CLUB NOON』は、そんな風営法に対し、単なる反発ではなく、問題を冷静に捉え、風営法への疑問を通して自分たちが生きている社会をより深く知り、これからの未来を変えていくきっかけにしたい、という想いで制作されたという。
映画『SAVE THE CLUB NOON』ができるまで
2012年4月4日21:43、風営法の規制強化により“無許可で店内にダンススペースを設け、客にダンスをさせていた”という理由で摘発された、大阪中崎町の老舗クラブ「NOON」。風営法の取り締まりは2010年頃から強化され、関西では約2年間でおよそ20軒ものクラブが実質的な廃業を余儀なくされていたが、NOONの摘発はそれまで取り締まられていた深夜帯ではない摘発だったこともあり、クラブシーンのみならずライブハウスにまで緊張を生んだ。この摘発を受け、クラブミュージックはもちろん、様々なジャンルのアンダーグラウンドな音楽シーンを支えたNOONへの「感謝」そして「救済したい」という想いを伝えるべく、日本全国から約100組のDJ、ミュージシャンが集まり、ライブイベント「SAVE THE NOON」が開催された。このライブの様子と出演者のインタビューを記録したのが、映画『SAVE THE CLUB NOON』だ。出演者には、いとうせいこうさん、THA BLUE HERBのILL-BOSSTINOさん、ハナレグミ、七尾旅人さん、EGO-WRAPPIN’の中納良恵さんら、豪華なメンバーが名を連ねている。
また、本作は「Motion Gallery」というクラウドファンディングサイトで制作・公開の資金を集めており、目標額300万円を大きく上回る約400万円を集め、成功したプロジェクトでもある。このプロジェクトのFacebookページには6000近くの「いいね!」が押されていることからも、本作への関心の高さがうかがえる。
風営法とは
風営法とは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」のこと。ダンスホールやダンスができる場所を営業することは「風俗営業」となり、様々な条件をクリアしたうえで、都道府県の公安委員会の営業許可が必要となる。この法律が出来たのは1948年のことで(当時は風俗営業取締法)、「ダンスホールが買売春の取引に使われている」という認識から、ダンスをさせることが規制の対象となったと言われている。近年では、各地方の都心部における繁華街を中心に取り締まりが強化されている。東京でも、2012年9月に起きた渋谷のatom、HERLEM、asia、WOMB、Camelotをはじめとするクラブ・ライブスペースの一斉摘発や、2013年5月には六本木の人気クラブ・VANITYが摘発され、直接的な原因は定かではないが、VANITYはその後7月には閉鎖(http://kai-you.net/article/721)することとなった。60年以上前の法律が現在にも適用されていることへの違和感や、取り締まりの基準も恣意的なのではないか、という疑問の声も上がっており、風営法にまつわる議論は後を絶たない。
本作『SAVE THE CLUB NOON』は、そんな風営法に対し、単なる反発ではなく、問題を冷静に捉え、風営法への疑問を通して自分たちが生きている社会をより深く知り、これからの未来を変えていくきっかけにしたい、という想いで制作されたという。
『SAVE THE CLUB NOON』予告編
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