門外漢だからこそつくれた、プレイヤーに寄り添う操作感
驚くべきことに、開発者であるトミナガさん自身はTCGやボードゲームなどを全くプレイしないという。
「正直に言うと、TCGやボードゲームは全くプレイしません。なので今回のツールは、"門外漢"がつくったことになります。ただ、だからこそ良かった面もあると思っていて、展開ルートの何が整理しづらいのか、どんな機能があれば実用的なのかを、自分の思い込みではなくプレイヤーの皆さんの声から素直に拾ってつくれたんです」(トミナガハルキ)
カードゲームの展開やコンボ図を作りやすい【カードゲーム展開ジェネレーター】を公開しました。https://t.co/E1NGMlLSPg pic.twitter.com/E4698wxqVB
— トミナガハルキ | フリーランス歴10年な人 (@asobodesign) April 23, 2026
トミナガさんはSNSに投稿される使用例をじっと観察し、「ゾーンで囲みたいのか」「アクションを矢印に書き込みたいのか」と学びを深めていった。
「ルールは知らなくても、『図が気持ちいいかどうか』なら分かるので。そこが門外漢なりの貢献ポイントだったのかなと思います」(トミナガハルキ)
アイデアの源泉は「ちょっと面倒」と「あったら笑える」
これまでに100以上のツールを開発してきたトミナガさん。次々と新しいアイデアを形にし、公開し続けるモチベーションはどこから湧いてくるのだろうか。
「一番のモチベーションは反応がすぐ返ってくることですね。公開したその日に誰かが想定外の使い方をしていて、翌朝には要望やバグ報告が届いていたりして……。それを受けてすぐ直し、また反応が返ってくるという往復も楽しいです」(トミナガハルキ)
そんなトミナガさんのアイデアの源は、日常の「ちょっと面倒」と「あったら笑える」の2軸に分かれているという。
「前者はデザイン業の実務から生まれるもので、たとえば画像の一括リサイズや圧縮のツールは、納品前の画像処理を毎回ソフトを立ち上げてやるのが面倒だという、自分自身の業務の不便から生まれています。後者が『三角関係ジェネレーター』のようなネタツールで、くだらないけどつくりたいという衝動だけでつくったものが、実用系よりも大きく伸びたりするのが面白いところです」(トミナガハルキ)
トミナガさんが作成したDTP・Webデザイナー向け画像差分チェックツール/画像は画像はデザイン事務所AMIXより
AIとの対話・バイブコーディングが生み出す「超高速開発」
ユーザーの声に応え、驚異的な開発スピードでWebツールを成長させていくトミナガさん。それを支えているのが、AIと対話しながらプログラムを構築していくバイブコーディングと呼ばれる開発手法だ。
「決定的に変わったのはスピードよりも 試せる回数かもしれません。以前なら『つくれたらいいな』で終わっていたアイデアが、思いついたその日に動くところまで行けます。『三角関係ジェネレーター』も、公開翌日にはバグ修正・データ保存・矢印カーブ・英語版まで一気に追加できましたが、あれは対話ベースの開発だからできた速度です」(トミナガハルキ)
デザイナーであるトミナガさんにとって、実装のハードルが下がった今、思考のすべてを「何をつくるか」「どう気持ちよく触らせるか」に注げるようになったという。
「バイブコーディングの本当のありがたさは、『役に立つかどうか』の審査を通さずに、思いついた勢いのまま形にできることです。以前なら実装コストを考えて没にしていたくだらないけど見てみたい世界を、思いついた勢いのまま形にできます。今後も実用とくだらなさの二刀流で、労力の使いどころを間違えたものを堂々とつくり続けたいです」(トミナガハルキ)
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