望月けいデザインのキャラクターを動かす──その難しさへの覚悟
──作画に関してもうかがいたいと思います。絵柄が特徴的な望月けいさんのキャラクターを動かす上で意識されたことはありますか?
五十嵐 望月さんのイラストのように、一枚絵として完成されたバランスのものを立体として捉えて動かすのはかなり難しかったです。加えて、ここ5〜6年で業界の技術も大きく進化し、作画的にもクオリティの高い作品が増え、お客さんたちの目もだいぶ肥えてきました。
なのでかなり大変ではありましたが、これで行くと決めた以上は覚悟を持ち、プロとしてしっかり頑張ろうという思いでした。
──メインキャラクターたちが特徴的ゆえに、モブキャラたちとのバランスの調整が難しそうにも感じました。
五十嵐 望月さんのデザインはかなり奇抜なので、モブキャラも普通ではなく奇抜にしないと浮いてしまう心配がありました。しかも、その普通の人たちの中にも階級があったりするので、複数のデザインが必要になります。
なので、普通の服装ではなくハイブランドの実際の服を参考にしたりして大枠をつくりあげ、最終的には望月さんにもチェックしてもらう形でバランスをとっていきました。
トラウマを乗り越えた証を、アクションとコミカルのバランスで表現
──アクションシーンもさることながら、合間にはさまるコミカルなシーンも見ごたえのあるアニメーションになっていました。
五十嵐 手塚治虫さんの作家性って、シリアスなのかギャグなのかはっきりとは分けられない不思議なラインだったと思うんです。そういう感覚はこの作品にも残したいと思ったので、コミカルさはなるべく入れていこうと考えてました。
五十嵐監督ならではのケレン味溢れるアクションシーンも見どころ
──ラストのネルガル内での戦いでは、明確にバトルとコミカルのバランスが変更されていたと思います。アクションのメリハリにも繋がっていたかと思いますが、どのような思いがあったのでしょうか?
五十嵐 最後に原作のカラッとした感じに返りたかったという思いがありました。
あのシーンは、もうサファイアがトラウマを乗り越えた状態です。そういう精神状態になっていれば、トラウマを客観視できたり、自分の中でギャグとして昇華できたりもする。そういう構造がエンタメになると思いましたし、サファイアが成長した証としてもトーンを変化させたかったんです。




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作品情報
THE RIBBON HERO リボンヒーロー
- キャスト
- サファイア:サーヤ(ラランド)
- パイン:小林星蘭
- ベルベット:内山昂輝
- ジルコ:新谷真弓
- ロック:細谷佳正
- ヘケート:月ノ美兎
- チョロギ:手塚祐介
- チック:でびでび・でびる
- タック:ルンルン
- 教皇:壤晴彦
- 監督
- 五十嵐祐貴
- 原案
- 手塚治虫『リボンの騎士』より
- 脚本協力
- 香村純子
- キャラクター原案
- 望月けい
- キャラクター原案協力
- 米山 舞
- アニメーションキャラクターデザイン
- 新垣一成
- アートディレクター
- セドリック・エロール
- ネルガルデザイン
- okama
- 美術監督
- 野村正信
- 色彩設計
- 渡部夏美
- CGディレクター
- 長嶺明音
- 撮影監督
- 福田 光
- 編集
- 植松淳
- 音楽
- 神前 暁(MONACA) 髙田龍一(MONACA)
- 音響監督
- 三好慶一郎
- 音響制作
- 東北新社
- 製作
- ツインエンジン
- 制作
- OUTLINE
■イントロダクション
失われた王国の王女、サファイア。
災厄"ネルガル"に故郷シルバーランドのすべてを奪われ、絶望の果てにゴールドランドへとたどり着く。
過去を抱えながらも、人々の優しさに触れ、ささやかな希望を見出し始めた彼女。
しかし、平和な日常を嘲笑うかのように、再び災厄"ネルガル"が現れる。
かつて故郷を灰燼に帰した絶望が、今また、この場所から光を奪おうとしている。
もう、何も失わない。誰にも失わせない。
悲しみの涙を振り払い、少女は剣を取る。
これは、リボンを結び、運命に抗うことを決めた、一人のヒーローの物語。
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