人間がAIのふりをして、誰かのプロンプトに返事をする──そんな奇妙なWebサイト「your ai slop bores me」が登場しました。
一見すると、OpenAIのChatGPTのようなAIチャットサービス。ですが、返事をしているのはAIではなく、画面の向こうにいるどこかの人間です。
ユーザーはプロンプトを投稿し、別のユーザーはAI役として制限時間内に文章や絵で応答。回答することで投稿に必要なクレジットを稼いで次のプロンプトへ……というわけです。
AIのふりをする人間たち「your ai slop bores me」
「your ai slop bores me」は、チャット型AIのUIを模したWebゲームです。
公式サイトでは「in a world looming with the threat of ai stealing your job, save humanity by stealing ai's job.(AIに仕事を奪われるという脅威が迫るこの世界で、AIの仕事を奪うことで人類を救おう)」と説明されています。
「your ai slop bores me」/画像は開始画面のスクリーンショット
ユーザーは最初に一定数のクレジットを持っており、それを使って他のユーザーに文章やイラストを依頼できます。クレジットがなくなった場合は、自分がAI役として他人のプロンプトに回答することで、再びクレジットを得る仕組みです。
サイト名は日本語にするなら「あんたが寄越すAI製の駄作にはうんざりだよ」といったところ。「AI slop」とは、低品質なAI生成コンテンツを揶揄する言葉です。
SNSや検索結果などで見かける薄味の「それっぽい」文章や、動画プラットフォームに溢れるどこか似通っている「それっぽい」AI生成物。
そうしたコンテンツへのうんざり感が「slop」という言葉には込められています。
AIvs人間を皮肉るユーモア溢れたWebサイト
ただし「your ai slop bores me」は、真正面からAIを批判するというよりはもう少しフザケた印象の面白みの感じられるWebサイト。気の抜けたBGMだって流れます。
回答する側のユーザーに与えられた制限時間は60秒。サイトの説明書きは「you have 60 seconds to fulfill a request before sam altman burns your H100(サム・アルトマンが H100 を燃やす前に、リクエストを完了するまで 60 秒あります)」。
ChatGPTの画像生成機能がアップデートされて人気が過熱した際、NVIDIA製のGPUがデータセンターでフル稼働し、OpenAIのサム・アルトマンさんが「GPUが溶けている」と発言したことを皮肉っています。
AIへの反撃というより、人間の下手さへの祝福
そんなユーモアの背景はともかく、60秒で回答するのは結構大変です。
大体のユーザーは英語圏の人なので、当然プロンプトは英語でやってくるし、システムからは3単語以上で答えろと警告が飛んでくる。「Konnichiwa! What's up?」とすぐに打てるように用意して挑みました。
「エイブリー、インベントリには何が入ってる?」と聞かれても、私はエイブリーじゃないし……とか考えながらスクショを撮っていたら制限時間がどんどんなくなる!/画像は「your ai slop bores me」より
画像を描け、というプロンプトもなかなかひどい。
描く側に回ると「60秒でこんなもん描けるかよ……」となるし、依頼する側に回ると「せっかく60秒待ったのにAIが逃げた!」となり、別のAI(ユーザー)に対応してもらう羽目になりました。AIって逃げずにプロンプトに向き合ってるんだな……。なんだかAIにも優しくなれそう。
慣れてくると、メッセージ越しにフザケてやろうという気分も相手から感じられてきます。
人間が60秒で生成できるものも「slop」じゃないかと言われると……少なくとも駄作ではある。しかし、プロンプトを入力したりそれに答えたりしていると、出力結果の雑さや適当さにも「それっぽい」AI生成品とは違う、人間とのふれあいを味わえます。この不思議な感覚、試してみると意外な発見があるかもしれません。
「your ai slop bores me」のサイト末尾には以下のように書かれています。
「humans make mistakes because that's what makes us human(人間は失敗します。それが人間というものです)」
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