会場に集ったクリエイターが問う「個性の見つけ方」
終盤に差し掛かり、オーディエンスからの質問に答えるコーナーへ。自らも音楽制作をするという男性から、それぞれの作風を確立している三人へ、「クリエイターとしての個性をどう見つけたらいいか?」という質問が投げかけられる。
原口沙輔 「この作風でいこう!」って自分で思ったことはないんですよね。ただ続けていく中で「これが原口さんらしさだよね」と言われるようになっていきました。
自分としてはいつもと違う表現をしたつもりでも「やっぱり原口節が効いてる」って言われることもありますし、そうやってどうやっても出てしまうものが自分の個性と言えるのかもしれません。
藤ちょこ 私も無理してつくるというより、やはり自然とにじみ出てくるものが自分の個性なんだと思います。それを理解するためにも、とにかくたくさん作品をつくってみるのが大事だと思いますね。
もう石田 個性については僕自身も探している最中です。最近は”錯視”に挑戦してみたいと思ったりもしてます。
そうやっていろいろ試したりする中で合うものが見つかるかもしれませんし、いろんなことに挑戦する中でそれでも自分に残ったものが個性になっていくんじゃないでしょうか。
会場では、ファンに加えて3人の創作論を聞きたいというクリエイターたちがトークに聞き入った
──今回は「GALLERIA CROSSING」の第一弾として素晴らしい作品を制作していただきましたが、今後のプロジェクトに期待することはありますか?
藤ちょこ 今回の組み合わせは誰も予想できなかったでしょうし、次がどんな組み合わせになるのかも全く想像がつかないのがすごく楽しみです。
原口沙輔 僕自身も今回は普段とは違うアウトプットができましたし、他の方々がどうするのかを見てみたいですね。
もう石田 今回はこういう組み合わせになりましたが、もっと他の組み合わせも見てみたいです。ダンサー×実験大好き博士×炒飯職人みたいなことをやったって面白いでしょうし(笑)。
そうやって生み出されるアートが、今後も残っていくような素晴らしいものになるのを期待しています。
藤ちょこ×原口沙輔×もう石田が重視する「継続の力」
トークショー終演後「時間が足りなかった」と口を揃えるほどに盛り上がった三者にインタビューを実施。これからのシーンを担うクリエイターたちへの貴重なアドバイスも聞くことができた。
──原口さんが「つくる人の手さばきは美しい」と仰っていたように、今回の『幽艶』には、歌詞や映像など全体を通じて”クリエイター賛歌”のようなテーマも感じられました。実際にそうした意識はありましたか?
原口沙輔 個人的には企画への参加を決めた段階から意識していました。もちろん皆さんと打ち合わせしてみて、ダメそうなら無理に入れることはないと思っていましたが、そういう要素も入れられたら素敵だなとは考えてました。
藤ちょこ 実はこの作品に取り掛かっていたのが、子どもを産んでから3か月後くらいの時期で。自分の生活が一変したあと、はじめての大きなお仕事だったんです。
このお仕事でしっかりと満足いくものができるなら今後も大丈夫なはずと考えていたんです。直接的にクリエイター賛歌的な思いを持っていたわけではないのですが、いつもとは違った感覚で魂を込めた作品にはなっています。
もう石田 自分のパートとして制作した部分にはむしろネガティブな言葉を混ぜまくっていて、つくってる時の大変だった気持ちがかなり反映されています。
自分としては難しさや大変さも含めたクリエイトというものを表現できたらと思っていました。
──今回のお客さんはクリエイターやそれを志す人たちが多くいたと思います。最後に皆さんに負けじと創作に取り組む人たちへメッセージをいただけますか?
原口沙輔 一つ言えるとすれば”強く生きてください”ということです、それだけでいい。もちろん常に本気で取り組む必要はありますが、良いものをつくろうとかはあまり考えなくていいと思います。
とにかく折れずに、辞めずに続けていれば周りが勝手にいなくなりますから。
藤ちょこ 作品づくりを続けていくのって本当に難しいですからね。そうやって続けていく中でチャンスも舞い込んでくるでしょうし、頑張ってしがみついていくのは私も大事だと思います。
もう石田 ただそうして続けていく中でも、無理をしないということも意識してほしいです。水のない井戸からは何も湧き上がりませんから、時には休んだり気分転換したりもして、無理せず続けてほしいですね。
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