好きなキャラを見つけて、詰め込みまくろう!
まず紹介するのは、主人公・アンのカード《アバター・アン》。
《アバター・アン》表面
アンは主人公ということもあり、さまざまな種類のカードが存在します。
どのカードをジェネラルにするか悩ましいところですが、ブラケットの目安は2~3なので、気負わず自由に構築できる点を評価して、ここでは《アバター・アン》を選びました。
アンは、アバターとして4つの要素すべてを操ることができる人物。そのためこのカードも、4つの「技」をつかさどる能力を持ちます。単一のターン中にすべての技を使用できれば、裏面《根源の達人、アン》に変身し、さらに強力な能力を得ることができます。
《根源の達人、アン》裏面
アンは、元々から習得している「気」以外の「水」「土」「火」の技を冒険を通して習得していきます。
その中でも攻撃性が強く、気を抜いてしまったら仲間にも牙をむいてしまう「火」の習得に手こずるのですが、《アバター・アン》というカードには「火」をコントロールできるようになった物語終盤が描かれています。
また、このカードは「アバターの境地」というアンが覚醒した状態(頭が光って目が白くなる!)がイラスト化されています。
この能力は扱うのが難しく、作中では「アバターの境地」で我を忘れて暴れてしまうことも多々あります。正しくコントロールするためには、最愛のカタラを忘れなくてはいけないという教えもあり、その葛藤と向き合うアンの姿は見ものです……!
《アバター・アン》の良いところは、5色のジェネラルなので色の拘束を考えずにすべてのカードを入れることができる点にあります! 好きなアバターのキャラを入れまくりましょう。
ただ、普通にプレイしていると変身させるのはかなり難しいと思います。まっとうに変身させたいのなら《素早き救済者、アン》のように1枚で「気の技」と「水の技」を両方使うことのできるカードは入れておきたいような気がしますね。
そもそも変身しなくてもドローソースになるため、強力なジェネラルではあると思います。どうしても、ズルしてでも変身させたい方は《月霧》を使いましょう。
《月霧》
なんとこのカード「すべての人間を変身させる」という能力を持つインスタントなので「人間」のカードタイプを持つ《アバター・アン》も対象となっています。緑1と無色1の計2マナで変身!
こういう活躍の機会が限られているカードにスポットが当たるのも統率者戦の楽しいところ。たくさんドローできるデッキなので、いつかは手札に引き込むことができるはずですよ。
続いて紹介するのは、シーズン2から登場する作中屈指の人気キャラクター、トフ・ベイフォンです。土の王国の名門・ベイ・フォン家の令嬢で、盲目ゆえに箱入り娘として育てられた彼女ですが、実は王国最強クラスの土のベンダー。
《最初の金属のベンダー、トフ》
夜な夜な地下闘技場で賞金を稼ぎ、裸足で歩き、痰を吐く──そんなワイルドな生き様が魅力の人物です。
時折飛び出す強烈なブラックジョークは、笑っていいのか分からない怖さがありますが、彼女の明るく活発な性格は非常に魅力的です(個人的にも一番好きなキャラです!)。
トフも複数のカードが存在しますが、特に《最初の金属のベンダー、トフ》が面白い動きをしそうなのでピックアップ。
このカードは、ベイ・フォン家の手先に誘拐され金属の箱に閉じ込められたトフが脱出するために、金属も操れるように覚醒するシーン以降を描いたものだと思われます。本来は土のベンダーは土しか操ることができないので、「最初の金属のベンダー」という名前になっているんですね(作中では金属も土でできていると説明されますが)。
《最初の金属のベンダー、トフ》は新メカニズム「土の技」を操るカード。これは土地をクリーチャー化して攻撃させる、まさに土のベンダーらしい戦い方を再現したメカニズムです。
さらに、常在型能力によってトークンでないすべてのアーティファクトを土地として扱うことができる──つまりこれは、金属を動かせるというフレーバーをそのまま能力化しているわけです。
このカードで特に注目すべき点は、「土の技」でクリーチャー化した土地(アーティファクト)が死亡または追放されると、タップ状態で戦場に戻るという能力。これを利用すれば、疑似的にアーティファクトをブリンクでき、ETB(戦場に出る)能力を何度も使い回せます。悪用してやりましょう!
例えば《胆液の水源》との組み合わせが強さをイメージしやすいでしょう。このカードは「戦場に出たか戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、カードを1枚引く」という能力を持ちます。
つまり、出たときに1枚、死亡で1枚、タップ状態で帰ってきてさらに1枚──わずか無色2マナで3ドロー。破格です。あと、なんかトフって胆液とかこねくり回すのが好きそうですよね。
《胆液の水源》
さらに過激な例として《永劫機関》があります。タップで自分を追放し、ゲームのターン順を逆転させるというかなり変わった能力のカードです。
これをトフの能力でクリーチャー化→次のターンに起動→ターン順が逆転→再び自分のターンで起動→ターン順が逆転……と繰り返すと、「1→2→1→3→1→2……」とターンが進んでいきます。
《永劫機関》
統率者というのは4人対戦のゲームですので、こうすると麻雀で言う対面(トイメン)に一切ターンが回ってこなくなるのです。邪悪すぎるので絶対にやらないでください。
そんなことをしなくても強力なETB能力持ちのアーティファクトはたくさんあるので、自分好みのアーティファクトデッキを作ってみましょう!
名前の通り、これは「火の国の砲台」です。
《火の国の砲台》は蓄積カウンターが50個溜まると、50点ダメージを与えることができるという大味すぎるカードです。統率者戦の初期ライフが40点なので、一撃必殺ロマン砲も夢ではありません!
《火の国の砲台》
このカードを使うには大量の赤マナが必要。そこで、ジェネラルとして《不死鳥王、オザイ》を採用する形でデッキ構築を考えましょう。このカードは「火の技」で毎ターン4マナ追加で供給できる上、未消化のマナを失う代わりに赤マナに変換してくれます。
オザイは本作のラスボス的存在。アンを追い続けるズーコとアズーラの父であり、世界征服を目論む全体主義者……はじめに説明した通り戦争を巻き起こし、世界を征服しようとしているのはコイツなのです。
《不死鳥王、オザイ》
さて、デッキ構築の話に戻りましょう。《不死鳥王、オザイ》の能力や《煮えたぎる歌》《倍化の立方体》などのマナ加速手段を駆使しても、もう一歩工夫が欲しいところ。
ここでは、マナを経由せず、直接蓄積カウンターを貯めることのできるカードを活用しましょう。
8月にリリースされたセット「久遠の終端」で登場した「配備」メカニズムは好相性でしょう。これはクリーチャーをタップすることによって、そのパワー分対象のカードに蓄積カウンターを置くことができるメカニズムです。
「配備」を使い、蓄積カウンターを溜めたら移し替え作業をしましょう。同じく「久遠の終端」で登場した《モーキサイト精製所》が手っ取り早いでしょう。実はこのカード、取り除くカウンターはなんでもいいので、他の悪さもできそうで嬉しいですね。
《モーキサイト精製所》
他には《解体作業》《地核搾り》《うねりの結節》といったカードでコツコツと蓄積カウンターを溜めていくのも良いでしょう。
正直言ってこの作業はかなり大変だと思います。そもそも赤黒なのに守りに徹してカウンターをコツコツ貯めるなんて異常です。《不死鳥王、オザイ》程の恐ろしいベンダーを砲台の弾にしか使わないのも誰かに怒られそうです。けど、そういうことを“あえて”やってみるのも統率者戦の楽しいところですよ。
もし打ち消しや除去におびえている方が居たら「フィニッシュ手段がこれしかないから通させて!」ってお願いしてみましょう。そうすると最初は通ります。
現在、統率者戦の情報サイト「EDHREC」で最も多くデッキレシピが制作されているジェネラルが《火の王アズーラ》です。
《火の王アズーラ》
先ほど紹介したラスボス・オザイの娘で、実は優しい兄のズーコとは打って変わって父親似の冷酷な性格をしています(浜辺で子どもの作った砂の城を蹴る)。作中でも最強格な彼女は、明らかにジェネラルとしても強く設計されています。ベタな選択だとは思うのですが、言いたいことがあるので紹介させてください。
10年前──はじめて『アバター 伝説の少年アン』を観た筆者は、火だけではなく雷も扱うアズーラを見て、「なんで火のベンダーが雷を使えるんだよ……!!!」と思いました。火と雷って直感的に結びつかないじゃないですか。
しかし今、『MTG』を経験した私には、その組み合わせが妙にしっくりきます。
火と雷といえば、《稲妻》や《稲妻の一撃》──MTG屈指の名カードたちです。そして今回のセットには、その2枚がアズーラ仕様で収録されているのです! うひょお!
《稲妻》
《稲妻の一撃》
これを見た瞬間、私は確信しました。『アバター 伝説の少年アン』と『MTG』は、やっぱり最高に相性がいいと。
それが言いたかっただけです!
これからも増えるユニバースビヨンドに思いを馳せて……
他にも、《森の守護者、ヘイバイ》のように「祭殿」を駆使できるカードや、毎回キャベツを台無しにされる人気モブ《キャベツ売りの商人》など、フレーバー的に楽しいかつ、統率者戦で採用したいカードがたくさんあります!
《キャベツ売りの商人》
『アバター』の世界からそのまま卓上に呼び出し、自分なりに物語を組み替える──それこそがユニバースビヨンドの魅力だと思います!
『MTG』のユニバースビヨンドはこれからも続々と登場するそうです。すでに「ミュータント タートルズ」「マーベル スーパー・ヒーローズ」「ホビット」「Star Trek」とのコラボが発表されています。
日本での知名度の問題や、世界観を壊してしまうなどの懸念はあるとは思いますが、私は一人の統率者ファンとして、そして海外IPファンとして心から楽しみにしています!
では、また次のコラボで会いましょう(このコラムをシリーズ化したいので応援お願いします)。
©Wizards of the Coast LLC.
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