ホロライブ運営カバー社、下請法に違反 アバター修正を243回以上無償でやり直させる

ホロライブ運営カバー社、下請法に違反 アバター修正を243回以上無償でやり直させる
ホロライブ運営カバー社、下請法に違反 アバター修正を243回以上無償でやり直させる

カバー株式会社が運営するVTuberグループ・ホロライブ

VTuberグループ・ホロライブを運営するカバー株式会社が、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)の規定に違反していたことが明らかとなった。

10月25日、公正取引委員会がカバー社に対し、勧告および指導を行ったことを発表した。

カバー社は、VTuberのアバター(Live2Dモデル、3Dモデル)やイラストの制作を委託したクリエイターに対し、納品後に発注書などで示された仕様からは作業が必要であるとわからないつくり直しを無償でさせていた

制作完了の通知後、“VTuberの希望”でつくり直しに

公正取引委員会が公表した不当なやり直しの事例の中には、カバー社側がクリエイターに「制作完了」と通知した後、VTuberが修正を希望していることを理由に、再度つくり直しをさせたケースも存在。

また、納品完了の通知及び代金の支払い前に、制作したLive2DモデルをVTuberが使用して動画配信を行っていたケースもあるという。

本件で認定された不当なやり直し・支払い遅延の例/画像は公正取引委員会のXより

カバー株式会社に対する勧告等について/画像は公正取引委員会のXより

公正取引委員会によれば、カバー社は当該の下請法違反行為を、下請事業者に限るだけでも、23名に対し合計243回を行っていた。

また、下請事業者以外の個人または資本金の額が5000万円以下の法人たる事業者に対しても同様の行為をしていた。

公正取引委員会の勧告/指導を受け、カバー社も声明発表

カバー社は、公正取引委員会の発表にあわせ、10月25日に謝罪声明を公開。

今回の事態に至った背景として「当社の事業が急拡大し取引件数が増大したのに対し、お取引先様の方々とのやり取りに抜け漏れや遅延が生じてしまっていたこと、及び社内体制の構築や社内研修が不十分であった」と説明した。

その上で現在は、「従業員の採用をはじめ、取引フローの見直しを進めるとともに、社内研修における社内周知等、社内体制の刷新を進め」ているという。

また、公正取引委員会の勧告の対象となる取引先については、遅延損害金(遅延利息)や追加報酬に相当する金額をすでに支払ったとしている。

「本勧告等を真摯に受け止め、責任を痛感しております」

がうる・ぐらさん、宝鐘マリンさん、兎田ぺこらさん、こぼ・かなえるさん、星街すいせいさんらVTuberシーンでもトップクラスの人気タレントが所属しているカバー社。

にじさんじを運営するANYCOLOR社と双璧をなす大手VTuber運営会社の一角であり、2023年度通期では売上高301億円、営業利益55億円、純利益41億円を記録している。

カバー社は、「本勧告等を真摯に受け止め、責任を痛感しております」と説明。

「今後も、役員及び従業員に対する社内研修を実施するなど、各法令の遵守とともに社内体制の強化とモニタリング等の未然の対策を整備し、引き続きコンプライアンスの強化と再発防止に向け、改善を図る方針でございます」と声明を結んでいる。

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2件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:10981)

これは再発するとやばい。
実態は色んな意味で知らなかった、忙しかったんだろうが、是正する力を試されてると思ってやらないといけない。
マジで信用問題

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:10976)

社会的な力関係に差が開いて行くと、なぜかこのような問題が幾度となく起こり、真っ当な言い訳のようでもとても真実ではないのだろうなとしか思えない言い訳めいた謝罪を大手は行う。Vtuberではないが私もクリエイティブなお仕事の製造部分に長く携わった経験があり、急拡大した、力の大きな某会社さんから理不尽な無償奉仕を何度も強いられそうになった経験がある。

巨大化しても社会的信頼、コンプライアンスをしっかり育てている会社であれば一番気をつけているはずの部分を、置き去りにする会社は多い。絶対的に今回の謝罪を虚偽だと断定する事は無論出来ないが、規模には相応の社会的責任が必ずつく事は絶対に意識し今後同じ言い訳は通用しない。飛ぶ鳥を落とす勢いと急激な拡大をしたこの会社は、この反省をちゃんと活かしていけるのか、と思う。

忙しかった、手が足りなかった、大変で対応しきれなかった、なんていうのただの幼稚な言い訳でしかない。