初音ミクのイベント「はんなり京都」類似イラスト制作の経緯を発注元が説明

初音ミクのイベント「はんなり京都」類似イラスト制作の経緯を発注元が説明
初音ミクのイベント「はんなり京都」類似イラスト制作の経緯を発注元が説明

類似性が指摘され差し替えられた「初音ミク POP UP SHOP ~はんなり京都 2024~」のイラスト/画像は公式サイトより

初音ミクのイベント「初音ミク POP UP SHOP ~はんなり京都 2024~」のコラボイラストに他作家の作品との類似性が指摘されたとして、発注元である株式会社クラックスがイラストの取り下げを報告した。

問題視される類似性について、イラストレーターの千種みのりさんが手がけた今回のコラボイラストと、イラストレーター・花月さんのオリジナル作品「現代創作和服」シリーズのイラストが「衣装の本質的特徴や構図共に類似」していたと説明している。

すでにポップアップストアの特設サイトでは、イラストの差し替えが行われている。

服飾デザインとの類似性が指摘され物議に発展した「はんなり京都」のイラスト

「初音ミク POP UP SHOP ~はんなり京都 2024~」は、京都周遊のスタンプラリー企画を、10月8日(火)から10月31日(木)まで開催。このほか、メイン催事(※詳細不明)が予定されていた。

類似性が指摘されたのは、イベントのバナーに採用されていたイラスト。初音ミクらVOCALOIDのキャラクターが現代的な解釈がされた和装姿に身を包んでいた。

9月20日には花月さんのもとにSNSを通じて類似性が報告されており、花月さんは関係者に確認を取っていると対応。

9月21日にはクラックス社が謝罪を表明する事態となっていた。

「イラストの類似性における著作権意識の不足」や「問題発覚後の誤った対応」を原因として報告

今回の声明でクラックス社は、類似したイラストが納品された原因として「“現代創作和服”の衣装におけるオリジナル性の認識の不足」やリファレンスとして使用した花月さんのイラストに出典明記をしなかったことを挙げている。

また「弊社側でのイラストの類似性における著作権意識の不足」や、「社内での連絡不足による、問題発覚後の誤った対応」など、社内的な体制の不備も原因として報告している。

著作権侵害についての裁判では、「依拠性」「類似性」の2つを満たしているかが争点となるが、クラックス社の声明はそのどちらも認めた内容となっている。

株式会社クラックスは、花月さんに経緯を説明し。謝罪文の掲載を含めて、協議が終了していることを報告。

なお、本騒動に際し、SNSを中心に「千種みのりさんが花月さんのイラストをトレースした」「画像生成AIを使用した」という真偽不明の情報も飛び交っている。しかし、クラックス社の声明がそのような内容ではないことには留意されたい。

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