『狂気山脈からの呼び声』展レポート 君はあの山を覚えているか──

そして“狂気”の渦中へ…

何かに誘われるように展示を進んでいくと現れるのは、登山隊が向かった洞窟を再現したスペース。


登山隊を発狂させた不自然な遺体たちと、人類以前に地球を支配していた怪物「古のもの」。『狂気の山脈にて』のコミカライズを手掛けた田辺剛さんのイラストが大迫力で展示されています。

眼下に広がるのは虹の谷

『狂気の山脈にて』コミカライズのワンシーンを印刷したパネル

このイラストは、『狂気の山脈にて』でダイアー教授が発見する、人類以前の地球の歴史を記した壁画を描いたもの。このパネルの前に立てば、人類史を覆すような発見をしてしまったダイアー教授の気持ちが少しはわかるかもしれません。


そして奥には、『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』制作プロジェクトのために、造形作家の大山竜さんが制作した「古のもの」の立体模型も。


その禍々しさを肌で感じることができる空間となっています。


展示の最後を締めくくるのは「ここは狂気の山脈だ 来てはならない場所だったんだ」というセリフ。

怪しく光る山脈と、印象的なあのメッセージ

一体あの山で何があったのか、ストーリーをまた自分自身で追いかけたくなりました。


出口では、最初にもらったハンドアウトカードの結末を描くエンディングカードをもらえるので忘れないように!


自分がプレイしたときには想像でしかなかった狂気山脈を、実際に体感できる内容になっていました。

東京の後は全国3か所を巡回するので、ぜひお近くの狂気山脈に呼ばれてみてください。

まだら牛が語る、オフラインで展示を行う意義

今回の展覧会に伴い、展覧会の監修をつとめたまだら牛さんにお話を伺いました。


──今回の展覧会では、「狂気山脈」シリーズのどのようなところを見せたいと考えていますか?


まだら牛 展覧会のコンセプト自体は、PARCOの方が提案してくださったものなんです。

展示会にも監修として携わるまだら牛さん

まだら牛 ただTRPG、マーダーミステリーのシナリオや、僕が進めている『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』の制作プロジェクトの展示を行うのではなく、「狂気山脈」という世界そのものに没入できる内容にしようと。

そのうえで僕からも、こういう要素があればより世界に入り込めるんじゃないかっていうのを提案させてもらいました。監修とは名ばかりで、色々と口を出してしまいましたね……(笑)。

現地で開催されるイベントは、自分を写すことができるというのがオンラインとの大きな違いです。なので、普段は自撮りをしない人でも、ぜひ「狂気山脈にいる自分」を撮りに来てください!

──「狂気山脈」という世界自体に重きを置いているんですね。


まだら牛 そうなんです。だからこそ、今回の展示は『狂気山脈 陰謀の分水嶺』の世界でも『狂気山脈 ~邪神の山嶺~』の世界でもないというのが面白いポイントだと思います。

僕の作品ではないですが、田辺剛先生のイラストをもとにした巨大壁画はものすごく見ごたえがあるのでぜひ見て欲しいです。あれが見られただけでもやってよかった。

──今後の「狂気山脈」で何か予定していることはありますか?


まだら牛 「『狂気山脈からの呼び声』展」は全国を巡回していきます。順次チケットの予約も始まっていっていますね。

『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』の方も、なかなか表に出せる情報がないんですが、前に進んではいるのでもう少し待っていてください。もう少ししたら何か発表できるといいなと思っています……!

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イベント情報

『狂気山脈からの呼び声』展

イベント期間
2024年4月19日(金)~5月6日(月) 18日間
11:00~21:00
※入場は閉場の30分前まで
※最終日は18:00閉場
当日券の販売は各会場で行います。当日券の販売状況は各会場公式X(旧Twitter)でご確認くださいませ。
抽選入場事前予約
会期中は抽選での入場事前予約を受付いたします。
※会場の混雑状況により一部当日券も販売予定。
一般前売券販売:2024年4月14日(日)12:00~入場日前日23:59まで
一般前売券お申込みページ
https://eplus.jp/kyokisanmyaku_ex/
会場
池袋PARCO 7F・PARCO FACTORY(東京都豊島区南池袋1-28-2)
入場料
700円(税込)
※ノベルティ付き 
※小学生以下無料 
※小学生以下のご入場には 18 歳以上の保護者の同伴が必要です。(同伴の保護者は有料)
※小学生以下のお子様のご入場は、保護者1名につきお一人まで同伴可。
※各種割引・優待対象外
主催
PARCO
企画協力
合同会社フォレスト・リミット
企画・宣伝協力
株式会社カイユウ

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