相容れてはいけない、ヒップホップと暴力的なコンテンツ
Zeebraさんの声明にもあるBACKSTAGE社は、格闘番組「Breaking Down」運営会社のCOO・溝口勇児さんが代表取締役をつとめる企業。公開された「FSLトライアウト」の告知動画では、取っ組み合いや罵声のシーン、共通の出演者などから「Breaking Down」との類似も多く指摘されており、関連を非難する声も挙がっていた。 「Breaking Down」は総合格闘家・朝倉未来さんが発起人兼CEOをつとめており、専門家の立ち合いの元で格闘技イベントとして開催・放送。国内YouTubeの中でも有数の人気コンテンツとなっているが、「FSLトライアウト」では批判が殺到する事態になっている。
これにはヒップホップ及びMCバトルの文化的背景が大きく影響している。
ヒップホップは元来、アメリカの貧困層やギャングが抗争を無血で解決するために、銃や暴力の代わりとしてブレイクダンスやラップでの優劣を競い、発展してきたという歴史を持つ。
また、偉大な2名のラッパー・2PACさんとノトーリアス・B.I.G.さんの命を銃撃事件で失うことになった、90年代の“東西抗争”での反省なども、深くコミュニティの価値観に影響を与えている。
暴力や抗争の代替として言葉やアートを発展させてきたヒップホップ及びMCバトル。その文化的背景がないがしろにされているとして、現役のラッパーや音楽家からも批判が巻き起こる事態となった。
これについてZeebraさんは「排他的で非寛容になりつつあるこの業界を変えなければいけない」としながら「課題や改善点も大きいのは自覚してます」と説明。「今後とも応援やご意見を聞かせてください」として、ヒップホップの裾野を広げるための意見を募っている。
また、当初7月28日(金)に予定されていた「FSLトライアウト」の動画公開を、8月1日(火)に変更する旨も伝えた。
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