Rin音 × クボタカイ × asmi × A夏目座談会 「自分の中の自分」と向き合う

それぞれのチルアウト。リリックへの思い

──今のお話は、心を落ち着かせる“チルアウト”という「What’s up」のテーマにも通じる部分があると思います。今回の楽曲コンセプトを受け取ったときの印象は?

クボタカイ 僕はまず「休日」がテーマに浮かんできましたね。そしてそこには「人柄」も出ちゃうんじゃないかなって。

──というと?

クボタカイ 落ち着いたり休んでたり、副交感神経が優位なときに、その人自身が持ってる人間性がよく出るような気がするんですよね。だからこの曲では「自分の中の自分」を見せることになるだろうなと思ったし、3人はどんな歌詞を書いてくるのか、すごく楽しみでした。

Rin音 それぞれが住んでいる場所が違うっていうのも影響してるのかな。それぞれがどんなタイミングで落ち着いて、どんな場所でチルアウトするかっていう部分に、クボタカイが言うような人柄だったり、生活の中で大事にしているものだったりが出てくると思う。

僕の、クボタカイの、asmiの、A夏目の……みたいに、「チルアウトする」と一言で言っても、それぞれイメージが違うと思うし、実際、それがわかりやすく出た作品になったんじゃないかなって。

──確かに、それぞれの方向性や目線はかなり異なりますね。 Rin音 僕は基本的に家にいたいけど、天気がいいから今日ぐらい外で友達と遊ぶかみたいなちょっと照れ隠しみたいな部分が出たけど、クボタカイはレジャー、asmiは恋愛や人間関係、A夏目はもっとマインドの部分とか、それぞれの個性が出たなと。打ち合わせしてそうなったんじゃなくて、それが自然に出たのもこの4人ならではなのかなって。

asmi やっぱりROOFTOPのみんなといると、ありのままでいられるんですよね。私のありのままを受け入れてくれるし、みんなもありのままでいてくれる。だからチルアウトってテーマを聞いたときに、ROOFTOPでつくるのにぴったりなテーマやなって思いました。みんなでいるのに、私1人だけチルアウトしてる時もあるし(笑)。

──落ち着ける理由は?

asmi みんな面白いから……かなあ。気張ってないですね。

──アーティスト同士としてのライバル感はない?

Rin音 ないですね。バトルはまた別として、そもそも音楽に関しては争うような楽しみ方はしたくないんですよね。自分の楽曲は自分のことを歌っているし、そこに優劣はない。いつもありのままの自分を歌ってるし、「誰かより上/下」ということも考えてない。それよりも、いかに自分が表現できるかがポイントなんですよね。もちろん多くの人に聴いてほしいっていう気持ちはありますが、それが他のアーティストに負けないってことにはつながらないので。負けたくないというなら、それは自分にというか。

asmi 普段からそういう争うような気持ちがないからこそ、こうやって一緒にできるのかなって 。

クボタカイ 楽屋のゆるさとうるささはすごいですからね。内輪でずっと楽しんでる。今日もずっとRin音のお尻をリズミカルに叩いてて。

Rin音 ハタから見たら何が面白いの?っていう(笑)。 A夏目 その普段の雰囲気があるから、こうやって一緒にちゃんとインタビューを受けると改めてすごかったんだなって思います(笑)。

「What’s up」を制作することが決まった時も「3人を絶対に待たせること事は絶対出来ない! 一番先に出さなきゃ!」と思ってたんですね。

Rin音 全然そんなこと気にすることないよ(笑)。

A夏目 もう「トラックを聴いたら、その2時間後には書き上げるぞ!」って意気込んでたんですけど、普通に2週間ぐらいかかりました(笑)

クボタカイ 単位が急に桁違い(笑)。

asmi アハハ。けっこう考え込んでたもんね。 A夏目 僕としてはチルアウトっていうテーマを受けた時に、正直「このキーワードをどう捉えていいのかな……」って悩みました。僕は普段全然チルアウトできてないし、切羽詰まってるんですよ

クボタカイ え、大丈夫?!

A夏目 大丈夫ではあるんですけど(笑)。だけどあまりチルっていう体験がないんですよね。だから続々とあがってきた皆さんの歌詞を読んで、自分にとってチルアウトすることは何だろうって考えたときに、もっと自分を出せばいいんだなって改めて思ったんですよね。それで自分の言葉を書いてみようって。

──「かけがえのない日々にしては傷つきすぎだけど」というリリックにはドキリとしました。

A夏目 僕はまだ10代ですが、10代って「かけがえのない日々だよ」って言われがちなんですけど、 それでも僕は傷つきすぎてるなって。でも同時に「それを青春と割り切ることくらいできる気がする」という気持ちもある。

asmi なんか、すごく「らしい」歌詞やなって思った。

Rin音 「その当事者」として書いてるからすごく純粋なリリックだと思うし、僕たちも10代を経験してきたからこそ、共感もできる内容だなって。僕もA夏目と同い年ぐらいのときは、もっと色んなことに悩んでたはずだし、心が一番ジタバタしてたと思う。いまは俯瞰して見られたり、余裕があったりもするから、「まあCHILL OUT飲んで落ち着こう」と言えるぐらいにはなってるけど。

A夏目 (CHILL OUTを飲むA夏目) ──ハハハ。アドバイス通りに(笑)。

A夏目 落ち着きました(笑)。でも、まだ自分で自分を決めつけることはできないし、もっと悩むのかなって思いますね。

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