しぐれういと過ごした、ガチで終わらない文化祭 イラストレーター兼VTuber初ワンマンレポ

イラストレーターしぐれうい、ライブドローイングで本領発揮

気を取り直して最初の企画は「ライブドローイング」。イラストレーターの本領発揮たる企画だ。さっそくキャンバスにアタリをつけていくしぐれういさん(本体)に対して「筆を入れろ! 何をしている私!」と急かしまくるしぐれういさん(声)という絶妙なアンバランス感が微笑ましい。

せっつかれるままに美少女の輪郭をつくりあげていくしぐれういさん(本体)だったが、早くも飽きてきたしぐれういさん(声)。「ペンライトでも振ってもらおうか!しぐれうい、黄色いペンライトが見たいな~!」と、最早“しぐれういの声”という設定を放り投げて角巻わためさん自身のイメージカラーを煽るという大暴れっぷり。 チラチラと舞台袖から姿を見せていたが、下書きからペン入れに入ったところでしびれを切らした角巻わためさんがついに乱入。主役そっちのけでステージを楽しみつくすが、よそ見しかけたしぐれういさんには「見てないで描け!」と鋭い喝を入れる鬼コーチっぷりで場をなごます。

そのまま、滅多に見れないしぐれういさんの必殺技「ういビーム」の亜種たる「わたビーム」を照射するなどサービス精神旺盛にふるまったところで、ようやく用意されていた台本に手を伸ばすことに。

「普段はどれくらいかかるんですか?」という質問に、しぐれういさんは「落書きだったら3、4時間とか、ちゃんと仕事の絵だったら2日とか…追い詰められたら」とリアルなお仕事事情を教えてくれた。そう聞くと、すでに30分ほど格闘しているライブドローイングがいかに大変なのかがよくわかる。

奔放すぎるゲストに振り回されながらもなんとか仕上げまで辿り着き、想定以上の労力と尺を費やしたライブドローイングをどうにか完遂。描かれたのは夏服姿のしぐれういさん。手にはゲストのモチーフを持っており、今回のイベントにピッタリの可愛いイラストとなった。 改めてしぐれういさんが1人目のゲストとして場を大いに盛り上げてくれた角巻わためさんを紹介すると、「お絵描きだけして終わるわけないよね?」と会場を煽ってライブパートへ突入! 曲は「メランコリック」!

しぐれういさんが初めてコンピレーションアルバムに参加した際の歌唱曲にして、角巻わためさんにとっても初のカバーソングというどちらにとっても思い出深い1曲を並んで歌う。そんなエモーショナルな一幕に、「待ってました」といわんばかりにファンたちがペンライトを振り回して呼応する。 似た声を持つと言われる2人だが、一緒に歌うことでそれぞれの個性も際立つ。空へ突き抜けるような爽やかなロックサウンドに乗せて極上のハーモニーを届けた。

舞元啓介 vs しぐれうい メイド力対決

つづいて、隣のクラスの出し物を見にきたしぐれういさん。ただならぬ気配を察してか、おそるおそる足を踏み入れた教室の奥から、「メランコリック」を歌って踊りながら飛び出してきたのは舞元啓介さんだ。 服こそいつもの作務衣(さむえ)だが、頭には急ごしらえ感溢れるメイドカチューシャを装備。その絶妙なバランスで爆笑を巻き起こすと、舞元啓介さんは「オタクたち~!」と呼び掛けてオーディエンスの心を一瞬でつかんでみせる。

すかさず「お前のオタクじゃねぇ!」と強めのツッコミを入れるしぐれういさん、配信でも見せている気を使わない関係である2人のやり取りで会場の空気をほっこりさせたところで次の企画へ。 どちらかのたっての希望により実現したらしいが、どっちだったのか覚えていないという責任の押し付け合いのもと開催された企画第2弾は「メイド力対決」

文化祭の大定番であるメイド喫茶になぞらえてお題に沿った行動をし、どちらがよりメイドにふさわしいかを会場のペンライトおよび配信のコメント欄でのジャッジによって競う勝負だ。

早速1本目のお題は「思わずお客様が来たくなるような呼び込み」。先攻のしぐれういさんは「今幸せですか?もっと幸せになれる方法があるんですけど」と、危ない勧誘を彷彿とさせる戦法を繰り出す。それに対して後攻の舞元啓介さんは、急病で倒れ込み同情を誘うムーブで対抗。どちらも本筋から大いに逸脱した初戦は舞元啓介さんに軍配が上がる。 つづいてのお題は、「厄介なお客様に絡まれた時の神メイド対応」。先攻の舞元啓介さんもとい舞子ちゃんに「LINEやってる~?個通しようよ~」と、しぐれういさんは目を背けたくなるほど再現度の高い厄介客ムーブで迫るが、鉄壁の対応で煙に巻かれる。

反撃とばかりにしぐれういさんのターンでは、一言も発さないという新手の厄介客シミュレートで攻める舞元啓介さんを、スムーズな応対で受け流す。拮抗した勝負だったが今度はしぐれういさんがポイントをとり、決着は最終戦までもつれ込む。

最終対決は「『オムライスに愛情を注入してください』と言われた時のスペシャルな呪文」。先攻の舞元啓介さんは気を充実させた構えから「美味!其れ即ちここに在り!」と天を衝くように拳を掲げて会場に大喝采を巻き起こす。

プレッシャーのかかった後攻・しぐれういさんは「滅せ滅せ…これを食べてお前らは消えるんだ…」と呪詛をたっぷり込めたオムライスを完成させる。ともに変化球対決となった最終戦は舞元啓介さんが勝利。

「別にメイドになりたいわけじゃないし」と捨て台詞を吐いて去ろうとするしぐれういさんを「まだ対決していない項目があるんじゃあないんですか?」と舞元啓介さんが引きとめる。

「うっとうしい…」烈火の如き辛辣さで応答するしぐれういさんをよそに、ウキウキの舞元啓介さんは「それは『完璧に歌って踊る力、メイドさんライブパフォーマンス!』それじゃミュージックスタート!」とキレキレのポーズ付きでコール。曲はかつて舞元さんの3D配信でも披露された「ハレ晴レユカイ」!

なんやかんやと言いながらも古のオタク同士の見事なユニゾンを見せつけ、フロアも巻き込んでピースフルな空間をつくり出す。等身の揃わない2人が並んで歌うのもここでしか実現できない特別な見ごたえがあった。

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