『少年ジャンプ+』World Maker 誰でも簡単に漫画ネームがつくれる新サービス

小学生、おじいちゃん、おばあちゃんまで使ってほしい

『少年ジャンプ+』副編集長・林士平さん

──本サービスの着想を得たのはいつですか?

林士平 数年前から「漫画をつくる人を増やすにはどうすればいいのか」と考えていたのですが、きっかけとなったのは2018年6月に少年ジャンプ+編集部に異動した時です。

アプリの新規制作を積極的にやっていく部署だったので、前から考えていた「漫画をつくる人を増やす」ということをWebサービスで解決できないかと考えました。

──なぜ漫画ネーム制作支援Webサービスだったのでしょうか?

林士平 絵を描く人や文章を創作している人って多いですが、人数を比べると漫画を描く人の方が少なく感じていました。何がネックなのか考えた時、アイディア・物語のビジュアル化の難しさなのではないかと仮説を立ててみました。

ネームは、漫画の設計図のようなもので、物語を文章だけではなく、台詞と演技、カット割り、効果等で構成された「シーン」の見せ方を考える必要があるので、簡単には創れないものなんです。

だから、ネーム制作を支援するWebツールがあれば、パーツを選んで自分のイメージに近い漫画を創ることが出来るのではと考えました。 ──本サービスはどんな人に使って欲しいですか?

林士平 小学生から、おじいちゃんやおばあちゃんまで、幅広い方に使っていただきたいです。

高齢の方のリタイア後の生活も漫画で読んでみたいです。また、例えば特殊な職業から引退した後の話なども、読みたい人はいると思うんです。勿論、現代の小学生の習い事事情を、小学生自身の目線で描いてくれたりしたら面白いと思います。多くの人に漫画という表現方法を楽しんで欲しいですね。

漫画には、絵とストーリーが一緒に頭に入ってきて、わかりやすいという強みがあります。アニメや映画もビジュアル化されていますが、漫画は自分のペースで読み進めることができるので、幅広い人に楽しんでもらえるコンテンツだと思っています。

──なぜカヤックだったのでしょうか?

林士平 一緒にこのサービスを具現化してくれるパートナーをいくつも当たったのですが、技術的な面だけではなく、漫画に対する理解度が高くないとできないので苦戦しました。

色々な会社に相談した中でも、カヤックさんが漫画に精通した印象を受けました。打ち合わせで成果物を見せていただいた時も、とてもイメージに近かったのでβ版の開発をお願いしました。

──現在はβ版ですが、今後はどのような展開を考えていますか?

林士平 集英社としては、面白いネームがあっておもしろい作品があれば、ちゃんとした連載として始めることをサポートできる環境が整っているので、新しい才能に出会えたら多くの人に届く発表の場を提供していきたいと考えています。

個人的には、映画もCMもアニメも、まずは絵コンテをつくるので、漫画をつくる場だけではなく、ビジュアライズを広くサポートするサービスに発展できたら嬉しいと思っています。

林士平(りんしへい)プロフィール
2006年集英社入社。現在「少年ジャンプ+」編集部所属。担当作に『チェンソーマン』『SPY×FAMILY』『ダンダダン』『神のまにまに』『HEART GEAR』。 過去立上げ作品は『青の祓魔師』『この音とまれ!』『ファイアパンチ』『怪物事変』『左ききのエレン』『地獄楽』『カッコカワイイ宣言!』『貧乏神が!』他。

最近の集英社が半端ない

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