38歳、YouTubeを始めたラッパーの嬉しい誤算と憂鬱 呂布カルマインタビュー

呂布カルマのYouTube管理術

極道っぽいポーズをとっていただいた

──そういえば、最初「公認切り抜きチャンネル」と打ち出していたチャンネルがありましたが、後から「公認」が外れていました。

呂布カルマ それも視聴者からのアドバイスですね。公認にすると「そいつが何かやらかした時に、呂布さんに責任があるから黙認という形にした方が無難だと思います」って言われて。

それで「『公認』外して黙認ってことにして」って連絡したら、今度はチャンネルに「黙認」って書かれてて「いやおまえ黙認の意味わかってる? 書くなよ黙認って」みたいなやりとりもありました(笑)。

──本当に、人対人でやっているんですね。

呂布カルマ そうですね。

──切り抜き動画チャンネルとの信頼関係と言っていいのでしょうか……?

呂布カルマ そんなんじゃないですね。

僕は向こうの本名も顔も知らないし、向こうはそもそも僕の配信を勝手に切り抜いてるわけですから。別に信頼はしてない、黙認してるだけ
切り抜きチャンネルへ警告[公式呂布カルマ切り抜き]
──なるほど。どうやって切り抜き動画はどうやって管理されているんですか?

呂布カルマ 日々新しいチャンネルが現れますが、最近はもう再生数が回らなくて収益化まで届かないんですよね。飽和していると言うか。

かと言って、収益化できているチャンネルがあぐらかいていればチャンネルごと消すので、そうすると他のチャンネルに回る。

これでちょうどいい数がキープできていて野放図的に増えているわけじゃないので、把握できています。

──今、数としてはどれくらいなんですか?

呂布カルマ 収益化できているのが5チャンネルで、一ヶ月トライアル中のも5チャンネルですね

──自分で管理するの、大変じゃないですか?

呂布カルマ いや別にそうでもないっすね。厳密にやってるわけでもないんで。思い立った時に「どんな感じ?」って送ってるくらいなので。

動画を始めてひと月で、切り抜きを管理できますっていう会社から「各チャンネルの収益管理まで一括でやりますよ」っていう連絡がきたんですよね。

今は一人でやってるけど、手に負えなくなったらお願いしますと言ってあります。

──公式チャンネルの切り抜き動画の方はいるんですよね?

呂布カルマ ただ彼も、やってもらった切り抜き動画の収益の半額を渡しているだけなので、他の切り抜きチャンネルとの契約と一緒です。

最初は無償でやってもらったんですけど、すぐに収益化できたので半額を渡してます。

YouTube自体への思い入れは全くない

──スタッフを雇ったりはしないんでしょうか?

呂布カルマ コロナ禍でライブとかイベントができなくなって週末家にいることが増えてきたから、YouTubeができているところもあって。

もしコロナが収まって前と同じように忙しくなっても、人を雇っていたらYouTubeを転がさないといけない。それは本末転倒だなと。飽きたりやる必要がなくなったりしたら、すぐ辞めれるようにしておきたいんです。

──今後、また忙しくなったらチャンネル運用を辞める可能性はある?

呂布カルマ 全然あります。YouTube自体への思い入れとか全くないので。

ただ、今はないですけど、もっとその収益が膨らんだり、何かやりたいことを思いついてそれを継続してやれるような形になったりしたら別かもしれないですけど。

今は空いてる時間にパソコンに向かってしゃべってるだけなので、いつでも辞められます。

──ただ、先日初めてゲーム実況に手を出してみたりと、新しいことにも挑戦されています。今後YouTubeでやっていきたいことはないんでしょうか?

呂布カルマ ないですね。

──ない、ですか……。

呂布カルマ ないですね。他のYouTuberの情報も断片的には入ってきますけど、正直幼稚だし面白いとも思わないので、同じことをしたくない

YouTuberって、他のYouTuberと同じことしてナンボみたいな部分もあるじゃないですか。

僕のメンタリティは真逆で、「同じことしてるの寒っ!」って感じなんですよね。しゃべるだけなら全然いいんですけどね。

──ロケ撮影いこうかなというのも、かなり初期には話されていましたが。

呂布カルマ 当時はこの、部屋でパソコンに向かってしゃべるだけでスパチャが来るみたいなスタイルもよくわかっていなかったので、そういうことを考えたタイミングもありました。

でも、外にカメラ持ってって「YouTubeの撮影ですー」ってのも寒いなって。何でも、最小単位でやりたいタイプなので。

「サラリーマンの同級生に申し訳なくて言えない」

──呂布カルマさん的には、いつでも辞めるスタンスではいると。YouTubeを始めたこと自体は、良かったと思っていますか?

呂布カルマ それは思ってます。もっと早く始めればよかった。やっぱり、どこかで斜めに構えてたんですよ。

やってることはくだらないと思いますけど、YouTuberが努力してないわけではないのも知ってるんです。

毎日毎日企画出して、撮影して、自分たちで編集して。努力してるなっていうのも知ってた。いくつか動画出してみて、1円にもならなくてふわっとフェードアウトしてYouTube辞めてるラッパーなんていっぱいいるんですよね。ダセーなー、そうなりたくないなーと思ってたんですよ(笑)。

なんだかんだ言って、本当に楽しいと思えなきゃ続かないじゃないですか。自分にそんなことができると思わなかったです。だから、今くらい何も考えずにやれるんだったら全然続けられるし、何よりお金になる

──「なるべく楽して儲ける」というコンセプトを初期から掲げていますね。

呂布カルマ 実際、めっちゃ楽。申し訳なくて、サラリーマンの同級生たちに言えないですもん(笑)

そいつらが毎日出社して朝から晩まで働いてる中、「(切り抜きチャンネルを運用している)見ず知らずのオッサンたちから月こんな額が振り込まれてるんだぜ」なんて言えない。

現時点では大成功ですよ。

──ファンとの距離感にも、変化はありましたか?

呂布カルマ 常連の名前を覚えるんですよね。

YouTube始めて2ヶ月ぐらいかな。博多にライブ行ったら、いつもスパチャ投げてくれてる人がその日だけで4人くらい来てたんです。

今後コロナ禍が終わって全国を回れるようになれば、そういうことが各現場で起こるんだろうなと。

ネット上で名前を覚えて、その後で現場でリアルに会うっていうのはこれまではあんまりなかったので、今までとちょっと違う感じはしますね。

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