カオス&カオスなきぐるみパート
「おともナッツのみんな!こんばんナッツー!」といつもの挨拶から今度は実際のライブステージにきぐるみピーナッツくんがオンステージ。「ゆるキャラグランプリ企業・その他部門第一位のきぐるみピーナッツくんパートだよ!」とやけに丁寧な自己紹介をして、「僕と一緒に踊って歌っちゃおう!」と元気な呼びかけをするやいなや、怪しい笑い声と共にステージが鮮血を浴びせたような深紅に染まる。
ファンシーな雰囲気を一気に変えて突入したのは『笑うピーナッツくん』だ。2ndアルバムから新たにタッグを組んだビートメーカー・nerdwitchkomugichan(ナードウィッチコムギチャン)との見事な化学反応はステージ上で見事に再現され、攻撃的なビートにさらに攻撃的なリリックを乗せたこの曲のライブとの親和性を証明してみせた。 質量を持つきぐるみパートならではのフィジカルなエナジーを活かして切れ味の鋭い批評ソングを連打。続いてのボカロP・やなぎみゆきさんとの共作『未来NEXTメシ』では”VTuberとして音楽をやるにあたって、無視するわけにはいかない”と語っていたバーチャルシンガー界の開祖・初音ミクとのセッションを繰り広げる。
狂気のダンスタイムはまだ終わらない「お前の頭の中ぐっちゃぐちゃにしてやるからな!」と宣言して、アルバム随一のカオスソング『messed up!』をドロップ。
背景に映し出された摩天楼を飛び回るように、軽快なフロウでカオスを体現していくが、スペシウム光線のポーズをしたかったろうに腕の長さが足りてなくて微妙にできていなかったところだけは可愛かった。
ここまででも既に混沌度合いはメーターを振り切っているが、ステージに飛び込んできたMarukidoさんからバラまかれるサグすぎるリリックによって我々の頭の中は宣言通りぐちゃぐちゃにされていく。 Marukidoさんとピーナッツくんはなんとこのステージが初対面らしく、MCではたどたどしく交流が繰り広げられたが、生のピーナッツくん見ていかがですかという質問に対し、「なんともエッチな形ですね」と耳元で囁いて、ピーナッツくんの情緒までぐちゃぐちゃにしたところで颯爽とステージを去った。
「耳から離れない、もう僕我慢できないよ!」と普段あまり見ないタイプの動揺に襲われるピーナッツくん──するとどこからともなく少女の笑い声が響くと共にステージが桃色に染まっていく。最低で最高な流れで突入したのは『My Wife』だ。
前の曲に負けじと過激なリリックの応酬で、もうどこで何を見ているのかわからなくなるほどにトリップさせられていくが、視界の端に見えた「ぽん氏は一体どんな顔して見てるんだ・・・」というコメントによって一瞬で正気に戻される、考えたくもない。 浮遊感のあるビートにのって夢見心地でステージを飛び回るピーナッツくん見せつけられていたが、途端に映像が誰かの主観視点に切り替わる。艶やかな手つきでピーナッツくんを撫でまわすピンクの萌え袖、とくれば正体はKMNZのLIZさん…かと思いきや再びMarukidoさんが乱入。目まぐるしく変わる視点も相まってカオスすぎたきぐるみパートは最後まで不可思議を散布して終幕。
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