『エモクロアTRPG』が目指すネクストステージ 商業利用・二次創作に開かれた文化を

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「キャラクター」制作のサポートが必須な理由

──『エモクロアTRPG』は、ココフォリアやいあきゃらといったツール類でのサポートが最初から用意されていました。TRPGツールの製作者さんともつながりはあったんですか?

ぱぱびっぷ 僕らと仲のいいVTuberのミーゴちゃんが、ココフォリアの人と知り合いで、そのつながりで知り合いになりました。
ココフォリア勉強会inTRPG動画勢
ぱぱびっぷ 仲もいいし、ツールに意見も言いますけど、特別に何かをしてもらったわけではないです。決めるのは全部ココフォリアさんのハンドリングですからね。

まだら牛 あくまで配信側のいちユーザーとして要望を言っているだけで、ココフォリアが今の形になったのは完全にココファリアの方々の力です

──いあきゃらさんはどうでしょうか? キャラクターシートのつくりやすさは、『エモクロアTRPG』を遊ぶハードルを大きく下げているように思いました。

ぱぱびっぷ いあきゃらさんは、キャラシ(データやキャラクターの設定をまとめておく決めておくキャラクターシートのこと)を保存できるサービスとしては後発でして、ある時「こういうサイトを始めたんで、使って配信とかで宣伝してくれると嬉しいです」と直接DMをもらったんですよ。それで、じゃあぜひ一緒にやりましょうってなりました。 まだら牛 キャラシは企画段階から「必須だよね」ぐらいの気持ちでしたから。渡りに舟でした。

──キャラシへのサポートが必須だと思ったのはなぜですか?

まだら牛 進行にあたってディーラーがキャラクターのデータを把握しなければならないので、そもそもキャラクターを共有できないと、オンラインセッションができないんです。

新興システムで遊んでもらうためには、手軽にキャラクターをつくれるようにするのは絶対条件でしたし、数値計算の手間を減らしたりして、キャラメイクは10分で終わるようにしたかったんです。

オンラインセッションを前提にしたシステムなら、リリースタイミングで利便性の高いキャラシのサポートは絶対に必要だと考えていました。

ぱぱびっぷ キャラクターシートとダイスボット(注5)は必須だと考えていましたね。そこを評価してもらえたのは嬉しかったです。

(注5)目標値などを入力すると実際にダイスを振るのと同じ処理をしてくれるプログラム。

「たくさんの人をTRPGに引き込むトリガーに」

──『エモクロアTRPG』を発表したあと、ダイスタス・チームは今後どういった目標を掲げて活動されるんでしょうか?

まだら牛 めっちゃ大きく言えば『ロードス島戦記』を目指しています。もとは小説ですけど、TRPGリプレイ(実際にプレイして生まれた物語を編集したもの)発で大ヒットアニメが生まれた。『ロードス島戦記』は、創作者たちが集まって大きなムーブメントをつくることに成功したTRPGだったんですよね

僕は個人的に、あれが日本のTRPG史上一番でかい成功だと思っているんです。
OVA版「ロードス島戦記」
──ぜひ頑張ってほしいです!! 私は、『エモクロアTRPG』が発表された日に会社のチャットで「これはやばいですよ! 『ロードス島戦記』以来の事件だ!!」って騒いでたんですけど、誰もピンと来てなくて(笑)。

ぱぱびっぷ いや、ピンと来ない方が普通だと思います(笑)。

まだら牛 ディズムの「カタシロ」も、舞台で通用するシナリオだって証明したじゃないですか。この流れで、TRPG発のいろんなカルチャーが生まれたらいいなと思っています

──ディズムさんのシナリオを原作とした舞台『カタシロRebuild』ですね。 まだら牛 『エモクロアTRPG』が商業利用を許可しているのも、版権元の確認などの手間がカルチャーにとってのブレーキになってしまうんじゃないかと思うからです。

ブレーキを取っ払ったら面白いものが生まれるはずで、僕らはそこに関わっていきたいんですよね。

──『エモクロアTRPG』は商業でも成功するようなプラットフォームを目指すと。

まだら牛 めっちゃかっこよく言うとそういうことですね(笑)。『エモクロアTRPG』を利用した創作物でメガヒットを出してくれるようなクリエイターが現れたら嬉しいです。

ぱぱびっぷ 僕自身はまだら牛ほど大きな目標を持っているわけじゃなくて、とにかくTRPGプレイヤーの裾野が広がってほしいんですよ。

そこから結果的に新しい創作が生まれたり、映画化されたりしたら、そりゃめっちゃ喜ぶと思うんですけど(笑)。 

でも、映画にすることや過去のTRPGの中で1番になることじゃなくて、TRPGプレイヤーが増えるかどうかの方が大事ですね。その中から100万人登録のYouTuberとかが出てきたら嬉しいけど。

まだら牛 嬉しいねぇ。

ぱぱびっぷ 裾野が広がればまわりまわって僕にも見返りはあると思っているから、僕がトップじゃなくてもいい

ダイスタス・チームのやり方で成功したと思う人がいるなら、真似することも簡単にできるんですよね。たくさんの人をTRPGに引き込むトリガーになってくれれば十分なんです。

──お2人でそれぞれ目指す方向性が違うと。

ぱぱびっぷ そう、僕たちって、うらやましいって思う対象が全然違うんですよ。

まだら牛 こうなりたいっていう願望が全然違うからなんでしょうね。

──お2人がダイスタス・チームを結成されたのは、TRPGを食べられる仕事にする、依頼受注の間口を広げるという狙いもあるのかな思っていたのですが。

ぱぱびっぷ うーん。狙っていたわけじゃないけど、結果的にKAI-YOUさんからはダイスタス・チームとしてオファーもいただいているので、そうなっているのかも。

──では最後に、これから『エモクロアTRPG』を遊ぶ人に一言ください。

ぱぱびっぷ え-! 僕そういうの苦手なんですけど(笑)。そうだなぁ、Twitterとかで「ぱぱびっぷ@TRPGしたい」みたいなアカウント名にしている人がいるじゃないですか。

──はい、よく見かけます。

ぱぱびっぷ もう、始めりゃいいじゃん!!!!!

まだら牛 たしかに(笑)。

ぱぱびっぷ 言い方は優しくないかもしれませんが、「悩む前にやってみて」と思う。『エモクロアTRPG』はツールも全部用意されているし、ハードルをなくすようにしているんです。もう「とりあえずやれや!」って言いたいです。

まだら牛 ほんまにええんか、それで(笑)。

僕らも、TRPGを見ている人が我慢できなくなるくらい、遊びたくなるようなカルチャーにしますから! ぜひ、『エモクロアTRPG』を入り口にしてTRPGの面白さを体験してください!

ぱぱびっぷ さすがまだら牛、いいこと言うなぁ。

KAI-YOU Premiumで、よりディープな話を

KAI-YOU Premiumでは、配信者やクリエイターとしての経歴から配信者・プレイヤーとしてのディープなお話をインタビュー。

まだら牛さんがニコニコ超会議で受けたショックやぱぱびっぷさんが語るTRPGと「うちよそ」の類似性など、興味深い話が大量です!

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