ジョーカー愛ハンパない『バットマン』ファンムービー 1分40秒に凝縮した1年4ヶ月のこだわり

『バットマン:喪われた絆』ファンメイドトレーラー/画像はすべて奈良だけど千葉さん提供

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POPなポイントを3行で

  • 『バットマン:喪われた絆』のファンメイドトレーラーが公開
  • 1分40秒のトレーラーに込めた製作期間1年4ヶ月分の想い
  • 驚異の完成度を生み出したペン画、カット割り、セリフ
狂気じみたジョーカーと黒きダークヒーロー・バットマンが渋くてかっこいい!

「え、これいつ公開!?!?」と興奮してしまったのは筆者だけでしょうか?

これはDCコミックス『バットマン:喪われた絆』(邦題/以下『喪われた絆』)のファンメイドトレーラーで、全てファンの手によってつくられたもの。

なので続きが気になった方は、ぜひ『喪われた絆』を手にとってみてほしい。歴代シリーズの中でも屈指の狂人・ジョーカーの姿がそこにはある。

大絶賛『バットマン:喪われた絆』ファンメイドトレーラー

トレーラーを制作したのは、アートディレクション兼3Dモデラー・奈良だけど千葉@naraken3655)さん。カットシーンアニメーター・とごたく@tonnro)さん。リギングアーティスト・小柳翔さん。そしてHayate Leu@HayateLeu)さんの4人。

Twitterで動画再生数は26.2万回超え(2月4日現在)。海外ファンからのリプライも多く、国内外で絶賛されている。

ここまで完成度の高いトレーラーが、一体どうやって制作されたのか。

『喪われた絆』への思い入れ、制作メンバーとの出会い、コミック調の描画へのこだわり、公開後の反響を受けた今の心境など、制作の裏側から現在までの1年4ヶ月、その一部始終を、発起人の奈良だけど千葉さんとアニメーターのとごたくさんに聞いた。

制作のきっかけは稀代の千両役者・ジョーカーの魅力

──ファンメイドトレーラー制作のきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

奈良だけど千葉さん 前々から『喪われた絆』に登場するジョーカーのデザインが凄く好きで、いつかつくろうと考えていました。

当時は同人活動もしており、コミケの新しい出し物としてジョーカーのモデルをつくって、前身となるターンテーブルを公開しました。これにとても反響があり「これで動いている所を見たい!!」という反応が沢山きて、どうにかできないだろうか……? と考えていて。 奈良だけど千葉さん そんなときに「このモデルを動かしたい!!」とコメントをくれたのが、今作でカットシーンを担当するとごたくさんでした。

彼はソニー傘下の映像会社・Imageworksで『スパイダーマン: スパイダーバース』に関わったアニメーターで、「この人と一緒にやれば凄い出来になる!」と確信してお誘いしました。 ──運命的な出会いですね。

奈良だけど千葉さん それで最初は15秒ぐらいの短い作品にしようと考えていたのですが、『喪われた絆』のジョーカーの魅力を伝えるには、その物語も一緒に伝えないと難しいなと気がつきました。

ですが『喪われた絆』の物語をすべて映像化するのは不可能です。なので全体を通した物語を感じられるように、架空の予告編にしようと思い至り、ファンメイドトレーラーの制作がスタートしました。

『バットマン:喪われた絆』が持つ強烈な引力

──『喪われた絆』は、奈良だけど千葉さんにとってどんな作品なんですか?

奈良だけど千葉さん 『喪われた絆』には、歴代バットマンの中でも強烈なジョーカーが登場します。剝がされた自分の顔面の皮膚をマスクとして付けている……このデザインだけでもかなり強烈ですが、よく見ると腐食してハエがたかっていたりします。

それがまた不気味さを醸し出してめちゃくちゃカッコイイのですが、さらによく見ると、皮膚のマスクを無理くり引きつっけているので、パッと見は笑っているように見えるのですが、実際のところ目が全然笑っていないんです。

この狂気性がデザインされたジョーカーが登場する……それだけでも『喪われた絆』はとても魅力的な作品だと思います。 ──デザインのお話だけで非常に興奮しますね。ちなみにどのようなテーマがあるんでしょうか?

奈良だけど千葉さん 「ジョーカーとバットマンの関係性とは一体何なのか?」というのが、シリーズでたびたび描かれるテーマだったりします。『ダークナイト』では、「バットマンとジョーカーは相互に依存しているのでは?」というテーマが盛り込まれています。

『喪われた絆』では、バットマンに対するジョーカーの執着を愛情と解釈しており、それゆえの狂気じみた犯行が生々しく描かれています。

バットマンが大好きな究極のかまってちゃんであるジョーカーの邪悪さと純粋さが、色濃く表現された魅力的なエピソードであり、自分が好きなエピソードでもかなり上位にくる作品ですね。
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