準備会では、開催形態の大幅な変更を含め、様々な検討を続けてきたが、求められる新型コロナウイルス感染症対策を講じたとしても、問題やリスクが生じる恐れがあるとコメント。
「コミックマーケット99を2020年冬に開催することは困難である、という苦渋の決断に至りました」とし、同時に「2021年GWに照準を合わせ、関係各方面と日程調整を行っております」と報告した。
コミケの誕生以上、初めてリアルなコミケが開催されない年となった2020年。残念であると同時に、印刷会社をはじめ関連企業への影響も気になるところだ。
公式Webサイトで『コミックマーケット99の開催について(2020年7月12日現在)』を公開しました。2020年冬コミックマーケット99の開催は行なわず、2021年GWの開催を目指し、現在関係各方面と調整中です(続く)。#C99 https://t.co/NcN3VxIIJN
— コミックマーケット準備会 (@comiketofficial) July 12, 2020
C98に続きC99中止、2020年はコミケなし
GW開催を予定していた「コミックマーケット98」の中止に続く、冬コミの中止決定。7月8日頃には公式サイトで開催が「未定」とされ、開催を危ぶむ声も上がっていた。 東京オリンピック・パラリンピックの開催延期に伴い、国際放送センター・メディアプレスセンターの設置された東京ビッグサイト東展示棟は、冬に使用できない。しかしながらC99は全館使用が前提の3日間開催。東展示棟の不足を埋めるべく今から会期を延長するのは「年末の休日を考慮すると現実的ではありません」。
さらに6月8日に東京ビッグサイトが発表した「対応指針」では、大きく制限された形でのホール毎の最大収容人数や、主催者の行うべき感染防止策等が示されている。
準備会では、そういった状況を考慮しつつ、いかなる形であればコミケが開催できるのか、様々な検討を続けていたが、最終的に開催は困難と判断した。
次回のリアルなコミケは2021年GW、冬はエアコミケ
次なるリアルな場としてのコミケはいつか。準備会は「2021年GWに照準を合わせ、関係各方面と日程調整を行っております」とし、詳細の発表は2020年秋以降を予定。一方で、2020年の冬は「GWに行った『エアコミケ』を発展させていくことを検討」している。その中には、1975年12月に誕生したコミケの45周年企画なども含まれる。
今回の発表で、2020年はコミケが開催されない状況に。準備会も「表現の可能性の拡げるための『場』である」という理念を掲げるコミケの現状に悔しさを滲ませる。
「リアルな『場』としてのコミックマーケットを開催できないことは、我々準備会にとっても痛恨事に他なりません。しかしながら、コミックマーケットは、規模の大きさ故に社会的影響も考慮しつつ、継続を旨として慎重に事を進めていきたいと考えています」
コミケの運営継続、金融機関から資金調達を進行中
新型コロナウイルスは多くの同人誌即売会に影響を与えている。7月1日にはコミティアが「年内のコミティアがすべて中止になったら今後の開催継続が難しい」と明かした。 準備会の発表でも、運営の継続についてコメント。現状は、C98冊子版カタログの購入やC98サークル参加費の繰越・寄附の申し出などが寄せられているという。加えて、金融機関からの特別貸付制度を利用した借入れ等の資金調達が進行中で、「直ちにコミックマーケットの運営が立ちゆかない状況ではありません」と説明。
「しかし、今後の新型コロナウィルス感染症の状況如何によっては、改めて皆さんの幅広いご支援をお願いすることがあるかもしれません」と今後の支援の可能性にも言及した。
また準備会は最後に、政府や東京都などに対して、主催者支援を含めた展示会会場への充分なサポート、同人誌即売会をはじめ展示会会場を必要とするすべての人々への手厚い配慮を、改めて依頼した。
幸い、2020年GWの際には開催中止に伴うキャンセル料の免除をいただきましたが、感染状況の先読みが困難な現状では、引き続き同様の対応をお願いしたいと考えております。その他、「ガイドライン」を遵守するためのハード・ソフトの整備についても、個々の主催者に任される部分が大きいのですが、対策の長期化を見据え、会場設備・機能そのものの充実による対応も強く希望するところです。
政府・東京都・その他関係者の皆さまにおかれましては、主催者支援を含めた展示会会場への充分なサポートをお願いするとともに、同人誌即売会をはじめ展示会会場を必要とするすべての人々への手厚い配慮を重ねてお願いします。 コミックマーケット準備会の発表より
コロナ禍の同人誌即売会の開催を巡って
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