バーチャルYouTuber(VTuber)における革新の1つは「魂」や「心」、時に「命」と形容される人格を持っていることにある。
作品の中でしか存在できなかった既存のキャラクターと違い、1人ひとりが独立した人格を持つ。ファンとコミュニケーションするだけでなく、VTuber同士でも交流を深めあい、脚本にない関係性を生み出していくのがVTuberの大きな魅力だった。
これまでのキャラクターコンテンツにはない革命的な発展は、その革新性ゆえの摩擦を生じさせ、問題に発展するケースも少なくなかった。
本人による悲痛な訴えにより、大きな波紋を呼び、一応の解決を見せるも界隈を震撼させたアズマリムさんによる告発。いまだなお議論の続くキズナアイ分裂問題。そして、キャストの総入れ換えにまで及んだ「ゲーム部プロジェクト」の騒動。
時としてそのような事件を巻き起こしながらも、地上波への進出や大規模なリアルイベントの開催など、華々しい成果を上げながら発展・形成されたのが今日に続くVTuberシーンだ。
輝かしい発展と共に語られる正の歴史、その裏で確実に積み重なる負の歴史。そして、それらに連なる新たな1ページとして9月27日に開催されたのが、今回レポートするHIMEHINA(ヒメヒナ)の1stワンマンライブ「心を叫べ」である。
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もともとは2018年2月に田中ヒメさん1人によるプロジェクトとして始まったが、同年5月に鈴木ヒナさんが合流し、ヒメヒナとしての活動がスタート。チャンネル登録者数は48万人以上を誇り、カバー曲を含めた7曲のMVが100万回以上、最も再生されている「劣等上等」は1000万回以上と、歌でも高い評価を得ている。 これまではイベントへのゲスト出演などでパフォーマンスしてきたが、ワンマンライブは今回が初。スポット的な出演でも一瞬で観るものを虜にしてきた生粋のエンターテイナーによる待望のワンマンということで、大きな注目を集めていた。
満を持しての単独公演に、1500人以上を収容する大型ライブハウス・EX THEATER ROPPONGIが用意されたが、チケットはなんと1分も持たずに完売。そんな盛況っぷりもなんのその、当の2人は「忘れられないライブにできる」「絶対見て損はさせない」とその出来映えに自信をのぞかせていた。
会場に詰めかけたジョジ民(ヒメヒナファンの総称)たちが待っていたのはヒメヒナの2人。それなのに、聞こえてきた第一声はどこか厨二病がかったナルシストのような聞き覚えのあるものだった。
不意の出来事に呆気にとられる会場だったが、すぐさま割れんばかりの狂騒に包まれる。暴走した1人目を静めるように続いて登場したメンバーも含め、満員のフロアに響いたのはVTuberファンにとっては馴染みのある、放課後に仲良くゲームをしていそうな4人の声だったからだ。 ここまできたらもう言わせてもらうが、かつて「ゲーム部プロジェクト」の中の人として活躍していた4人(のように聞こえた)だ。
ジョジ民ガエル、フクロウ、アザラシ、ネコと名乗った4人を、紫、緑、ピンク、イエローの4色のライトで迎えるオーディエンス。「見覚えのある色」と懐かしむ4人に、今日これから幾度となく流すことになる涙が最初の轍を描いた。
4人は本編中にも登場すると予告して、大きな拍手に包まれて一旦ステージを後にする。興奮冷めやらぬ中、今度は御祝いメッセージとして、アニメ『バーチャルさんはみている』で共演したユニット・バーチャルリアルのメンバーや、普段から交流のあるVTuberなど、総勢20名以上から激励の言葉が送られた。
苛烈なVTuberシーンを共に歩んできた仲間たちからの祝辞で、早くも祝祭ムードに溢れる中、激動のライブはいよいよ開演の時を迎える。
「命」「存在」と、オリジナルソングの中でもテーマとなっている言葉が並べられていくと、お決まりの挨拶である「はおー!」にちなんだ「80」からカウントダウンがスタート。
残り20秒でいったんストップがかかると、「お願い、名前を呼んで」という2人の呼び掛けに、会場は大きな声でその名を叫び始める。 極限まで高まった期待の中、重厚なイントロが響き始め、初のオリジナルソング「ヒトガタ」で本編の幕が開いた。
ステージには、ゆうに人間3人分はあろうかという巨大な姿の2人が現れ、視界いっぱいに推しがいるというバーチャルならではのマジックに、フロアの熱狂はさらなる熱を帯びる。 VTuberによる初のテレビアニメとして話題をさらった『バーチャルさんはみている』のEDとしても有名なスーパーアンセムによって、のっけから大合唱を巻き起こすと、ステージ上にせり上がった舞台に等身大の2人が登場。
待ちに待った瞬間の到来を感情の爆発で迎えるオーディエンス。それに負けじとハードなパフォーマンス見せつけ、疑いようのない命の光を放って最高のスタートを切った。 間髪入れずに、事前に限定公開されていたセットリストに記された「限界突破メドレー」へ突入。「拝啓ドッペルゲンガー」から「ワールドエンドダンスホール」、「おこちゃま戦争」「ギガンティックO.T.N」「+♂️」と、名曲だらけのボカロカバーをワンコーラスずつつなぐ。それぞれが必殺の威力を持つキラーチューンの連打に、フロアの熱気はタイトル通り限界を越えて高まり続ける。
さらに「ブリキノダンス」から「ロストワンの号哭」と高密度の言葉遊びをウルトラハイテンポで繰り出す楽曲群を、一切の淀みなく歌い上げ、1stワンマンであることを忘れさせる熟練のパフォーマンスを見せた。 束の間のインターバルからヒメのソロで「ナンセンス文学」へ。赤とピンクに染まった会場を楽しそうに舞い踊る姿は、矢継ぎ早に展開したメドレーによる疲れなど微塵も感じさせない。
「ここからはヒナのターン!」と賑やかにバトンタッチして繰り出されたのは「ドラマツルギー」。同じEveさんの楽曲ということで連続性を感じさせつつも、はしゃぎ回ったヒメとは対照的に語りかけるような歌唱で、会場を一気に自らの色に染め上げる。
まさしく限界突破のメドレーのラストを飾るのは「ロキ」。奇しくもVTuberカルチャーとの絶妙な親和を見せる内容のロックナンバーの途中には、ステージ上に巨大なネオンも出現し、大きなシンガロングを巻き起こしてド派手に締めくくった。
残ったヒナさんはファンであるジョジたちとライブの定番コール&レスポンスに挑戦。「男性ジョジー!」と一見矛盾したコールに対して、集った男性ファンがフロアを揺らすほどの轟きで返す。
「女の子ジョジー!」というトートロジーじみた呼びかけに、女性ファンも負けじと大きな歓声で応える。会場にはリアル女児の姿も見え、2人の築いてきたファン層の幅広さに驚かされる。 会場との一体感を高めたところで普段の動画でお馴染みの赤いチャイナドレスをまとった姿、本人曰く「見慣れ田中」でヒメさんが登場すると、いつもは生放送で行っているアコースティックライブ「田中音楽堂」のパートへ。
ライブ1週間前に実施された放送でも1万人以上の視聴者を集めた人気コーナーがついにリアルで実現。お馴染みの相棒として、アコースティックギターを担当するドラちゃんを呼び込むと、ヒメさんの隣に実写の男性ギタリストが出現した。 リアルの人物とバーチャルキャラクターが並ぶ光景はこれまでも目にしてきたが、ステージに立つ2人の姿は一周回ってなんだか新しい。
スポットライトが2つ点る静かな情景で繰り出されたのは蝶々Pさんの「心做し」。先ほどまでの色彩豊かなステージから一転、伸びやかな歌がフロアに染みわたっていく。
続いて「出会いや別れって一期一会だからさ…へへっ」と、どこか気恥ずかしそうにしながら山口百恵さんの「さよならの向こう側」を披露。昭和の歌姫の名曲が、令和の時代にバーチャルアーティストによって披露される様はなんとも感慨深く、柔らかな歌声にしんみりと聞き入る。 さらに奥華子さんの「ガーネット」へとつないで、別れを惜しみながらも、過ぎ去る日々を胸に刻もうという思いを真っ直ぐな歌声で表現する。
最後はみんな知ってる曲で盛り上がろうと温かく声をかけ、スピッツの「チェリー」を大合唱。歌って踊れるエンターテイナーでありながら、アコギ一本でもかましてみせるシンガーとしての底力をこれでもかと見せつけて、田中音楽堂は閉幕した。 見慣れた衣装に着替えたヒナさんと合流すると、一気にギアを上げて「太陽系デスコ」へ。アコースティックで湿っぽくやるのも良かったが、楽しそうに動き回る2人はやはり水を得た魚の如しで、つられるようにフロアの温度も上がっていく。
次いで披露されたのはアニソンカバーで「創聖のアクエリオン」。向かい合ってハーモニーを美しく奏でると、代名詞的フレーズ「一万年と二千年前から愛してる」のあとに「俺もー!」コールを煽って、遊び心いっぱいに名曲を楽しんでいた。
当日の披露も期待されたヒメヒナのオリジナルソング、「ヒバリ」の歌詞を虫食いにし、みんなで替え歌をつくるというもの。先ほどまでの熱狂もどこへやら、まるでいつもの動画のように賑やかに企画が進行していく様子に、フロアにもアットホームな雰囲気が漂う。 最終的に、空手家気取りのマダムたちによって、量り売りのデニムを奪い合うカオスなバーゲンに、なぜか月ノ美兎委員長も違和感なく混じるという内容の文句なしのクソ歌詞が完成。全員での大合唱で締めると、文字通りの大爆笑が会場を包んだ。
「とびきりのクソができたな」とバラエティーコーナーの出来に満足すると、続いて始まる真面目タイムの準備のため、ヒメヒナの2人は一旦舞台裏へ。
再び舞台を任された天の声の4人は、それぞれここまでの感想と、この機会を用意してくれたすべての人々への感謝を述べると、暖かい拍手に送られてステージを去った。
作品の中でしか存在できなかった既存のキャラクターと違い、1人ひとりが独立した人格を持つ。ファンとコミュニケーションするだけでなく、VTuber同士でも交流を深めあい、脚本にない関係性を生み出していくのがVTuberの大きな魅力だった。
これまでのキャラクターコンテンツにはない革命的な発展は、その革新性ゆえの摩擦を生じさせ、問題に発展するケースも少なくなかった。
本人による悲痛な訴えにより、大きな波紋を呼び、一応の解決を見せるも界隈を震撼させたアズマリムさんによる告発。いまだなお議論の続くキズナアイ分裂問題。そして、キャストの総入れ換えにまで及んだ「ゲーム部プロジェクト」の騒動。
時としてそのような事件を巻き起こしながらも、地上波への進出や大規模なリアルイベントの開催など、華々しい成果を上げながら発展・形成されたのが今日に続くVTuberシーンだ。
輝かしい発展と共に語られる正の歴史、その裏で確実に積み重なる負の歴史。そして、それらに連なる新たな1ページとして9月27日に開催されたのが、今回レポートするHIMEHINA(ヒメヒナ)の1stワンマンライブ「心を叫べ」である。
【画像】ヒメヒナ1stワンマンの写真をもっと見る
MV再生累計2,000万回越えのモンスターユニット HIMEHINA
ヒメヒナは、大騒ぎのゲラ娘・田中ヒメさんと、ハードコアなオタクの鈴木ヒナさんという対照的な2人によるユニット。動画ではバラエティー感のある企画を展開しながら、複雑な裏設定を匂わせるシリアスな世界観も持ち合わせ人気を博している。もともとは2018年2月に田中ヒメさん1人によるプロジェクトとして始まったが、同年5月に鈴木ヒナさんが合流し、ヒメヒナとしての活動がスタート。チャンネル登録者数は48万人以上を誇り、カバー曲を含めた7曲のMVが100万回以上、最も再生されている「劣等上等」は1000万回以上と、歌でも高い評価を得ている。 これまではイベントへのゲスト出演などでパフォーマンスしてきたが、ワンマンライブは今回が初。スポット的な出演でも一瞬で観るものを虜にしてきた生粋のエンターテイナーによる待望のワンマンということで、大きな注目を集めていた。
満を持しての単独公演に、1500人以上を収容する大型ライブハウス・EX THEATER ROPPONGIが用意されたが、チケットはなんと1分も持たずに完売。そんな盛況っぷりもなんのその、当の2人は「忘れられないライブにできる」「絶対見て損はさせない」とその出来映えに自信をのぞかせていた。
“4人”の声、サプライズは突然に
「オレのワンマンへようこそ!」会場に詰めかけたジョジ民(ヒメヒナファンの総称)たちが待っていたのはヒメヒナの2人。それなのに、聞こえてきた第一声はどこか厨二病がかったナルシストのような聞き覚えのあるものだった。
不意の出来事に呆気にとられる会場だったが、すぐさま割れんばかりの狂騒に包まれる。暴走した1人目を静めるように続いて登場したメンバーも含め、満員のフロアに響いたのはVTuberファンにとっては馴染みのある、放課後に仲良くゲームをしていそうな4人の声だったからだ。 ここまできたらもう言わせてもらうが、かつて「ゲーム部プロジェクト」の中の人として活躍していた4人(のように聞こえた)だ。
ジョジ民ガエル、フクロウ、アザラシ、ネコと名乗った4人を、紫、緑、ピンク、イエローの4色のライトで迎えるオーディエンス。「見覚えのある色」と懐かしむ4人に、今日これから幾度となく流すことになる涙が最初の轍を描いた。
4人は本編中にも登場すると予告して、大きな拍手に包まれて一旦ステージを後にする。興奮冷めやらぬ中、今度は御祝いメッセージとして、アニメ『バーチャルさんはみている』で共演したユニット・バーチャルリアルのメンバーや、普段から交流のあるVTuberなど、総勢20名以上から激励の言葉が送られた。
苛烈なVTuberシーンを共に歩んできた仲間たちからの祝辞で、早くも祝祭ムードに溢れる中、激動のライブはいよいよ開演の時を迎える。
バーチャルならではのマジック
ステージ上に現れたハート型の宝石が、ヒメさんとヒナさんの2人による「生きる」という言葉と共に鼓動を始めた。「命」「存在」と、オリジナルソングの中でもテーマとなっている言葉が並べられていくと、お決まりの挨拶である「はおー!」にちなんだ「80」からカウントダウンがスタート。
残り20秒でいったんストップがかかると、「お願い、名前を呼んで」という2人の呼び掛けに、会場は大きな声でその名を叫び始める。 極限まで高まった期待の中、重厚なイントロが響き始め、初のオリジナルソング「ヒトガタ」で本編の幕が開いた。
ステージには、ゆうに人間3人分はあろうかという巨大な姿の2人が現れ、視界いっぱいに推しがいるというバーチャルならではのマジックに、フロアの熱狂はさらなる熱を帯びる。 VTuberによる初のテレビアニメとして話題をさらった『バーチャルさんはみている』のEDとしても有名なスーパーアンセムによって、のっけから大合唱を巻き起こすと、ステージ上にせり上がった舞台に等身大の2人が登場。
待ちに待った瞬間の到来を感情の爆発で迎えるオーディエンス。それに負けじとハードなパフォーマンス見せつけ、疑いようのない命の光を放って最高のスタートを切った。 間髪入れずに、事前に限定公開されていたセットリストに記された「限界突破メドレー」へ突入。「拝啓ドッペルゲンガー」から「ワールドエンドダンスホール」、「おこちゃま戦争」「ギガンティックO.T.N」「+♂️」と、名曲だらけのボカロカバーをワンコーラスずつつなぐ。それぞれが必殺の威力を持つキラーチューンの連打に、フロアの熱気はタイトル通り限界を越えて高まり続ける。
さらに「ブリキノダンス」から「ロストワンの号哭」と高密度の言葉遊びをウルトラハイテンポで繰り出す楽曲群を、一切の淀みなく歌い上げ、1stワンマンであることを忘れさせる熟練のパフォーマンスを見せた。 束の間のインターバルからヒメのソロで「ナンセンス文学」へ。赤とピンクに染まった会場を楽しそうに舞い踊る姿は、矢継ぎ早に展開したメドレーによる疲れなど微塵も感じさせない。
「ここからはヒナのターン!」と賑やかにバトンタッチして繰り出されたのは「ドラマツルギー」。同じEveさんの楽曲ということで連続性を感じさせつつも、はしゃぎ回ったヒメとは対照的に語りかけるような歌唱で、会場を一気に自らの色に染め上げる。
まさしく限界突破のメドレーのラストを飾るのは「ロキ」。奇しくもVTuberカルチャーとの絶妙な親和を見せる内容のロックナンバーの途中には、ステージ上に巨大なネオンも出現し、大きなシンガロングを巻き起こしてド派手に締めくくった。
アコースティックでも魅せるシンガーの真骨頂
すでにてんこ盛りだがまだ序盤も序盤。「はおー! ヒメヒナでーす!」とようやくの自己紹介を済ませると、準備があるからとヒメさんが袖に捌けていく。残ったヒナさんはファンであるジョジたちとライブの定番コール&レスポンスに挑戦。「男性ジョジー!」と一見矛盾したコールに対して、集った男性ファンがフロアを揺らすほどの轟きで返す。
「女の子ジョジー!」というトートロジーじみた呼びかけに、女性ファンも負けじと大きな歓声で応える。会場にはリアル女児の姿も見え、2人の築いてきたファン層の幅広さに驚かされる。 会場との一体感を高めたところで普段の動画でお馴染みの赤いチャイナドレスをまとった姿、本人曰く「見慣れ田中」でヒメさんが登場すると、いつもは生放送で行っているアコースティックライブ「田中音楽堂」のパートへ。
ライブ1週間前に実施された放送でも1万人以上の視聴者を集めた人気コーナーがついにリアルで実現。お馴染みの相棒として、アコースティックギターを担当するドラちゃんを呼び込むと、ヒメさんの隣に実写の男性ギタリストが出現した。 リアルの人物とバーチャルキャラクターが並ぶ光景はこれまでも目にしてきたが、ステージに立つ2人の姿は一周回ってなんだか新しい。
スポットライトが2つ点る静かな情景で繰り出されたのは蝶々Pさんの「心做し」。先ほどまでの色彩豊かなステージから一転、伸びやかな歌がフロアに染みわたっていく。
続いて「出会いや別れって一期一会だからさ…へへっ」と、どこか気恥ずかしそうにしながら山口百恵さんの「さよならの向こう側」を披露。昭和の歌姫の名曲が、令和の時代にバーチャルアーティストによって披露される様はなんとも感慨深く、柔らかな歌声にしんみりと聞き入る。 さらに奥華子さんの「ガーネット」へとつないで、別れを惜しみながらも、過ぎ去る日々を胸に刻もうという思いを真っ直ぐな歌声で表現する。
最後はみんな知ってる曲で盛り上がろうと温かく声をかけ、スピッツの「チェリー」を大合唱。歌って踊れるエンターテイナーでありながら、アコギ一本でもかましてみせるシンガーとしての底力をこれでもかと見せつけて、田中音楽堂は閉幕した。 見慣れた衣装に着替えたヒナさんと合流すると、一気にギアを上げて「太陽系デスコ」へ。アコースティックで湿っぽくやるのも良かったが、楽しそうに動き回る2人はやはり水を得た魚の如しで、つられるようにフロアの温度も上がっていく。
次いで披露されたのはアニソンカバーで「創聖のアクエリオン」。向かい合ってハーモニーを美しく奏でると、代名詞的フレーズ「一万年と二千年前から愛してる」のあとに「俺もー!」コールを煽って、遊び心いっぱいに名曲を楽しんでいた。
「とびきりのクソができたな!」
めまぐるしく展開した前半戦を終えて、予告されていた通り天の声の4人が再登場。「みんなで一緒に遊ぼう!」と期待を煽りつつ、大問題のコーナーとして始まったのは「第1回ヒバリクソ歌詞グランプリ」。当日の披露も期待されたヒメヒナのオリジナルソング、「ヒバリ」の歌詞を虫食いにし、みんなで替え歌をつくるというもの。先ほどまでの熱狂もどこへやら、まるでいつもの動画のように賑やかに企画が進行していく様子に、フロアにもアットホームな雰囲気が漂う。 最終的に、空手家気取りのマダムたちによって、量り売りのデニムを奪い合うカオスなバーゲンに、なぜか月ノ美兎委員長も違和感なく混じるという内容の文句なしのクソ歌詞が完成。全員での大合唱で締めると、文字通りの大爆笑が会場を包んだ。
「とびきりのクソができたな」とバラエティーコーナーの出来に満足すると、続いて始まる真面目タイムの準備のため、ヒメヒナの2人は一旦舞台裏へ。
再び舞台を任された天の声の4人は、それぞれここまでの感想と、この機会を用意してくれたすべての人々への感謝を述べると、暖かい拍手に送られてステージを去った。
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イベント情報
HIMEHINA(ヒメヒナ)1stワンマンライブ「心を叫べ」
- セットリスト
- M1
- Introduction:心を叫べ
- M2
- ヒトガタ
- M3
- 拝啓ドッペルゲンガー
- M4
- ワールズエンド・ダンスホール
- M5
- おこちゃま戦争
- M6
- ギガンティックO.T.N
- M7
- +♂
- M8
- ブリキノダンス
- M9
- ロストワンの号哭
- M10
- ナンセンス文学
- M11
- ドラマツルギー
- M12
- ロキ
- M13
- 心做し(田中音楽堂)
- M14
- さよならの向う側(田中音楽堂)
- M15
- ガーネット(田中音楽堂)
- M16
- チェリー(田中音楽堂)
- M17
- 太陽系デスコ
- M18
- 創聖のアクエリオン
- M19
- アンノウン・マザーグース
- M20
- 命に嫌われている(Ballad Ver.)
- M21
- ライライラビットテイル(Ballad Ver.)
- M22
- 琥珀の身体
- M23
- ララ
- M24
- ヒバリ
- M25
- ヒトガタRock
- *アンコール
- M26
- 劣等上等
- M27
- うたかたよいかないで
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