美少女ゲームブランド「minori」ソフト制作終了 新海誠「僕にとって大きな財産」

ef - the first tale. demo movie

POPなポイントを3行で

  • 美少女ゲームブランド・minoriが解散
  • 新海誠監督が複数のタイトルでOP映像を担当
  • 最後の挨拶として4月のイベントに出展
アニメ監督・新海誠さんが作品のOP映像を手がけていた美少女ゲームブランド・minoriが、2月28日にソフトウェア制作を終了すると発表した。

ブランドを運営する株式会社ミノリの代表取締役・酒井伸和さん名義で「ソフトウェア制作終了のお知らせ」が掲載。

それによると、1月25日に発売された『その日の獣には、』を区切りとして制作を終了、それに伴い制作チームは解散。ダウンロード販売やサポートなど一部をのぞき、ほとんどの業務を終了する予定だという。

minoriの発表後、新海監督はTwitterを更新。「長い間お疲れさまでした」と労いながら、「会社を辞めた時期にオープニング制作のお仕事をいただけたこと、そこで長編では出来ない様々な映像的トライをさせていただけたことは、僕にとって大きな財産です」と、当時を振り返った。 2000年に創設されたminoriでは、『BITTERSWEET FOOLS』や『Wind -a breath of heart-』、『ef - the first tale.』などの作品で新海さんがOP映像を担当していた。

ニーズとの剥離、ソフトウェア制作終了の理由

minoriによる「ソフトウェア制作終了のお知らせ」/画像は公式サイトより

お知らせの中では、制作終了およびチーム解散について、告知した発売日というユーザーとの「お約束を守ることが出来なかった」ことなど、4つの主な理由が説明されている。

加えて「『自分たちが作りたい(または作ることができる)もの』と『みなさんが欲しいもの』の乖離を感じており、どちらかが無理をして合わせることはお互いにとって不幸でしかない」ことも、理由のひとつとして語られている。

一方で、「このタイミングであれば、現在所属しているスタッフたちが、どこか他の場所で活躍できるチャンスがあるのではないかとも思った」と、必ずしもネガティブな理由だけではない点に言及。

その上で、ブランドのポリシーを曲げてまで存在し続けることは、「過去から積み上げてきた何か大切なものを崩す気がします」とコメント。

「よくスクラップ&ビルドとは言いますし、社会においては非常に重要なことではありますが、それによって出来上がる新たなチームはminoriという名を冠する必要はありません」と締めくくった。

創設から19年、美少女ゲームブランド minori

2000年に創設された当初は一事業部だったゲームブランド・minoriは、2007年に株式会社ミノリが展開するブランドとして独立。
Wind - a breath of heart - Re:gratitude. demo movie
Haru no ashioto demo movie
これまでに『BITTERSWEET FOOLS』や『Wind -a breath of heart-』、『はるのあしおと』などを世に送り出してきた。

『ef - the first tale.』『ef - the latter tale.』の前後編からなる『ef - a fairy tale of the two.』は、シャフトによるアニメ化も果たしている。
ef - the latter tale. demo movie
お知らせの文面の最後、「これにて『minoriの作品制作』、終幕!」とつづりながらも、「それでも『この文書をもって全て終了』では面白くない、という気持ちもございます」としたminori。

4月29日(月)に東京ビッグサイトで開催されるイベント「character1」への出展およびラストグッズの販売を、最後の挨拶とする予定だ。

なお、お知らせでは「『character1』(+α)」とされているため、ほかのイベント出展や挨拶の場が設けられるのかもしれない。続報を待ちたい。

美少女ゲームブランド・OVERDRIVEの代表であり、最終作『MUSICA!』のクラウドファンディングが国内最高記録を達成したbambooさんも、minoriの発表を受けてブログを更新している。

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