中野ブロードウェイは万華鏡?
これまでの写真だけを見て、ここがまさか中野ブロードウェイだと推察できる名探偵は果たして何人いるでしょう。 美男美女に囲まれ、絶品のカクテルを飲んでいるうちに夜はふけ、パーティーもお開きになりました。断っておくと、カクテルをつくっている時は真剣そのもの、強面も手伝って一見怖そうなロビンさんですが、そうでない時はきさくな方でした。
イベントの終わり際に少しお話を聞いたところ、「大勢の人が来てくれて嬉しい。たくさんのドリンクをつくって、たくさんの人と話すのは大好きだから楽しかったよ」とのこと(スタッフさん通訳ありがとうございました)。
この日、はじめて訪れたというBar Zingaroについては、「コーヒーとカクテルという要素をつなげるのは簡単じゃないけど、良い設備もスタッフも揃っているので、ここなら全然不可能なことじゃないと思えた」と語ってくれました。
現在5つのZingaroを統括する立場なのに「少年のようだ」とスタッフに評されている愛すべき當麻さんから、面白いお話を聞きました。
曰く、本来、カイカイキキのギャラリーを目的に訪れた人に安らぎを提供する場になるはずが、逆に、中野ブロードウェイにあって異質なカフェに吸い寄せられ、ふらっと立ち寄った外国人さんや家族連れの方が、Bar Zingaroをきっかけにカイカイキキに興味を持ってくれる、という逆転現象が起こっているそうです。
その時、以前、中野ブロードウェイ商店街振興組合の理事長さんたちに取材した際に聞いた話を思い出しました。
中野ブロードウェイという空間は、誰かがコントロールした結果として今のようなサブカルの聖地となったわけではないのだそうです。時代の流れをそのまま反映する万華鏡のようなもので、なるようになった結果、こうなってしまったのだとしか言えない、と。
でも、だから面白いし、これまでニッチなサブカルチャーだったものをマーケットとつなげてポップカルチャーにしていく村上さんが、どんどんブロードウェイにギャラリーを開いたことも、時代の象徴なんだとも語られていました。
今、中野は大規模な再開発が進んでいます。一大施設や早稲田大学などの3つのキャンパスが新設され、街並にも人にも、どんどん変化が起きています。その影響下にあるという意味では、ブロードウェイも例外ではありません。
ブロードウェイも今後、どんどん変化していくだろうし、これからどうなるかわからないけど、それを組合の方々が面白がっている。何よりそれが面白かったです。
もしかしたら、今は異世界でしかないこのBar Zingaroも、そうした動きに呼応した現象の一つだと言えるのかもしれません。中野ブロードウェイという変態パークの面白さに、改めて感じ入った夜でした。
最後まで一度も名前を上手く言えなかった強めのカクテル「If it`s dark, it’s delicious」も効いていました。
興味のある方は、足を運んで、是非自分の目と舌で確かめてみてください。
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