それはイノベーター理論で紐解くことができる。今回の盛り上がりを時系列に沿って分析した結果をまとめました。
イノベーター理論とは
里咲りさによるイノベーター理論の説明
イノベーター理論でいうと、私まだ市場が爆発的に拡大する16%超えてない、、5/29のワンマンで16%を超える勢いつけたいです!今ワンマン来たら、あなたはアーリーアダプター、つまり古参!私が飽きる程売れた時に「あの時はよかった」とか言っていいんですよ!爆発的に売れることは約束する! pic.twitter.com/PAuFKbFQYp
— 里咲りさ@9/22ZeppDCTワンマン (@risamusic925) April 27, 2017
イノベーター、アーリーアダプターといったマイノリティ層からアーリーマジョリティより右のマジョリティ層に浸透するにつれて物事は多くの人に知られることになる。
「○○のアルバムってファーストが一番良かったよね。」や「○○が小箱でやってた頃からの古参だけど、最近は距離が離れちゃってあんま現場行く気しないんだよね〜。」といったサブカルこじらせあるある。
それは、自分が世間ではまだ知られていないアーティストやアイドルを応援しているというマイノリティ的優越感と、世間に知られるようになって自分だけのものでなくなった寂しさからくる、マジョリティへのアンチ精神が集約された発言であるといっても過言ではない。
また、その逆も然りで、マイノリティ層にしか知られていなかった物事がマジョリティ層に知られるようになるためには何かしらのきっかけが必要である。
と、小難しいことを書きましたが、この記事を最後まで読むとあなたもイノベーター理論がバッチリ理解できるはずです。
「○○なうって使っていいよ!」の発祥から山寺ショック前夜まで
ぺろりん先生が産み出したすべての原点
『彼女と焼肉なう!』
って使っていいよ!!!! pic.twitter.com/IfwfIrdvR7
— ぺろりん先生 (鹿目凛) (@peroperorinko01) February 18, 2017
こちらのツイートが瞬く間にアイドルクラスタの中で広がることによって、便乗するかのごとくその他のアイドルや地下アイドルも「○○なうって使っていいよ!」を投稿するようになった。
山寺ショックの仕掛け人
ぺろりん先生による「○○なうって使っていいよ!」の投稿より3ヶ月ほど経過し、アイドルクラスタを含む一部のクラスタ内でごくごく当たり前になってきた頃、チャオベッラチンクエッティの岡田ロビン翔子も他のアイドル達のように「○○なうって使っていいよ!」を投稿していた。彼女こそが今回の山寺ショックの仕掛け人となる。
彼女とデートなうって使っていいよ pic.twitter.com/rwt37XCCbL
— 岡田ロビン翔子 (@xoxorobin19) May 21, 2017
キャズムを越えた山寺ショック
一気に飛び越える山寺宏一の「○○なうって使っていいよ!」
彼氏とデートなう。
に使っていいよ。 pic.twitter.com/cEvJBDszRS
— 山寺宏一 (@yamachanoha) May 31, 2017
ちなみに前述のとおり、上記のツイートが生まれる経緯となったのはこのツイート。
「彼氏とデートなう。に使っていいよ」あまりの反響に戸惑ってます。実はbayfm The BAYLINEの生放送中、相方のロビンに「アイドルや若者の車で流行ってる」と言われ、実験する事になったのです。何も知らない妻にその件でリプが行き、一瞬浮気を疑われました(笑)SNSってスゴい!
— 山寺宏一 (@yamachanoha) May 31, 2017
仕掛け人であるロビンの「○○なうって使っていいよ!」の1000倍のRTだった。
ベテラン声優が便乗
「彼氏とデートなう」
に、使っていいよ…?
(て書き方でいいのかな?( ̄▽ ̄;))>皆様 pic.twitter.com/nOoj4g2UY0
— 緒方恵美@25thAnniversary (@Megumi_Ogata) May 31, 2017
彼女とデートなう
に使っていいよ♪www
流行りに乗っかってみたある☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ pic.twitter.com/To52ogHoKz
— 松本梨香 (@rica_matsumoto3) June 2, 2017
銭形警部と碇シンジとサトシが、1日にしてぺろりん先生の産み出したトレンドを広げたといっても過言ではない。
そして、大手企業が便乗し始める
1人のアイドルから始まった「○○なうって使っていいよ!」に大手企業が便乗し始めた。ソニー・ピクチャーズやポリンキー、キリンまで、誰でも名前を知っている企業がどんどんツイートを行った。
彼氏が充電なう。
に使っていいよ。 pic.twitter.com/sfjRb7DSXr
— ソニー・ピクチャーズ (@SonyPicturesJP) June 1, 2017
彼氏とデートなう。
に使っていいよ。 pic.twitter.com/IOsqeZwj5t
— コイケヤキャンペーン【公式】 (@koikeya_cp) June 1, 2017
彼氏とビールなう。
に宜しければ、お使い下さい。 pic.twitter.com/NeU5Qt9OgM
— キリンビール / KIRIN BEER (@Kirin_Brewery) June 2, 2017
トレンドが生まれるということ
このように小さなきっかけが、キャズムを大きく飛び越えて世間に広く知られるようになることは、実は珍しいことではない。今回の例をまとめると(1)ぺろりん先生がツイート
(2)アイドルや地下アイドルがそれに便乗
(3)一部のアイドルクラスタやその周辺クラスタで話題に
(4)山寺宏一がツイートしたことによって大きく広がる
(5)大手企業が便乗し世間で話題に
といった流れである。
今回の最も重要なポイントは(4)であり、これはキャズムを飛び越えるために必要不可欠な要素である。
具体的に言うと、一部のマイノリティで流行っているものを、「圧倒的な拡散力や露出量をもった何か」によって広く大きくマジョリティに知られるようにする、という現象だ。今回は山寺宏一というベテラン声優が、それを担っていた。
「圧倒的な拡散力や露出量をもった何か」という点では今までテレビや雑誌などがわかりやすいメディアがメインだったが、昨年のPPAPに対してのジャスティン・ビーバーのようにSNS上で全てが完結するようなトレンドの発生も生まれていることから、インターネットを起点としたイノベーター理論に基づいた国内事例として今回の件についてもより一層広く知られることを期待し、記事を執筆した。
そして願わくば、このトレンドが良くない大人に食いつぶされることなく、きっかけとなったぺろりん先生が世間に大きく知られるようになって欲しい。
最後に、筆者が見つけた個人的に好きな「○○なうって使っていいよ!」で締めたいと思う。
汎用性がないタイプの「○○なうって使っていいよ!」
彼氏が馬の乗り方全然知らないみたいって使っていいよ pic.twitter.com/vLDZEeTZzQ
— ゆっきゅん (@guilty_kyun) April 10, 2017
「彼女とMONSTERなう✩」
って使っていいよ!! pic.twitter.com/rbwPZm7YyW
— プー・ルイ@新生アイドル研究会BiS (@pour_lui) May 7, 2017
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