2016年といえばラッパーたちがMCバトルを繰り広げる「フリースタイルダンジョン」や「高校生ラップ選手権」といったTV番組の人気もあり、日常的にフリースタイルラップをカマす人が増え、酔った勢いでフリースタイルをはじめる人も多いと聞きます。
しかし、そういったノリが苦手な人にとってはフリースタイルハラスメント(通称・フリハラ)と受け取られてしまうようです。今年の初めにもYahoo!知恵袋で「彼氏が会話中執拗に韻を踏んできます」というエントリが話題になり、その対策方法をラッパーに聞いてみるという企画も行いました。 しかし、いまだにフリハラの被害報告は後を絶たず、「相席居酒屋で知り合った女の子とカラオケに行ったら、いきなりフリースタイルを仕掛けられ、まったく返せずに終わった」という体験をしたKAI-YOU編集部員もいるくらい。
飲み会は無礼講な場とはいえ、年の瀬にさらに横行するフリハラに対して免疫のない人はどのように反応すればいいのか? その撃退法・対処法を、今回は8人のラッパーに聞いてみました!
フリハラで絡んでくる人の撃退法をラッパーに聞いてみた
UZI
「フリースタイルダンジョン」では進行/ナレーションを担当しているラッパー・UZIさん。「うぇいよー!」の掛け声でも大人気です。俺がこれから教える4小節を覚えて、それをそのまま返せばいいよ!
「中途半端でつまらない 素人のラップはくだらない 覚えたてだろ生半可 そんなマイクこっちに渡さんか」
晋平太
MCバトル最高峰の大会と言われる「ULTIMATE MC BATTLE」(UMB)で、2010年・2011年と2連覇を成し遂げ、いまでは総合司会をつとめるラッパー・晋平太さん。2小節でもいいんで「いきなり入ってきた酔っぱらい 俺がアンサーで追っ払い」ぐらい、ちょっとでも返せば「おー!」ってなると思う。
とにかく引いちゃうと、後で返せなかった自分に後悔しちゃいそうなんで。
向こうは酔っぱらいだから白熱してより絡んでくる率も高いですけど、とりあえず何か言って握手して「イエーイ! 飲もう飲もう」って。僕はそんな感じっすね(笑)。とりあえず自分のネタを用意しとけ!
JNKMN
KAI-YOU Videosでも取材した東京最先端クルー「YENTOWN」のラッパー・JNKMNさんからの回答です。JNKMNさんの名ツイートも以下に引用させていただきます。TPOあるんで、これといった対処法ないっす。
何回もいうけどフリースタイルしかけてきたらおれはただただこまるしやぶるお前のこまく
— JNKMN (@amanaidaiji) 2016年10月25日
Jinmenusagi
DubbyMapleさんとのレーベル「インディペンデント業放つ」など、ヒップホップシーン内外でその異能ぶり発揮しているJinmenusagiさん。笑ってごまかす。
「言われた通りラップして万が一スベったらお前がスベってるってことだからな」と無駄にキレてみる。
振った本人の名前や身近なものでくだらない韻を踏みまくってうんざりさせる。
空気を読まず手持ちのワンバースをがっつり歌う。
ハシシ
現在メジャーデビューをかけてヒッチハイクで日本を縦断し、47都道府県でストリートライブを行っているヒップホップクルー・電波少女(でんぱがーる)のMC・ハシシさん。楽曲「拝啓」では「なぜかフリスタ強要されたり」とフリハラに対する怒りを露わにしています。
会社の場合、自分だったらまず音楽やってますとか、ましてやラップしてますなんて自分から地雷を踏みに行くことはしないですし、絶対バレないようにするので日頃から危機管理能力をしっかり持つことが大事だと思います。
それでもバレてしまった場合や友達に強要された場合は、「それお笑い芸人になんか面白いことやってよって言ってるのと同じくらい無責任だよ」ってマジレスしてあげるか、ひたすら情けない笑顔で「本当無理なんで勘弁してください」って言ってます。
今、自分はヒッチハイクをしながら全都道府県で路上ライブをして周ってます。やはり各都市でたくさんのサイファーを目撃するのですが、その近くでライブをやったりするので正直いつ自分が仕掛けられるかわかりません。
もし仕掛けられる時が来たら迷わず警察に通報してやろうと思ってます。
Amateras
MCバトルフェス「超ライブ×戦極 U-22 MC BATTLE」で準優勝に輝いている現役慶應大生のラッパー・Amaterasさん。足利義満が一休に出した問題の一つに「屏風絵の虎が夜な夜な屏風を抜け出して暴れるので退治して欲しい」というものがあります。それに対して一休は「では捕まえますから虎を屏風絵から出して下さい」と切り返し、義満を感服させたという逸話があります。
つまり上司にフリースタイルを強要された場合、「ではフリースタイルしますのでDJとbeat、micを用意してください」と切り返すのが良いでしょう。
ハハノシキュウ
KAI-YOUで「読むだけで口喧嘩が強くなるコラム」を連載。先述の「彼氏が会話中執拗に韻を踏んできます」というSOSにアンサーしていただいた張本人であるラッパー・ハハノシキュウさんにも聞いてみました。課長は鈴村あいりに「フリーセックスさせろ」って言えるんですか? 僕が鈴村あいりならとても哀しい気持ちになります。
呂布カルマ
最後にこの質問を投げかけたのは、「UMB」において、2011年・2012年・2014年と3回も本戦に駒を進めている実力者で、ワードセンス、重みのあるパンチラインで人気のラッパー・呂布カルマさん。フリースタイルハラスメントに関しては、普段からそんな舐めたフリをされない様な人間関係づくりが大切です。
「俺はプロなんだからこんなとこでおいそれとやる訳ないだろう?」ってゆー空気を常に出していれば、フリースタイルハラスメントどころか、ラップについて論じることさえ気がひけるのか、自分はプライベートでそんな目にあった事は一度もありません。
素人の人は、振られてしまったら最後、そこは気合い入れてやれ。つまらなきゃ二度と振られないし、ウケたんだったら武器にすりゃいいじゃないですか。
ドサクサに紛れて普段言いにくい事を言う絶好のチャンスです。ハラスメントだなんてネガティブに捉える必要はありません。
世の中に蔓延るハラスメントにも対応可能?
いかがでしたでしょうか? 自分にマッチしそうなフリースタイルへの対処法は見つかりましたか?世の中にはPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)ハラスメント、「恋ダンス」ハラスメントなども蔓延しているようです。
年末だからといって気を抜かないようにしましょう!
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1件のコメント
りょりょりょ
ジャンクマンのが一番わかりやすかった
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