掲載されている医療情報が信頼性に乏しい、あるいは他情報サイトからの杜撰なコピーであることが発覚していた「WELQ」。
25日には医師や専門家に記事内容の監修を依頼したという発表を行っていた。すでに28日時点で一部のカテゴリの記事が閲覧できない状態となっていたが、翌29日21時をもって全記事非公開対応となった。
多くの識者からの指摘 命に関わる情報を扱うということ
WELQは、2015年10月にスタートした医療・ヘルスケア系のキュレーションサービス。「健康や医療をもっと身近に。」をコンセプトに、登録したユーザーが記事を投稿できるというシステムだった。命や健康に関わる情報でありながら、専門知識を持たない執筆者による記事が横溢していたため、管理体制が問題視され、Web業界、医療業界を巻き込んで物議を醸していた。
これを受けて、DeNAは24日、専門家の監修を依頼し、問題があると判断した記事は削除。監修が完了した記事には監修した医師や病院名を表記するといった方針を打ち出した。
しかし、依然として大量に出回っていたデタラメな医療情報を掲載した記事に対し、「まずは全記事を非公開にしてから、専門家監修の上で問題がなかった記事のみを公開するのが筋ではないか」といった指摘も相次いでいた。
28日には、「病気・不調」カテゴリの記事が削除されていたが、29日には正式に全記事が非公開となった。
DeNAによるプレスリリース全文は以下。
株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)は、ヘルスケア情報を扱うキュレーションプラットフォーム「WELQ(ウェルク)」におきまして、医療情報に関する記事の信憑性について多数のご意見が寄せられたことを受け、検証および精査した結果、本日11月29日(火)21時をもって全ての記事を非公開といたしました。
ご利用いただいている皆様には、多大なるご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
医学的知見を有した専門家による監修がなされていない記事が公開されていたことに関して、かねてより進めている医師や薬剤師などの専門家による医学的知見および薬機法※をふまえた監修体制を速やかに整えます。その上で医学的根拠に基づく監修を順次行い、皆様に安心してご利用いただける状態にしたのち、WELQ編集部名義で記事を掲載していく方針です。
なお、キュレーションプラットフォームの運営にかかる社内体制強化のため、代表取締役社長兼CEOの守安を長とする管理委員会を直ちに設置します。当社運営のキュレーションプラットフォームは、編集部独自記事および外部ライターへの依頼記事だけでなく、一般ユーザーによる自由投稿による記事掲載も可能な形で運営しておりますが、本管理委員会を通じて、一般ユーザーが作成・投稿した記事のチェック体制強化など信頼性を担保できる仕組みを整備していくとともに、編集部独自記事や外部ライターへの依頼記事等につきましても、品質の向上に向けた改善を進め、より一層価値のある情報提供に努めてまいります。
※医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(薬機法) 「当社運営のキュレーションプラットフォームについてのお知らせ | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】」より
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