「ヤクブーツはやめろ」SHOインタビュー 日本一叩かれたラッパーの素顔

L.A.のThe Gameに会いに行った

──L.A.の人気ラッパー・The Gameのレーベルを手伝われていたそうですね。レーベルロゴのタトゥーを入れていると。

SHO The Black Wall Streetのレーベルのロゴですね。腕と背中に入ってます。

──それはどういう経緯だったんですか?

SHO 僕はいきなりデビューできたわけじゃなくて、横浜のクールホッパーズってショップを手伝いながら、G3っていうラッパーと一緒に活動してたんです。で、G3がThe Black Wall Streetのタトゥーを先に入れてて、同じようなタイミングで自分も入れて。

それでGame宛にタトゥーの写真をメールで送ったらGameから直接「L.A.来いよ」ってメールが返ってきたんです。それから、実際に渡米したんだけど会えなかったんですが、また別の機会に行ったら迎え入れてくれて、レーベルの日本支部担当になったんです

──でも、The Gameとは、その後仲違いされたとか?

SHO  (The Gameとビーフ状態にあった)50 Centの『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』って映画がすごい好きで、金持ちになるか死ぬかっていう。50 CentがやってるGユニットっていうチームに入ってたモブ・ディープっていう2人組がいるんですけど、そこのメンバーだったハヴォックと自分が2012年に『HUSTLE HARD』っていう曲をつくったんです。そんな間接的な繋がりもあってタトゥーを入れたんです。 そのタトゥーの写真を、日本の僕のヘイター(アンチ)が現地のGameのライブにわざわざ出向いてクルーに見せたんですよね。で、「ワックMCはほっとけ」みたいに言われて。自分は彼らのために尽くしてきた部分もあったんで、それで「BLACK WALL STRIPPER」という曲でディスを返しました。
S.H.O - BLACK WALL STRIPPER(The Game DISS) OFFICIAL MUSIC VIDEO

「日本で一番叩かれたラッパー」SHO

──ヘイターの話が出ましたが、ロンドンブーツの田村淳さんの番組でも「日本で一番叩かれたラッパー」と紹介されていましたよね。実際どうなんですか? SHO それは間違いないと思いますね。ここ10年くらいずっと叩かれてます。基本、日本のラッパーって叩かれることしたがらないけど、僕はヘイターに伸ばしてもらった感じがあります

──ヘイターをどう受け止めてるんですか?

SHO ヘイターの存在があって『百姓王子』って曲もできたくらいです。飛騨高山から出てきて「ゲットープリンス」とかどうのこうの言ってたら「いや、お前ゲットープリンスじゃないじゃん。田舎から出てきた百姓でしょ」とか言われて。

それで「あ、そっか。俺百姓だ」と思って曲つくって。それからはヘイターもすごいラブ。そこまでに8年くらいかかったっすけど。
SHO - 百姓王子 (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
──正直、周りに敵は多いですか?

SHO 基本、そこまで日本のラッパーとどうのこうのってやったことないんですよね。僕に文句言う人らは腐るほどいますけど

──そういう人がいた時に、反応しないんですか?

SHO 例えばこの前も、ライブの出番前に「次に出るラッパーは意味のわかんねー薬物やめろとか言ってるふざけたラッパーだ」みたいなこと言われたんですよ。

で、「この野郎、どついてやる」みたいに頭に血がのぼったんですが、最終的には自分に言い聞かせて。「おい、SHO。お前はどこ目指すんだ? 世界のトップだろ。だったらお客さんのために歌え。」ってマイク握りましたね。

最近のラップブームについて

──現在、一般的にもフリースタイルラップが流行ってますが、この加熱気味なブームに対して一言ありますか?

SHO 誰がすごいって、やっぱZeebraさんがすごいって思いますね。直接話したことはないんですが。やっぱあの人がアイディアを形にして、地上波で一般市民が目につくところで表現する場をつくって。

多分僕だったら「自分が自分が。世界取ってやる」ってことしか考えないけど、Zeebraさんはちゃんと日本のシーンのことを考えてて。どうやったらヒップホップが世に浸透するかってことを考えた結果が今のブームなんでしょうね。

──ちなみに、SHOさん自身は今でもフリースタイルはやられるんですか?

SHO マクドナルドで「今日ほしいのはポテト ほしいのはLサイズ 俺の心はビッグサイズ」みたいな感じでオーダーしたりとか。サイゼリヤとかでも動画撮ったりしてます。 ──サイファーやMCバトルへの参加予定は?

SHO もちろん仕事として依頼されてギャラもらったら全然出ます。でもグラミー賞をとるっていうのが目標で、音源つくってレベルアップしてくってのが自分がやるべきことなんで。ライフのなかではサイファー参加したりとかはありますけど。

ジムに行くようなラフさでタトゥーを入れる

──素朴な疑問なんですが、タトゥーを入れに行く時ってどういう気持ちなんですか?

SHO 全然ラフです。ジムに行くような感覚ですよ。

──はじめて入れる時はさすがにためらいがあったのでは?

SHO 最初は覚悟決めたっすよね。これからラッパーとして生きていこうって意味で音符のタトゥーを入れたんですが。

──ほかに思い入れの深いタトゥーはありますか? SHO 例えば、エルメス、シャネル、ルイ・ヴィトンに俺は肩並べるぞってつもりで自分のブランドのロゴを入れたり、車も好きなので、ブガッティ、マイバッハ、ベントレー、ロールス・ロイスのロゴも。全部ラッパーとして稼いで乗ってやるってメッセージ込めてます。 でもラップやる上で最初から大事にしてたのは、この「Aftermath(アフターマス)」のレーベルのロゴですね。Dr. Dreっていうプロデューサーがいて、彼にアルバムをプロデュースしてもらいたいという夢があって入れてます。

グラミー賞を目指して…

──現在はツアーで全国を回っているんですよね?

SHO ここ半年くらいずっと。沖縄や秋田にも呼ばれたり。去年くらいから状況も変わってきて、悪口言うだけじゃなくて「こいつ応援してこうぜ」みたいな人たちもどんどん増えていて、感謝っすね。

──沖縄でも職質されましたか?

SHO 沖縄ではされなかったっす(笑)。でもサンセットビーチ行って、テンション上がりすぎて監視台に上って「ヤクブーツはやめろ!」ってやってたら、ライフセーバーの人たちに怒られて。それで降りたら「えっヤクブーツの人じゃないですか? 写メ撮ってください!」って。沖縄でも広がってたんで嬉しかったっすね。

──では最後にグラミー賞を目指すためにこれからやっていくこと、今後の目標を教えてください。

SHO 今ちょっとペース落ちてるんで、音源に時間を割いてしっかりつくっていきたいです。来年にはまたアルバム出そうと思ってます!
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SHO

ラッパー

1982年6月19日生まれ、飛騨高山出身、元アルペンスキー日本代表。
今現在HIP HOPアーティストにて活躍中。
またS.TIME STYLE RECORDSの代表、自身のS.TIMEブランドもプロデュースしている。
2007年、THE GAMEの目にとまりアジア人としては異例のTHE BLACK WALL STREETのメンバーとして8つのステージを共にした。
これまでに3枚のアルバム、2016年には『THE BEST』をリリースしている。

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:2294)

SOHさんと会いたいです。
いつも YouTube 見てますよ。
お花茶屋駅で薬物やめろを歌えたいですよ。