その原作である初野晴さんの人気小説〈ハルチカ〉シリーズは、「吹奏楽×青春×ミステリ」という斬新なテーマで注目を集め、これまでに全5巻が刊行されています。
初野晴さんは、『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビューを果たした小説家。ファンタジーとミステリを融合させた独自の作風で注目を集めてきた彼にとって、本作ははじめて学園モノというテイストを取り入れた、意欲的な作品であるといえます。
2015年9月に刊行された最新巻『惑星カロン』は、アニメ化が発表された後ということもあってか、発売即日で重版決定という人気ぶり。
1月からは数多くの魅力的なアニメ作品が放送を控えていますが、その中でも筆者が今期の最高傑作となるだろうと信じてやまない本作の魅力を紹介していきます!
「ハルチカ」のストーリーを簡単に紹介!
高校1年生の穂村千夏(チカ)は、清楚な女の子を目指して高校入学を機にフルートを始め、憧れの吹奏楽部へ入部を決意します。しかし彼女の目の前に待ち受けていたのは、廃部寸前の弱小吹奏楽部。そこで出会ったのが、幼なじみの上条春太(ハルタ)でした。 2人をはじめとした吹奏楽部員は、吹奏楽の甲子園「普門館」を目指すべく日々練習や部員集めに奔走する中、次々と身の回りで起こる謎や事件に巻き込まれていきます。
その謎や事件とはいったい何なのでしょうか……?
突拍子もない謎や事件ばかり!
〈ハルチカ〉シリーズは、各巻ごとに4、5編ほどの短編作品が収録されたオムニバス形式となっており、校内の文化祭から友人の親族まで、さまざまな人々を巻き込み謎や事件を描いていきます。……というのも、6面すべて真っ白のルービックキューブに隠されたメッセージを解く「クロスキューブ」、ひとりの部員をめぐって心理ゲームを交えた即興劇で演劇部員と勝負する「退出ゲーム」など、第1巻から突拍子もない謎や事件ばかり。
頭脳明晰なハルタと、暴走気味だけど豊かな創造力を備えたチカの迷(?)推理で、ひとつひとつその真相に迫っていきます。
エキセントリックなキャラクターが勢揃い
そんな謎や事件の渦中にいるのは、十人十色のバックグラウンドを持つ個性あふれるキャラクターばかり。 中学時代に普門館出場の経験のある実力者・成島美代子や、元プロのサックス奏者の父親を持つサラブレッドであるマレン・セイ。 夜な夜な謎のラジオ番組を配信している、不登校児の檜山界雄(カイユ)。 祖父がかつて見たという、色見本が存在しない幻の色「エレファンツ・ブレス」の真相を追う後藤朱里。 アンチ吹奏楽部で、純然たるプロを目指す孤高のクラリネット奏者・芹澤直子。このほかにも、怪しい発明品を生み出し続ける兄弟や、なぜかヘルメットを被って登校する美少女、文化祭で謎の暴走を起こすヘビーロッカーなどなど……エキセントリックなキャラクターが物語を彩ります。
(ちなみにこの3人は、その奇行から「ブラックリスト十傑」と呼ばれ生徒会から目を付けられている人物でもあります。)
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