“誰かにそっと寄り添う” センチメンタルな表現の源泉
──れんさんの“メロい”歌声は、これまでれんさんが書かれてきた「誰かにそっと寄り添う」ことをテーマにした切ない歌詞の世界観ともマッチしています。そういったセンチメンタルな表現はどのように生まれるのでしょう?
れん どこから出てきてるのかは自分でもわかってません。何ならちょっと怖いです(笑)。
TAKU INOUE 直接会う前はちょっとクールな人なのかなと思ってたんですけど、実際話してみると愉快な青年で。外向きのパワーが溢れているというか、コミュニケーションにも前のめりで。
それなのに、あれだけ暗い世界観の曲を無自覚に生み出している。そのギャップも面白いね。
れん 書けることがそれしかないんですよ。人間のナイーブな部分というか、抱え続けないといけない問題というか。
れん 多分普段の生活の中ではそういったことから目を逸らしているから、曲をつくろうと思って自分と向き合った時にスラスラ書けるのが、そういう歌詞なのかもしれません。
TAKU INOUE それが男女問わずに支持されてるのもすごいよね。
れん 男性ボーカリストでありながら、女性の気持ちを歌うのがれんっぽさになっているのかなと自分では思っています。「Last Parade」の<愛の衝動買いよして>も女性目線での言葉に見えますし。
強くありたいから繕ってみせるけど、本当は弱さも秘めているみたいな心模様を意識するのは、歌詞を書く時も歌う時も大事にしている部分です。
TAKU INOUE 男性目線の曲はほとんどない?
れん 男性目線だけっていうのはほぼないですね。「正論さん」って曲くらいかな? どちらの目線も入れ混じってるようなのが多いです。
逆にイノタクさんは作詞の時、男性目線/女性目線って意識しますか?
TAKU INOUE 僕はあまり意識してないかな、そもそもラブソングがほとんどないし。目線は考えないけど、曲の中でのストーリーは考えたりしてる。
TAKU INOUE 男性ファンにはれんくんの曲のどの辺が響いているのか、結構気になるな。すごく知りたい。
れん 確かに。最初は、付き合っていた彼女にライブに連れてこられたんだけど、彼女と別れてからも一人で来てくれる男性ファンはいました。
TAKU INOUE それすごいね! 彼女との思い出だけではなく、心の拠り所にもなってたりするのかもしれないね。
れん そうなれてたらすごく嬉しいです。音楽活動をしていく上での一つの目標でもありますし。
TAKU INOUEのアドバイス「大切なのは音楽にのめり込みすぎないこと」
──れんさんは、2026年3月には大学を卒業し、4月からは社会人という新たなフィールドに挑まれます。現状で心境の変化などはありますか?
れん この仕事(=シンガーソングライター業)自体は高校3年生からしているので、大学卒業でなにか大きな心境の変化があるかというと……。
TAKU INOUE まだ実感も湧かないか。
れん でも、コミュニティとしての大学がなくなる寂しさはあるかもしれません。
高校生とも社会人とも違う、大学生っていう時間だからこそできたことはあると思いますし、そうした経験は音楽活動にも無意識の内に反映されていたと思います。
──今後、社会に出ていく上で、先輩であるTAKU INOUEさんかられんさんへなにかアドバイスはありますか?
TAKU INOUE 音楽に専念できるようにはなると思うんですけど、そればかりにのめり込みすぎるのもあまり良くないんですよね。
れん たしかに、音楽ばっかりになっちゃうのは嫌かもしれません。
TAKU INOUE だから持てるなら音楽と別の柱を用意するのも大事だと思うし、別の目線を持つことで音楽に活きることもたくさんあると思う。れんくんは趣味とかってある?
れん 子どもの頃からサッカーはずっとやってますし、アニメやゲームも好きですね。
TAKU INOUE ゲームはどんなタイトルを遊ぶの?
れん 「スプラトゥーン」とか「マリオカート」とか、PS5もNintendo SwitchもあるんでFPS系もやりますし、とにかくずっとやってます。
──アニメでは、特に好きな作品などありますか?
れん 今まで見てきた中で一番くらったのは『プラスティック・メモリーズ』(※)ですね。
※『プラスティック・メモリーズ』:2015年に放送された、人間とアンドロイドの恋愛を描くSF恋愛アニメ。ゲーム『STEINS;GATE』などの「科学アドベンチャー」シリーズの林直樹さんが原作・脚本を手がけた。
──かなり意外な作品で驚きました。
れん はじめて見たのがちょうどコロナ禍だったんですけど、最後まで見たらもう生きる意味を失いかけるくらい泣いちゃったんですよ。
主題歌の佐々木恵梨さんの「Ring of Fortune」も良すぎますし、作品としてもう本当に大好きですね(早口)。
TAKU INOUE 今日一、熱く語ってるなぁ。でも、れんくんの場合サッカーみたいな、音楽とは全く違うしかも体を動かす趣味があるのはすごく良いと思う。良い切り替えにもなるだろうし。
れん イノタクさんほど音楽家として完成してたら、もう切り替えとか新しい刺激とかいらないんじゃと思っちゃいますけど。
TAKU INOUE 今はいいんだけど、50歳、60歳になっても今のペースとか熱量とかで活動できるかっていうとそうじゃないと思うんだよね。
それで今より音楽にのめり込めなくなっていったら、僕には何が残るんだろうって考えちゃう。もちろん音楽を辞めるってことはないけど、どう続けていくかは僕も考えないといけないんだよね。
れん なんというか……イノタクさんもそういうことを考えてる普通の人間なんだなって知れて良かったです。ずっと音楽サイボーグなんじゃないかと思ってましたから(笑)。
TAKU INOUE 普通の人間だよ(笑)。老後の心配しかしてないんだから。
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楽曲情報
れん&TAKU INOUE「Last Parade」
- リリース
- 2025年11月14日
- 作詞・作曲
- れん, TAKU INOUE
- 編曲
- TAKU INOUE
関連リンク
れん
シンガーソングライター
2003年6月生まれ。SNS総フォロワー数は150万人、ストリーミング総再生回数は 1.1 億回を突破。一度聴いたら忘れられない、 強さと優しさを帯びた唯一無二の歌声を持つ。 「誰かにそっと寄りそう」というテーマのもとに紡ぎだされるそのメロディーと切ない歌詞の世界観は、若い世代を筆頭に聴く人全てを魅了し続けている。
2021年9月に自身初となるオリジナル楽曲 「嫌いになれない」を配信リリース。
以降も積極的に楽曲リリースを重ね、同年リリースした「最低」 「空っぽ」が、各サブスクリプションサービスにてバイラルヒットを現在も記録中。
Spotify が躍進を期待するネクストブレイクアーティスト企画「RADAR: Early Noise2023」に選出。 2024年11月には全国7都市での初ライブツアー 「れん ONEMAN LIVE TOUR 2024-Dulcet-」を開催。ファイナルとなる東京・Zepp Shinjuku 公演を含む全公演をソールドアウトさせた。
2025年は全国8都市にて「れん ONEMAN LIVE TOUR 2025 -Molt-」、さらに杭州・上海・ソウル・台北の海外4都市でもワンマンライブツアーを開催。 なかにはチケットがわずか15分で完売する都市もあるなど、国内外問わずライブパフォーマンスでの注目を集めている。
TAKU INOUE
サウンドプロデューサー / コンポーザー / DJ
「アイドルマスター」シリーズや任天堂と Cygames によるアクションRPG アプリ「ドラガリアロスト」などゲームの楽曲をはじめ、ano、DAOKO、 Eve、 星街すいせいといったアーティストのサウンドプロデュースや楽曲提供を担当する。
2021 年に TOY'S FACTORY 内のレーベル・VIA より 「3時12分 / TAKU INOUE & 星街すいせい」でメジャーデビュー。
2022年に星街すいせいとのプロジェクト・Midnight Grand Orchestraを始動。
7月に1stミニアルバム 「Overture」 を発売し8月にVIRTUAL LIVE「Overture」を開催。 2023年12月13日には新曲「夜を待つよ」や「Midnight Mission」等を収録した2ndミニアルバム「Starpeggio」が発売。
2024年2月20日には初となる有観客 LIVE Midnight Grand Orchestra 1st LIVE「Midnight Mission」 を豊洲PITにて開催。
2025年6月25日に2nd EP 「FUTARI EP」をリリース。
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