実物大ガンダム像が大阪万博に! SFと現実が交わる特設パビリオンをレポート

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須賀原みち
実物大ガンダム像が大阪万博に! SFと現実が交わる特設パビリオンをレポート
実物大ガンダム像が大阪万博に! SFと現実が交わる特設パビリオンをレポート

実物大ガンダム像がそびえる大阪・関西万博の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」

やっぱり実物大ガンダム像は、大きい!

10月13日(月)まで開催中の日本国際博覧会(EXPO 2025 大阪・関西万博)にて、バンダイナムコホールディングスが出展中の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」を訪れました。

ガンダムシリーズが描いてきた「宇宙での暮らし」や「まだ実現していない科学技術」を新たな未来の可能性として捉え、新作映像とパビリオン空間による没入体験を届けるというこのパビリオン。

約17mもの高さを持つ実物大ガンダム像が、関西エリアで初登場することでも話題を呼んでいます。

取材・文:須賀原みち 編集:アシュトン

【画像】大阪・関西万博ガンダムパビリオンの様子

「実物大ガンダム像」は西ゲートを抜けたミャクミャクの先に

「大阪・関西万博」の西ゲートから入場して大屋根リングの方へと進むと、万博公式キャラクター・ミャクミャクの像の左手に片膝を立てて腕を大きく上げる「実物大ガンダム像」が見えてきます。

ミャクミャクの後ろにそびえ立つ実物大ガンダム像

この実物大ガンダム像は、神奈川県横浜市で2020年12月〜2024年3月まで営業していた複合施設「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のランドマークだった“動くガンダム”の資材を再活用したもの。

間近で見ればそのスケール感に思わず興奮してしまうはず……!

パビリオンと並ぶとその大きさがより際立つ

また、パビリオンの周囲では、これまでのガンダムの歴史をまとめた年表展示やガンダムのプラモデル(ガンプラ)のランナーからつくられたスペースコロニーのモニュメントといった展示が。

これまでの作品や展示イベントなどがまとまった関連年表

ランナーからつくられたスペースコロニーのモニュメント

後者は、大阪府内の小学校を対象とした持続可能なものづくりを学ぶ授業パッケージ「ガンプラアカデミア」で回収した素材を活用。「ガンダムオープンイノベーション」プログラムなど、近年、SDGsや社会貢献活動に積極的なIPとしての“ガンダム”がうかがえます。

ガンダムパビリオンはモビルスーツの平和利用を模索する世界観

それでは、肝心のパビリオンを訪れてみましょう。

パビリオン体験は完全予約制で、観覧の所要時間は約40〜50分。宇宙の旅に寄り添うクルーをイメージしたユニフォームに身を包んだスタッフに促され、エントランスへと案内されます。エントランスでは入場を待つ間、このパビリオンにおける世界観設定を紹介する映像が流れます。

パビリオン内部は世界観に沿ったSFチックな内装に ※提供画像

その世界観をすごくざっくり言うと、人類が宇宙を生活の拠点とするようになった未来、兵器として実用化されていたモビルスーツが平和利用されています

また、モビルスーツの平和利用を目的とした組織共同体として、ガンダム・オープン・イノベーション・コンソーシアム(GOIC)が発足。地球と宇宙での豊かな生活を実現するため、様々な研究やプロジェクトが進められている、という設定です。

画面には、世界観を紹介するコンセプトムービーが流れている

なお、スタジオぬえ所属の脚本家・森田繁さんが手がけた詳しい世界設定は、万博会場で販売されている公式ガイドブック『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』に掲載されています。

軌道エレベーターで宇宙へ オリジナルストーリーを体験

実際に、バンダイナムコグループが行っている「ガンダム」と「未来技術」を掛け合わせることにより未来の夢と希望を現実化を目指すプログラム「ガンダム・オープン・イノベーション(GOI)」では、実在の企業や大学が名を連ねて、宇宙空間での暮らしなどを実現するための研究・開発プロジェクトを実施。

パビリオン内の紹介映像では、アニメーション映像としてガンダムのビームサーベルを農業に活用している様子などが描かれます。技術の未来的なあり方をガンダムの世界観に基づいた映像として見ることで、体験への期待も膨らみます。

出迎えてくれるパビリオンのスタッフ

映像を見終わると、一行は「夢洲ターミナルの搭乗ロビー」から「軌道エレベーター」に乗って“宇宙へ”と向かいます。軌道エレベーター内では、全周に設けられた窓(ディスプレイ)越しに、小型ロボット「ハロ」のイークスとポーがアテンドしてくれます。

GOICについて説明する小型ロボット「ハロ」

いよいよ軌道エレベーターに搭乗していく

窓の外の映像や床の振動、音響を駆使して、軌道エレベーターに乗って宇宙へと昇る演出では、道中にザクIIF型やジムが登場。また、軌道エレベーターの宇宙ステーション「スタージャブロー」に到着してからもリック・ドムにゲルググなど、数多くのモビルスーツや宇宙戦艦が登場し、ファンを楽しませてくれます。

軌道エレベーターで宇宙へ行く場面

アニメでは敵対しているはずの地球連邦軍とジオン公国軍のモビルスーツが(鹵獲されたわけでもなく)一緒に活動しているのも、世界平和や協調を重視する万博のコンセプトが反映されているのでしょう。

その後は、宇宙デブリの回収作業の最中にアクシデントが発生し、ジオングが!? 万博で平和利用されているガンダムの新しい世界観に加え、これまでのガンダムの面白さも十二分に堪能することができ、興奮冷めやらぬままパビリオン体験を終えました。

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