Mrs. GREEN APPLEがつくりあげた音源を使用できる意義
日本音楽著作権協会(JASRAC)と利用許諾契約を締結しているYouTubeやニコニコ動画、TikTokなどの動画投稿サービス(外部リンク)。
動画全盛の今、様々なアーティストの人気曲のカバー動画(いわゆる歌ってみた動画)が、これらの動画投稿サービスなどで大量にヒットするようになった。
一方で、JASRACは著作隣接権は管理していないため、オリジナル音源の使用に関してはアーティスト側に許諾を取る必要がある。特にメジャーアーティストの楽曲の場合は、音源を自前で用意しなければならないケースが多い。
そのため、オリジナル音源とカバー動画の音源を聴き比べてみると、後者は音の厚みや質がどうしても劣ってしまうことも少なくない。
そうした状況を踏まえると、Mrs. GREEN APPLEが丹精込めてつくりあげたオリジナル音源を、自由に使用できるよう規約改定したことの意義は大きい。
決して初めての例ではないが、2023年のBillboard JAPAN「年間アーティストランキング」で2位になるほどの人気ロックバンドとしては、先進的な取り組みと言えるだろう(※)。
ユニバーサルミュージック公式サイトでの発表文では、「動画利用を取り巻く時代の状況などを鑑み、またファンの皆様に、よりMrs. GREEN APPLEの音楽を楽しんでいただくために」と、自由化の経緯が語られている。
昨今の音楽シーンはYouTubeやTikTokで公開される歌ってみた動画、踊ってみた動画などのファンコンテンツで人気に火が付くことも珍しくない。時代の動きに即した動きとも言えそうだ。
(※)余談ではあるが、VOCALOID文化を出自とするYOASOBI(2023年Billboard JAPAN「年間アーティストランキング」1位)は、クリプトン・フューチャー・メディアが運営するコンテンツ投稿サイト「ピアプロ」で、インスト音源を頒布している。
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