オーイシマサヨシ武道館ライブレポ 1万人の観客とヒーローとでつくり上げた祝祭

ウルトラマン、大石昌良ら“ヒーロー”がステージへ

今回のライブが男性ソロアニソンシンガーによる初の武道館公演という歴史的な機会になったことを伝え、これまで辿ってきた道程を感慨深そうに振り返るオーイシマサヨシさん。

多くのヒーローたちとの出会いが大きな転機であったことを告げると、その手にはオーイシさんとヒーローの関わりを語る上で欠かせない『ウルトラマンR/B』の変身アイテム・DXルーブジャイロが。全員で声を合わせて「オレ色に染め上げろ!ルーブ!」と叫び、同作の主題歌「Hands」へ。

左からウルトラマンブルとオーイシマサヨシさんとウルトラマンロッソ

繋いできた絆を確かめるように、熱く熱く熱唱すれば、ウルトラマンロッソとウルトラマンブルも駆けつけて特別なステージをさらに色鮮やかに彩っていく。「決してすべてを諦めない」という歌詞の通り、すべてを諦めずに繋いできた未来の景色を力強く示してみせた。

めくるめく展開から急転、冷たさすら感じる白い照明の中で歌い始めたのは「英雄の歌」だ。等身大の英雄像を全身全霊で表現する様は、先ほどとは違った迫力を持って見守るファンたちの胸に迫る。そして続く「碧い砲撃」では、会場を深い海のような青色に染めると、魂を燃やすごとく文字通りの絶唱で聴くもの全てを圧倒した。

息もつかせぬ怒涛の展開から、アコギに持ち替えると今度は穏やかな雰囲気で「枕男子」へ。満天の夜空をバックにして楽しそうに歌っていると、「電気消して」のフレーズとともに本当に照明が落ちてしまう。

スポットライトがついたと思ったら、オーイシマサヨシさんにそっくりなスタッフのタカザワさんがアコギを構えているというライブではお馴染みの一幕も挟みつつ、オーディエンスを夢の世界へと誘っていく。

2度目の「電気消して」で再び会場が暗闇に包まれると、一筋の光を浴びて満員の武道館の中央に現れたのはなんと、オーイシマサヨシさんの親戚にして稀代のシンガーソングライター・大石昌良さんだ。

大石昌良さん

ロックバンド・Sound Scheduleのボーカルとしてデビューするも、バンドの解散を経験し、ソロデビューや作家活動など決して平坦ではない道を歩んできた男。

その大石昌良さんがアコースティックギターひとつ抱えて武道館に立つという感動的な景色にこみ上げるものがある。そして大舞台もなんのそので踊るような指さばきでギターを奏でると、「トライアングル」を熱唱する。卓越したギタースキルを見せつければ、大シンガロングも巻き起こして一瞬で武道館を自らのものにしてみせ、惜しまれながらステージを後にした。

Tom-H@ckとの壮大なグリッドマンサーガ

再びスポットライトを取り戻したオーイシマサヨシさんが「たしかに似てるけども、親戚の方の大石昌良さんやないかーーーい!」とツッコミながら「枕男子」を再開させると、一層の幸福感に満ちた会場に「楽園都市」をドロップ。

メロウな楽曲で表現者としての幅の広さも証明してみせ、今度はエレキギターに持ち替えて2月にリリースされたばかりの2ndアルバム『ユニバース』収録の「エレクトリックパレード」へ。まばゆいほどにカラフルなレーザーに照らされる中、どこまでも伸びゆく歌声を響かせて新たなライブアンセムを完成させた。

「本当にみんなで紡ぎあげた一日だと思います。ありがとうございます」と改めてファンへの感謝を述べていると、なにやら不穏なBGMが鳴り響く。

祝福ムード溢れる中に襲来したのはTVアニメ『SSSS.DYNAZENON』のラスボス・怪獣ガギュラだ。突然の危機に救いのヒーローが駆けつけることを信じ、全員で「ダイナゼノン! バトルゴー!」の声を揃えると、大声援に応えてダイナゼノンが登場!

ガギュラとダイナゼノンが大立ち回りを繰り広げる中始まったのは、もちろんオープニング主題歌「インパーフェクト」。

「立ち上がれ 世界の憂鬱をひっくり返すのは僕ら次第さ」

押しも押されもせぬ代表曲となったアッパーチューンを力いっぱい歌い上げると、ステージにはグリッドナイトも駆けつける。ヒーローが戦う横で主題歌を熱唱するという、オーイシ武道館でしかあり得ない夢の光景を実現させた。

『SSSS.DYNAZENON』のガギュラとダイナゼノンもステージに

危機が去ったのも束の間、「これできっと誰にも邪魔されることなく、上手くいくことでしょう」と丁寧な振りをしていると、舞台袖からTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の黒幕であるアレクシス・ケリヴが!

2度目の危機に瀕したオーイシ武道館だったが、満を持してあのヒーローが駆けつける。鋭いギターサウンドを響かせて登場したのは相棒のTom-H@ckさんだ。オーイシマサヨシさんをアニソン界に引き込んだ張本人が、絶体絶命のピンチに駆け付けるアツすぎる展開に、会場のテンションは最高潮へ。

オーイシマサヨシさんとTom-H@ckさんによるユニット・OxTの2人が揃ってOP主題歌「UNION」を繰り出す。背中を預け合いながらパフォーマンスを展開する姿が反則級に感動的で、加速する全能感に任せてギアを上げていく2人をもう誰にも止められない。

グリッドマンも駆けつけてアレクシス・ケリヴを撃退すると、壮大なサーガの仕上げは、劇場版『グリッドマンユニバース』の主題歌「uni-verse」で飾る。

大舞台で披露されることによってその迫力を何倍にも増した楽曲を全力全開で歌い上げる様子は、まるで今ライブが始まったかのようにエネルギッシュだ。最後は1万人の大合唱で武道館を揺らし、一生忘れられない感動的な光景を顕現させた。

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