時事とリンクするタイトルを新作・旧作問わず取り上げ、“今読むべき漫画”や“今改めて読むと面白い漫画”を紹介していく本連載「漫画百景」。
九景目は『姫様“拷問”の時間です』! 1月からTOKYO MXほかでTVアニメが放送されており、深夜の飯テロアニメとして話題になっています。
拷問という物騒なタイトルなのに飯テロとはいかに?
というわけで、今回は『姫様“拷問”の時間です』を“今読むべき漫画”としてご紹介します。
拷問の概念を軽やかにくつがえす『姫様“拷問”の時間です』
『姫様“拷問”の時間です』は原作者・春原ロビンソンさん、漫画・ひらけいさんのコンビによる漫画。2019年4月から集英社の漫画サービス・少年ジャンプ+で連載されています。
物語の舞台は、人間による国王軍と、魔王が率いる魔王軍が戦い続けている世界。
魔王軍に捕らわれて捕虜になった人間の王女にして、国王軍の団長でもある姫様が主人公です。
この姫様が魔王城の牢獄に監禁されており、拷問官たちから秘密を明かすよう“あの手のこの手”で迫られる……というあらすじになっています。
この“あの手のこの手”がいわゆる拷問なのですが、一般的に想像されるような鞭で打つとか、水責めとか、誰かを人質に取るだとかではない。
眼の前に美味しそうな料理を並べる、とかなのです。優しい世界か?
そして姫様も食欲に負けてガンガン王国の秘密を喋ってしまう。それでいいのか?
そのほかにも可愛い動物と触れ合ったり、楽しくゲームで遊んだり、拷問という剣呑な響きとはかけ離れた風景が広がります。
見た目は完全に友達と遊んでいる時のそれ。
なんなら普通に牢獄から外へお出かけしたり、拘束具を自分で外したり、スマホをいじったりしている。どんな捕虜だ。
さらに姫様が自ら「屈させろぉ!!!」とか、「ずっと楽しみにしてた“拷問”があるんだ」とか言い出して、ツッコミが追いつかない。
全編にわたって読者のツッコミ力が試される作品になっています。
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連載
テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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