「時代に遊び心が求められてる」ホームメイドバンド“yonawo”が伝授するチルの極意

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それぞれの音楽遍歴。キーマンは?

──みなさんはどんな音楽を聴いてきたんですか?

荒谷 最初に思い出すのは、小さい頃に親が聴いてた竹内まりやさん、山下達郎さん、ノラ・ジョーンズあたりですね。歌うのは大好きでしたが、小6でビートルズと出会うまでは特に音楽にのめり込んでなかったです。

──小6でビートルズですか! ちなみにどのアルバム?

荒谷 赤盤と青盤です。本屋さんで見つけてなんとなく買ったのがきっかけですね。そこからイギリスのバンドを聴くようになって。あとビートルズをきっかけに、歌うだけじゃなくて自分でもつくりたいと思うようになったんです。で、中学で雄哉と出会って、ヨナオくんと3人で音楽の話ばっかしてました(笑)。

野元 僕もみんなと出会った高校で、本格的に音楽を聴き始めました。最初はみんなが聴いてたONE OK ROCKやUVERworldが入り口でした。そこから慧がいろいろ教えてくれて。中でもサカナクションがすごくしっくりきたんです。そこからダフトパンクとかも聴くようになって。荒ちゃんや雄哉とも仲良くなって、どんどん深まっていった感じです。

田中 僕もしっかり音楽を聴き始めたのは中学生くらいからです。最初はテレビでよく流れてたYUIさんとかGReeeeNさんが好きだったけど、高校に入ってみんなと仲良くなって情報交換してたらどんどん詳しくなっていきました。

僕がハマったのはニルヴァーナ、ストロークス、アークティック・モンキーズあたり。どのタイミングか忘れたけど、「かっこいいリフを鳴らすバンドが好きかも」っていうのもわかり始めたんです。ブラックミュージックは雄哉と出会ってからですね。

斉藤 そうだったんだ(笑)。

田中 うん。そこで混じった。それも込みで、僕はUKの空気感が好きかも。 ──こうやって話をうかがってると、斉藤さんがキーマンっぽいですね。

斉藤 うちは両親が音楽をやっていて。父はパンクが大好きで、母はそれこそビートルズとかノラ・ジョーンズを聴いていて、かなり小さい頃から自然とそういうのは聴いてました。

だから小学生の頃は、音楽の話ができる人が全然いなかったんです。唯一話が通じたのがヨナオくん。中学で荒ちゃんと出会ってビートルズの話ができたから、めっちゃ仲良くなったんです。たしか中2くらいの時に荒ちゃんがアークティック・モンキーズの2ndアルバム(『フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー』)をジャケ買いしてきて。そこからみんなでUKロックにどっぷりハマった。

──ブラックミュージックはどんなきっかけで?

斉藤 Spotifyが日本に入ってきたのがデカかったです。それが高校の時。俺はローファイ・ヒップホップにハマっていて、Spotifyで元ネタをディグりまくったんです。

しかも俺の父はパンクバンドでドラムを叩いていたので、小さい頃からドラムの音色がどうだこうだみたいなことをずっと聞かされてたんですね。その頃は「なんのこっちゃ」という感じだったんですけど、Spotifyで古いソウルやファンク、R&B、ジャズを聴いていくうちに、だんだんと父が言ってたことの意味がわかり始めたんですよ。あと、ペトロールズを知ったこともデカいです。

──あー、なるほど。ペトロールズは音数は少ないけどグルーヴがばっちりあって、メロディも美しい。それこそ坂本慎太郎さんにも通じる日本の重要アーティストですね。

斉藤 そうです。もうめちゃハマったんですよ。長岡(亮介)さんのギターにはジャズっぽいエッセンスもあるし。めちゃくちゃ影響受けてますね。

音楽好きな友達が集まったという延長に、yonawoがある

──yonawoは全員音楽の趣味が違うけど、良いバランスで互いの個性を尊重しあってるように感じます。

荒谷 最初から「バンドやろうぜ!」って感じじゃなく、音楽好きな友達が集まった延長線上にyonawoがあるからかも。大きく好みの違う人がいないんですよ。根っこを4人が共有できてるから、仮に新しい音楽を教えてもらっても、みんな素直に受け入れられる。俺らの大前提にはそれがあるかも。

斉藤 そうだね。一番好きなジャンルはみんなバラバラなんですけど、メンバーが聴く音楽は全員どれも好きで聴いてるんです。バックグラウンドが共有できてるから、それぞれがアイデアを出してきたらすぐに意図がわかる。自分の好きな音楽の要素や、個性をyonawoでどう出そうか考えてる感じですね。

──今もハマってる音楽をシェアしあったりするんですか?

斉藤 しますよ。うちらは機材車で移動することが多いので、その時にそれぞれ黙ってハマってる曲をかける(笑)

荒谷 みんな何も言わずにかけて、誰かが「うわっ、これかっこいい」って反応すると会話が始まる(笑)。

斉藤 最近だとMEN I TRUSTとかね。音も良いし、MVもヤバかった。 荒谷 ダニエル・シーザーの新曲(「Let Me Go」)が良かった。アルバムが楽しみすぎてやばいっす。でも、うちらのディグり大将は慧です。ジャンルが幅広いし、インタビューもちゃんと読むから作品の背景とかも教えてくれるんですよ(笑)。

田中 確かに好きな音楽はいっぱいありますね。今年出たやつで好きな曲は全部プレイリストにしてて。ピンクパンサレスとかスクリレックスとか。あとトラヴィス・スコットが参加してたドン・トリヴァーの曲(「Embarrassed (feat. Travis Scott)」)もかっこよかったです。

野元 僕はアークティック・モンキーズのアルバム(『The Car』)がめっちゃ好きでした。

荒谷 この前のアークティック・モンキーズの来日公演に行ったんだよね。

野元 ライブ見てからずっと聴いてる(笑)。あとはロイヤル&ザ・サーペントの「Love Abuser (Save Me)」って曲も好きでした。

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宮崎敬太

編集/ライター

Twitter:@djsexy2000
ポートフォリオ:https://note.com/keita_miyazaki/n/n8c862778bf9c

1977年神奈川県生まれ。2015年12月よりフリーランスに。K-POP、日本語ラップ、ダンスミュージック、ロックなどオールジャンルで執筆活動中。映画、マンガ、アニメ、ドラマ、動物も好き。主な媒体はFNMNL、TV Bros.、ナタリーなど。担当連載は「レイジ、ヨージ、ケイタのチング会」と「ラッパーたちの読書メソッド」。ラッパー・D.Oの自伝で構成を担当した。

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