インディーホラー『ヒトカラ』の性暴力表現がゲーム実況で拡散 作者も注意喚起

性暴力表現の注意喚起せず『ヒトカラ』を実況するケースも

『ヒトカラ』は2月10日時点で、Steam上でフィルタリングの対象となる「成人向けコンテンツ」として販売されている。

注意書きとして英語で「Sexual assault(訳:性的暴行)」「Trauma(訳:トラウマ)」「Partial Nudity(訳:部分的なヌード)」などが含まれていることも記載されている(外部リンク)。

ただ、『ヒトカラ』の配信開始以降、人気クリエイターであるチラズアートの新作ということもあって、多くのゲーム実況者やVTuberたちが本作のゲーム実況を投稿・配信した。

内容を知ってか知らずか、本作では性暴力が題材になっていることに関して、視聴者に対する注意喚起を十分に行わないまま動画を投稿・配信するケースもあった。

そのため、ゲームタイトルや配信について批判の声も上がった。ゲームというフィクションの中の出来事ではあるが、リアリティの高い演出やグラフィックから、ホラーゲームとしての恐怖よりも性犯罪に巻き込まれた際のトラウマを想起させるという意見もあった。

ゲーム実況に「性犯罪を茶化していると受け止められかねない」と批判も

動画や配信の中では、『ヒトカラ』で描かれた性暴力や性犯罪を想起させるシーンを目の当たりにしても、あくまでエンターテインメントとして実況するケースもあり、結果、「性犯罪を茶化していると受け止められかねない」といった批判も起きるなど、賛否を呼んでいた。

例えば小説や漫画といったフィクションにおいても、性暴力が描かれる作品も数多存在し、その全てに適切な注意喚起がなされているわけではない。ただ、映画やゲーム、ドラマといった特に映像表現については、年齢別のレーティング表記の徹底も進んでいる。

今回は、時には何万、何十万人という多くの視聴者が目にすることもあるゲーム実況において、性暴力を主なモチーフとして描く作品が誰の目にも触れられる形になってしまっていた。
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