「まらしぃさんのLINE知ってんすか?!」って言われる
──確かに近年、曲もつくる、絵も描く、歌うなど、いわゆるマルチクリエイターが多くなった印象はあります。堀江晶太 でも彼らには彼らの良いところがあるように、僕らにも僕らにしかできないことがありますし、そこを活かしてかっこいいところを見せたいとは思っています。
まらしぃ・yuxuki waga おぉ〜!
堀江晶太 最近若いクリエイターさんに会うと「昔からずっと憧れてました」って言われるんです。
僕より楽器できるしかっこいい曲つくってるのにとは思うものの、それを言っても仕方ないし、彼らに失望されたくないから、その憧れに応えつつも自分がやりたいことをやる。そういう折り合いをつけれるようなクリエイターでありたいですね。
まらしぃ 僕も昔から見てましたって言われる機会がすごい増えたんですけど、彼らは僕の何を楽しんでくれていたのかなって思うと、自分らしさについて考え直すいい機会にもなっているんです。
堀江晶太 まらしぃくんは音楽クリエイターからの尊敬もそうだけど、ピアノYouTuber界の中でも崇められてるんじゃない?
まらしぃ そうなのかな?
堀江晶太 若いピアノを弾ける人たちのまらしぃくんリスペクトは結構すごくて、僕もたまにそういう子たちと話してると「まらしぃさんのLINE知ってんすか?!」って言われるし、インターネットピアノ大聖堂があったら一番大きい壁画に描かれるレベルだよね。
まらしぃ 嬉しいけど、そんなに徳を積んできたわけじゃないから(笑)。あくまでも、やりたいな、面白いなって思ったことをやっていて、たまたまその年月が他の人より長かっただけだと思ってる。でもそう尊敬してもらうからには、恥ずかしくないようにありたいね。 ──対抗心を燃やすという感じではないんですね。
まらしぃ 音楽って勝ち負けというよりは好き嫌いだと思っているので、あんまり対抗心って感じではないです。
自分がやってきたことから何か影響を受けた人たちが活躍しているのは素直に嬉しいですけど、そこに僕が加わっていくのはちょっと違うなと思います。やっぱり僕も自分のできることを大事にして、自分のかっこいいと思うことを大切にしていきたいという思いがあります。
堀江晶太 年齢的にサイクルが回ってこうなったのかなと思っていたんですけど、ふと昔の仲間が今何をやってるんだろうって調べてみたら、別のジャンルで新しいチャレンジをはじめていたり、ガッツリYouTubeで頑張っていたりするのを知ることも増えたんですよ。
それにめちゃくちゃ勇気づけられましたし、若い世代が元気だからと言って、僕らが頑張っちゃいけないわけじゃないんだなと気づかされました。
頑張ろうという気持ちとアイディアが合致すれば、いつでもそこからまた新しい動きは生み出せるし、世代とか時代に関係なく自由に創作して発信できる世界になったんだなって思いますね。
yuxuki waga じゃあさ、堀江くんもログハウス系YouTuberどう?
堀江晶太 つくってる様子をVlog的に公開するだけでも面白そうだし、焚火を囲んでクリエイター同士で喋ってるのも……いけるかも。
「頑張って生き残ってこれた」生存確認の座談会
──別荘から『メゾン ハンダース』、そして最後はまた別荘と、非常にきれいにまとめていただきありがとうございます。今回初めて3人集まっての座談会ということでしたので、最後に率直な感想をうかがってもよろしいですか?yuxuki waga こうやって集まって話す機会ってないので、本当に勉強になりました。クリエイターって結構似た性質の人たちが多いですけど、その中でどうやって個性を出していくかってそれぞれが苦労している部分ですし、だからこそ似た部分と違う部分があって、それをたくさん知れたのが嬉しかったです。
堀江晶太 こうして集まることでお互いの生存確認にもなるんですよね。俺たち、頑張って生き残ってこれたなって(笑)。
ただ続けているだけで生き残れる世界ではないので、こうやって顔馴染みと再会できるのはシンプルに嬉しいですし、ホッとします。また会えるといいなって思いますね。
まらしぃ 2人に限った話ではないんですけど、やっぱり僕は自分が持ってないものを持っている人に対してすごく尊敬を感じるんです。
きっとハンダースのみんなもそうなんだろうと思うんですよ。お互い人間として大好きだろうけど、ふとしたときに出てくるクリエイターとしての尖った部分に魅力を感じ合ってるんだろうなって。
こうやって他のクリエイターとご一緒させていただくのは、自分の持ってないものを知れるすごくいい機会なのでとても嬉しくなっちゃいました。
──ちなみに皆さんが活躍を続ける上で貫き続けているクリエイターとしてのこだわり、尖った部分はどういう点ですか?
まらしぃ 僕はやっぱり自分が好きかどうかを一番大切にしています。たとえば最近は、ピアノに限らず演奏動画の場合って楽しんでいる表情も含めて映すのがトレンドになっていますよね。でも僕は演奏している楽曲に余計な情報を付け加えたくないという思いがあるので、いまだに顔を出していないんです。
世間やトレンドがどうあれ、僕はそう思ってますっていうこだわりを変えるつもりはないし、共感してもらえる人にだけ共感してもらえたらいい。単純に自分がここは譲れないって部分は大事にしたいですし、そうやって自分が前向きに取り組めるかどうかをこれからも大切にしていきたいです。 堀江晶太 僕もほとんど同じなんですが、昔から、子どもの頃の自分が見て胸を張れる仕事をしているかどうか、子どもの頃の自分がかっこいいねって言ってくれる曲をつくれているかどうかを基準にしていますね。
何をするにしても自分の心が動くものをつくり続けるのは変わらないですし、それさえ変えずにやっていけば自分らしくいることができると思っています。
yuxuki waga モノづくりを続けていくうちに、自分のできることとできないことがだんだんとわかってくるんですが、以前はなんでも自分の手中に収めたいと思っていたのが、最近は自分のできないことは他人に任せてみんなでいいものをつくっていこうってマインドに変わったんです。
自分の譲れないものは大切にしつつ、肩の力を抜いて楽しめる曲をつくる、そうして移動中でも自分の曲を聞きたくなるくらい、自分でも好きな音楽をこれからもつくっていきたいです。 ©BANDAI NAMCO Arts Inc.
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品番:LACA-15928(CD1枚)
価格:2,310円
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