日本のアニメーション作品を語る上で、もはやその影響力から決して外すことのできない作品「エヴァンゲリオン」シリーズ。
『不思議の海のナディア』で高い評価を得た庵野秀明さんを総監督として、多くの才能が集ったアニメスタジオ・GAINAXが生み出したアニメーション作品です。
1995年から放映された『新世紀エヴァンゲリオン』はこれまでのアニメーションの文脈や常識を覆すような急転直下な展開、宗教学を引用するなどの難解な設定、貞本義行さんのキャラクターデザインによるレイやアスカなどの魅力的なキャラクターで多くの人々を惹き付け、社会現象とまで呼ばれました。
テレビシリーズの放映からまもなく20年の月日が経とうとしている現在、「エヴァンゲリオン」はさらに幅広い層にリーチし、より強固な人気を確立しているといえます。なによりもまだ物語が終わっていないのがすごい。
そして、ついにこれまで地上波で放映されることのなかった旧劇場版の放映が行われるまでに至りました。
放映を記念し、改めて、それぞれの劇場作品について振り返ってみたいと思います。
公開日:1997年3月15日
最初の劇場作品。テレビシリーズで賛否を呼んだ第弐拾伍話、最終話をやり直す形として制作が行われました。
テレビシリーズの総集編的な役割を持つ「DEATH」と、劇場版第25話にあたる「Air」の前半部分までを収録した「REBIRTH」の二編からなります。
前半部分までしか上映されなかった理由は、制作が間に合わなかったため。上映一ヶ月前に監督の庵野さんが謝罪会見を行ったエピソードが有名です。
公開日:1997年7月19日
「REBIRTH」の完全版であると同時にテレビシリーズ第弐拾伍話のリメイクとしての「Air」と、完全新作のエピソードが第26話「まごころを、君に」がセットになって上映されました。
今作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結しました。
公開日:1998年3月7日
『シト新生』の「DEATH」を監督の再編集した「DEATH (TRUE)²」と「Air」、「まごころを、君に」を繋げた作品です。オリジナルの「DEATH」編で制作された新作シーンの多くは再編集版でカットされてしまいましたが、DVDで増補された第弐拾壱話から第弐拾四話へと転用されています。
制作の進行が上手くいかず、つぎはぎなイメージのある旧劇場版の本来あるべきバージョンとなっています。現在販売されている旧劇場版のDVDは、この作品をデジタルリマスターしたものです(他は絶版)。
公開日:2007年9月1日
『シト新生』から10年、テレビシリーズ放映から12年の時を経て新たに制作された「エヴァ」。制作会社もGAINAXから庵野さん率いるスタジオ・カラーとなり、エヴァの表記も「ヱヴァンゲリヲン」に変更されています。
基本的なストーリーはTVシリーズを引き継ぎつつも、随所で変更が見られます。
新劇場版の制作にあたり「現在の閉塞した日本アニメ界に新たなムーブメントを起こしたい」「この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした」との所信表明を、監督から総監督となった庵野さんが発表しました。
公開日:2009年6月27日
「序」ではそこまで大胆な変更はなく、忠実にテレビシリーズのエピソードをなぞる形で制作されていましたが、「破」からは様子が変わります。
新キャラクターである真希波・マリ・イラストリアスの登場を筆頭に、新しい使徒、新しいエヴァンゲリオンも登場。旧作からのファンを驚かせました。庵野さん自身もこれまでのエヴァを破壊することに躊躇したと語っています。
公開日:2012年11月17日
「破」でテレビシリーズ・旧劇場版のストーリーから大きく離れた、全く新しいエヴァを展開。前作から14年後の世界という設定は、上映直後にTwitterなどで出回り「ガセネタ」「嘘バレ」と勘違いすらされたほどです。
最終興行収入は52.6億円と発表。かつてはサブカルチャーだったエヴァが2012年の映画興行収入ランキングの4位を記録するという快挙となります。
スタジオジブリ制作の特撮短編映画『巨神兵東京に現わる 劇場版』と同時上映されたことも話題を呼びました。
公開日:未定
現在予告されている、新劇場版最後の作品……!
旧劇場版を見たことのない、若い視聴者も増えてきているといいます。おそらく最後のエヴァ作品になるであろう『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』上映前に、今回のテレビ放送で一度見直してみてはいかがでしょうか。
『不思議の海のナディア』で高い評価を得た庵野秀明さんを総監督として、多くの才能が集ったアニメスタジオ・GAINAXが生み出したアニメーション作品です。
1995年から放映された『新世紀エヴァンゲリオン』はこれまでのアニメーションの文脈や常識を覆すような急転直下な展開、宗教学を引用するなどの難解な設定、貞本義行さんのキャラクターデザインによるレイやアスカなどの魅力的なキャラクターで多くの人々を惹き付け、社会現象とまで呼ばれました。
テレビシリーズの放映からまもなく20年の月日が経とうとしている現在、「エヴァンゲリオン」はさらに幅広い層にリーチし、より強固な人気を確立しているといえます。なによりもまだ物語が終わっていないのがすごい。
そして、ついにこれまで地上波で放映されることのなかった旧劇場版の放映が行われるまでに至りました。
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3週連続『エヴァ新劇場版』放送! 旧劇2作も地上波初登場放映を記念し、改めて、それぞれの劇場作品について振り返ってみたいと思います。
旧劇場版
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
英題:Evangelion: Death and Rebirth公開日:1997年3月15日
最初の劇場作品。テレビシリーズで賛否を呼んだ第弐拾伍話、最終話をやり直す形として制作が行われました。
テレビシリーズの総集編的な役割を持つ「DEATH」と、劇場版第25話にあたる「Air」の前半部分までを収録した「REBIRTH」の二編からなります。
前半部分までしか上映されなかった理由は、制作が間に合わなかったため。上映一ヶ月前に監督の庵野さんが謝罪会見を行ったエピソードが有名です。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
英題:The End of Evangelion公開日:1997年7月19日
「REBIRTH」の完全版であると同時にテレビシリーズ第弐拾伍話のリメイクとしての「Air」と、完全新作のエピソードが第26話「まごころを、君に」がセットになって上映されました。
今作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結しました。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に
英題:REVIVAL OF EVANGELION公開日:1998年3月7日
『シト新生』の「DEATH」を監督の再編集した「DEATH (TRUE)²」と「Air」、「まごころを、君に」を繋げた作品です。オリジナルの「DEATH」編で制作された新作シーンの多くは再編集版でカットされてしまいましたが、DVDで増補された第弐拾壱話から第弐拾四話へと転用されています。
制作の進行が上手くいかず、つぎはぎなイメージのある旧劇場版の本来あるべきバージョンとなっています。現在販売されている旧劇場版のDVDは、この作品をデジタルリマスターしたものです(他は絶版)。
新劇場版
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
英題:EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.公開日:2007年9月1日
『シト新生』から10年、テレビシリーズ放映から12年の時を経て新たに制作された「エヴァ」。制作会社もGAINAXから庵野さん率いるスタジオ・カラーとなり、エヴァの表記も「ヱヴァンゲリヲン」に変更されています。
基本的なストーリーはTVシリーズを引き継ぎつつも、随所で変更が見られます。
新劇場版の制作にあたり「現在の閉塞した日本アニメ界に新たなムーブメントを起こしたい」「この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした」との所信表明を、監督から総監督となった庵野さんが発表しました。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
英題:EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE.公開日:2009年6月27日
「序」ではそこまで大胆な変更はなく、忠実にテレビシリーズのエピソードをなぞる形で制作されていましたが、「破」からは様子が変わります。
新キャラクターである真希波・マリ・イラストリアスの登場を筆頭に、新しい使徒、新しいエヴァンゲリオンも登場。旧作からのファンを驚かせました。庵野さん自身もこれまでのエヴァを破壊することに躊躇したと語っています。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
英題:EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO.公開日:2012年11月17日
「破」でテレビシリーズ・旧劇場版のストーリーから大きく離れた、全く新しいエヴァを展開。前作から14年後の世界という設定は、上映直後にTwitterなどで出回り「ガセネタ」「嘘バレ」と勘違いすらされたほどです。
最終興行収入は52.6億円と発表。かつてはサブカルチャーだったエヴァが2012年の映画興行収入ランキングの4位を記録するという快挙となります。
スタジオジブリ制作の特撮短編映画『巨神兵東京に現わる 劇場版』と同時上映されたことも話題を呼びました。
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
英題:EVANGELION:FINAL公開日:未定
現在予告されている、新劇場版最後の作品……!
旧劇場版を見たことのない、若い視聴者も増えてきているといいます。おそらく最後のエヴァ作品になるであろう『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』上映前に、今回のテレビ放送で一度見直してみてはいかがでしょうか。
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