2020年には「2.8次元アイドル」を打ち出した新章が始動。第1弾はヒゲドライバーさんが、そして第2弾はemonさんによるダンスナンバー「The Boon!」が公開された。
歌唱を担当するのは、声優の内田彩さん。プロジェクト自体にも深く関わっている映像作家の篠田利隆さんは、今作「The Boon!」のMV制作にあたって、「フォトグラメトリー」という手法を採用した。【大特報】新章アイマリンプロジェクト第2弾となる「The Boon!」MVがついに公開!
— 【公式】アイマリンプロジェクト@新曲「Ꭲhe BOON!」 (@iMarine_Project) December 16, 2020
歌唱:アイマリン(CV内田彩) @aya_uchida
作詞・作曲・編曲:emon(Tes.) @emon316
誰も見た事のないリアル×バーチャルの映像とサウンドに酔いしれろ。https://t.co/0kkpsJ2s0i pic.twitter.com/1y2ACtQu3i
篠田利隆さん、内田彩さん、emonさんという3人の座談会は、思わぬ方向からVRの可能性と拡張性に迫る議題に発展していく──。
記事最後には、内田彩さんのサイン色紙のプレゼント企画詳細も。
取材・文:草野虹 撮影:寺内暁
目次
1.アイマリンの新章は原点回帰?
2.「わたしの解釈と違う(笑)」
3.お披露目の場はコロナで…
4.無機性と有機性の融合
5.「フォトグラメトリー」技術とは?
6.「2.8次元アイドル」の定義
7.「VTuberさんがうらやましかった」
8.それぞれが語る、VRの可能性
9.内田彩の直筆サイン色紙プレゼント
「海物語」から生まれたアイマリン 新章は原点回帰?
──2015年に始動したアイマリンプロジェクトは、2020年から新章として新たにスタートを切り、第5弾まで続いたこれまでのプロジェクトともまったく異なった世界観です。2016年から参加している内田さんはどう受け止めていますか?内田 わたしは第3弾から声優として参加させてもらっていたのですが、そこから第5弾までのお話もシナリオ・設定・キャラクターデザインが違っていたので、新章になったからといって大きな差異があるとは思ってないんです。 内田 ただ、今まではどちらかというと明るい雰囲気で可愛らしさを感じました。新章のアイマリンプロジェクトは、ちょっとダークでカッコいい空気感があって、個人的にはそこが一番違うポイントかなと思ってますね。 篠田 企業がオタクカルチャーにかかわっているプロジェクトのなかでも大規模なプロジェクトで、しかもしっかり継続されていてクオリティも高い印象がありました。
ボーカロイド寄りのクリエイター陣がいらっしゃって、内田さんのような役者さんをきちっと立てていて、その上でキャラクターをしっかりとつくっていくというのは珍しいパターンだと思ったんです。このスタイルを新章でもちゃんと残して、新たな世界観をつくりたくて。この点はエグゼクティブプロデューサーの福井(章浩)さんとも話し合いながら決めていきました。 ──新章の設定や世界観は福井さんと篠田さんの話し合いから生まれていったんでしょうか?
篠田 アイマリンプロジェクトを立ち上げるときの一番最初の企画案を見せていただいて、アイマリンちゃんの「アイ」は、iPhoneの「i」や人工知能の「AI」、idolやicon、identity、imaginationからとっていたのを知りました。
当初はデータがキャラクターになるといった未来的なアイデアを打ち出さなかったそうですが、ここ最近、近未来モノが盛り上がっていて、僕個人としてもそういった世界観が好きだったのも大きいですね。
あと、昔のテクノや90年代のインターネットカルチャーでは、ネットにダイヴして、ネットの海を泳ぐ、というイメージがあって、ダイブしたイメージがイルカだったりしますよね? アイマリンちゃんは海のキャラクターなので、そういったネットのイメージとも合うよねと。それで、新章ではもともとの人工知能という設定を強めることになりました。
──原点回帰というか、立ち返ってみたんですね。
「わたしの解釈と違う(笑)」 それぞれの解釈で進化するアイマリン
内田 アイマリンちゃんってそういう意味だったんですね! わたしの解釈と違う!って驚いてます(笑)。──内田さんは「アイマリン」をどういう少女として受け止めてらっしゃいますか?
内田 アイマリンちゃんの「アイ」はアイコンのようなものだと感じていて、キャラクターとして新しくつくりたいのかな?と勝手に解釈していたんですよ。
篠田 なるほど(笑)。
内田 「海物語」のマリンちゃんから派生して、もうちょっとキャラクターらしさを際立たせようということで、わたしに話が舞い込んできたと思ってましたね。
篠田 アイマリンちゃんの「アイ」にはいろんな意味が含まれていると思っているので、内田さんのおっしゃるような側面もあったんじゃないかな?と思いますね。
emon AI的なニュアンスが含まれてたことについては、僕もぜんぜん考えてなかったですね。「そういう風に解釈するのか」とうなずいちゃいました。
内田 第3弾の時は演技や感情、より人間的な側面をプラスしたいのだろうと解釈していました。当時はボーカロイドが流行っていましたが、ボカロっぽく歌うんじゃなくて、ふんわりとした和みっぽくできればいいなと。
内田 第4弾の「DEEP BLUE SONG」はよりストーリーがあって、アニメMVパートとアニメドラマパートにそれぞれ分けられていて、本格的にキャラクターソングになったと感じました。街の人の設定も細かく、以前よりも等身が小さくなってより活発な女の子として描かれているんです。ウェンディ(CV:内田真礼)ちゃんやウーニィ(CV:佐倉綾音)ちゃんと一緒にお祭りの歌を唄って、ワチャワチャしているお話で。
──確かにイメージがガラッと変わっています…!
──おうかがいして感じるのは、その都度すごく考えながら演じてらっしゃったんだなと。
内田 名前と見た目は一緒だけども、各話ごとにかなりお話が違うので。でもプロジェクトとして「アイマリンちゃん」は同じだから……とか考え出したら止まらなかったので、「今回のアイマリンちゃんは、こう!」と完全に演じ分けるようにしました。
篠田 僕も前の章のことはあまり知らなかったので、内田さんのお話に聞き入ってました。
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