色濃い『宇宙の騎士テッカマンブレード』の影響
──80年代~90年代初期のアニメが好きということですが、本作の制作にあたって特に影響を受けている作品などはありますか?細川 学生時代に構想を練り始めたんですが、80年代っぽい作品を作るという以前に、『聖闘士星矢』のような装着変身ヒーローアニメを再興したいという気持ちが念頭にありました。
構想を練り始めた当初は『宇宙の騎士テッカマンブレード』にどハマりしてた時期なので、同作にはかなり影響を受けてます。
赤い鎧を身に着けて“合体可能な双剣”を武器にしている点をはじめ、非常に色濃く影響を受けてます。
『天空戦記シュラト』『スーパービックリマン』を参考に
──個人的には『聖闘士星矢』『超音戦士ボーグマン』がフラッシュバックしました。自分にとっての大学時代の思い出のタイトルって
— ほそかわ(ジリ) (@zilli_san) June 11, 2018
テッカマンブレード、シュラト、トランスフォーマー、マビノギ、フタエノキワミアッー!、末期にテイルズシリーズ少々…て感じかしら。この辺のタイトルに触れると懐かしい一方でアンニュイな気持ちになる…
細川 『聖闘士星矢』と同年代の同様のジャンルでいうと、大学生のときに『天空戦記シュラト』もよく見ていたので参考にしてました。
自分のキャラが皆スカートアーマーを履いてるのは、『天空戦記シュラト』を参考にした影響です。
主人公が双剣、準主役が大剣、水中戦に強いキャラクターがいる、といった力関係は『サムライトルーパー』も多少参考にしてます。
あと、『超音戦士ボーグマン』に似てるって意見はリプでもいただきました。
実を言うと、次回予告の冒頭でキャラクターが腕を構えて画面を撃つシーンは、『超音戦士ボーグマン』2期OPのあるカットを参考にさせてもらいました。 細川 『聖闘士星矢』のようなファンタジー色の強い装着ものも好きなんですが、小さい頃に特撮のメタルヒーローが好きだったのもあって、SF系の装着変身ヒーローも大好きなんですよね。
『古代戦殻ジェノサイダー』のプロトタイプにあたる『特装司令レギオス』はそういったSF系変身ヒーローものでした。
つくりこまれた設定の数々
細川 2019年に公開した暫定版が第4話なんですが、公開時点で多少未完成な部分が残っていたので、「後の放送で未完成な部分がブラッシュアップされた」ということで22話になっています。
ちなみに次回予告(23話)の内容が「敵キャラが主人公みたいなパワーアップをしてしまう」というエピソードなんですが、この1~2話後に関東大震災が発生するエピソードがあって。
次回予告でパワーアップするキャラを含め、敵キャラの内の何人かが主人公サイドに寝返ります。 細川 その後、敵の本拠地であるエジプトへ旅立つ……というところで4クールの内2クールが終わる、という流れを想定してます。
ただそれだと主人公サイドのキャラクターが増えすぎるし、構成的に「それでいいのか」と引っかかる部分も多いんですが。
「10年近い歳月をかけてつくる価値があったのか?」
──そうした細かな設定もそうですが、クレジット、提供、ニュース速報、CM、画面のざらつきなどなど、随所にこだわりを感じます。なかでも特にこだわった点は何ですか?細川 最大の苦労は中身のアニメ映像をつくることでしたが、やっぱり80年代特有の“ワカメ影”と言われる粗い金属表現のような影の付け方でしょうか。
鎧を身に着けてるシーンは線が多く作画が大変でしたが、キャラクターが動くごとにワカメ状の影とハイライトが連動して動くように頑張って描きました。 ──こだわりにこだわった作品を完全公開するまで約10年、途中クラウドファンディングなども実施されたとのことですが、完成したいまどのような思いですか?
細川 昨年4月に暫定版を公開した時はここまで話題にならず「現実はやっぱりこんなもんか~」と多少ガックリしていたので、今回は期待したくらいの反響があって嬉しい一方で、ホッとしています。
細川 あとはこの作品が自分に良い結果をもたらしてくれるかどうか、というところですね。9年10カ月作り続けていた自主制作アニメ遂に完成しました「古代戦殻ジェノサイダー 完全版」です。80年代末に放映していたもののその後幻となっていたテレビアニメのOPEDとCMを録画したビデオが発掘されました。な設定です。
— ほそかわ(ジリ) (@zilli_san) September 1, 2020
(フル版は5分、以下スレッドにURL記載してます
pic.twitter.com/3FamWBW4Q4
「10年近い歳月をかけてつくる価値があったのか?」という──これがハッキリするのはもう少し先だと思います。1年後には「こんなんつくらないで別の人生を歩んでいたほうが……」と思ってるかも知れません。
よく冗談めかして周囲に話してますが、この作品をつくるのに20代を棒に振ったような気もしています。製作開始当初は「1年でつくり上げる!」なんて意気込んでたんで、あの頃の人生設計も水の泡ですし。
せめてあと3~4年早く出来上がってたら……なんてこともしょっちゅう思います。 ──9年前のご自身に言葉をかけるとしたら、どんな一言が思い浮かびますか?
細川 「完成にあと9年かかるぞ」と教えたらその場でやめてしまいそうですが、もしいまから良いことに繋がってくれれば「それでも頑張れ」と続けて声をかけられますね。
──本当にお疲れさまでした。では最後に、視聴者やファンの方々に何か一言いただけますか?
細川 いかんせん褒められることに慣れていない身なので、暖かい言葉や肯定的な反応をいただくたびに「ありがとうございます!」とばかり返してます。
本当に「ありがとうございます!」という思いでいっぱいです。
つくる人の情熱
2
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント