日本一の高校生ラッパーをMCバトルで決める大会「BS スカパー! BAZOOKA!!!第14回高校生RAP選手権 in NAGOYA」が8月31日にZepp 名古屋で開催された。
これまでT-Pablowさんや裂固さんをはじめ、現在第一線で活躍する若手ラッパーの多くが出場してきた本大会。
初出場者が半数以上をしめる混戦が続いた中で、優勝したのは4回目の出場となる大阪のラッパー・HARDYさんだった。
HARDYさんは、第12回大会より優勝候補と言われながら同大会では優勝したCore-Boyさんに初戦敗退、最後の大会にすると宣言した第13回大会では決勝でG-HOPEさんに破れるという悔しい思いを経験してきた。
試合前の紹介VTRでは、大会後に家のテレビで高校生RAP選手権を見て「出場しなかったことへの後悔をしないように」と、チャレンジに踏み切った経緯を語っていた。
4度目の正直で初優勝を飾ったHARDYさん。今大会の勝敗を分けたポイントをはじめ、MCバトルシーンの今後や自身の展望についてなど、大会後のインタビューで語ってもらった。
取材・文:山下智也
HARDY 負けた分の喜びがあります。出場が決まった時にいつも遊んでいる友達や家族から何回も「お前は優勝する」って言われてました。
だけど、中にはケツを叩いてくれる人がいて「このままではあかんぞ、また負けるぞ」と言ってもらい、それも僕はプラスに考えてました。
今回、「優勝します」とは言わずに「今日は勝ってきます」という話を全員にして来たんですが、その結果が優勝だと思うので嬉しいです。
──過去3回と比較して、今大会は勝ち上がるのが難しかったですか?
HARDY 難しくはなかったんですけど、心のどこかで「4回目で負けたら(過去に何度かこれで出場するの最後にしますと言いながら)言っていることめちゃくちゃだな」と思ってました。
やっぱり1番気合いが入ったというか、本当に今回で優勝して最後にすると決めていたので、背水の陣でしたね。 ──今大会、初出場のラッパーが半数以上を占めてましたが、大会前からマークしていたラッパーはいましたか?
HARDY 1回戦目のRAGAくんは、僕が大阪でレギュラー出演している韻踏合組合が主催するイベント・ENTERで何回か一緒になって、挨拶もしていたので顔見知りでした。
それでトーナメントの発表みたら、RAGAくんがいたので嬉しくなりましたね。しかもまさか今日1回戦で当たるって……(笑)。
もちろん手加減するよりかは本気でやろうと思って、とりあえず言いたいことだけは言いました。
2回戦で戦ったLocoくんは、情報が全くなかったですが、キャラも面白かったしバトルも楽しかった。準決勝のOno-Dくんは、初出場とは思えないぐらい攻めてきたんで、逆に「おー」って僕もテンションが上がっちゃいました。
今日当たったMCはみんな、僕の背中を押してくれた感じです。超ポジティブにやってましたよ。
──初戦から勢いある中でも落ち着いてるように見えたんですけど、トーナメントの中で「これ優勝できるかもな」って思ったタイミングって具体的にありましたか?
HARDY 準決勝のOno-Dに勝ったときですね。やっぱりそこまで安心できなくて……。
あの試合で勝った時点で、今日は優勝しないとダメだなって思いましたね。
──Ono-Dさんは初出場で準決勝まで上がってきて勢いがありました。やりづらかったですか?
HARDY 彼とは同じ世代というのもあって、東京に行った時も話したことがあって。実は会うのは3回目ぐらいです。
バトルは初対決だったんですが、どちらかというとライブセッションみたいにできて楽しかったですね。 ──決勝のRed Eyeさんとの試合を振り返っていかがでしたか? Red Eyeさんも近年の大会で頭角を現した注目のMCですし、ラップスキルは秀逸だったと思いました。
HARDY 僕の1個下なんですけど、年齢関係なく落ち着いてるラップで、綺麗にレゲエを取り入れてきて、それにも喰らいました。
僕も延長に入る前の3バース目で落としきれなかったところがあったんで「延長なるかな」と感じてました。延長1回で決着ついたのは良かったですけど、最後まで勝ち負けはあんまり分からなかったですね。強かったです。
──勝敗を分けたのは何だと思いますか?
HARDY 気合の入れ方じゃないですか。気持ちがバイブスに変わって、リリック、フロウ、テンションの全部が、最高の頂点に達したのが良かったです。
──前回大会の決勝でも飛び出した「ラップをするのは明日の為」というパンチラインも繰り出しましたが、自然に降りてきましたか?
HARDY そうですね、あれは自然に出てきちゃいました。
今日と今日を生き繋いでるわけじゃなくて、明日というか次の自分のためにラップしてるようなものなので。前回より強い気持ちで言えたかなと思います。
──念願の優勝を果たしましたが、次の目標はありますか?
HARDY この結果が、プラスになるかマイナスになるかは僕の次の行動次第です。
それを理解してる分、うまく活用していきたい──選手権に出たラッパーは何かと言われがちですが、それは選手権に出た奴らがダサいんじゃなくて、選手権に出た後の行動がダサい人たちが多いからだと思います。
だけど、今日審査員していたT-Pablowさんが大きい存在になってるのを見て、僕も「あいつも昔は選手権に出て優勝した」って言われるぐらいの存在にはなりたいと思いましたね。 ──最後にMCバトルシーンについて。2015年頃よりMCバトルやフリースタイルの大きなブームが続いて、長い時間が経っています。現在は少しこのシーンも落ち着いてきたような印象を受けます。HARDYさんはどう考えていますか?
HARDY 波があるということは飽きもくるので。リスナーがバトルだけを見てるから飽きがくるんだと思うんですよ。
僕も大きな口叩けないですけど、会う人から「バトル見ました」「あのバトル好きです」ってよく言われます。だけど「ライブが好きです」って言われるのは大阪だけなんですよね。
だから、もっとお客さんが現場に足を運んで色んなアーティストの曲やバトル、どちらも応援するべきで。両方へのリスペクトがあったら、今後もバトルシーンは廃れることはないと思います。
(c)BSスカパー!BAZOOKA!!!第14回高校生RAP選手権in NAGOYA
これまでT-Pablowさんや裂固さんをはじめ、現在第一線で活躍する若手ラッパーの多くが出場してきた本大会。
初出場者が半数以上をしめる混戦が続いた中で、優勝したのは4回目の出場となる大阪のラッパー・HARDYさんだった。
HARDYさんは、第12回大会より優勝候補と言われながら同大会では優勝したCore-Boyさんに初戦敗退、最後の大会にすると宣言した第13回大会では決勝でG-HOPEさんに破れるという悔しい思いを経験してきた。
試合前の紹介VTRでは、大会後に家のテレビで高校生RAP選手権を見て「出場しなかったことへの後悔をしないように」と、チャレンジに踏み切った経緯を語っていた。
4度目の正直で初優勝を飾ったHARDYさん。今大会の勝敗を分けたポイントをはじめ、MCバトルシーンの今後や自身の展望についてなど、大会後のインタビューで語ってもらった。
取材・文:山下智也
Ono-Dに勝ったときに優勝しないとダメだと思った
──4回目の出場にして初の優勝ですが、今の率直な気持ちはいかがでしょうか?HARDY 負けた分の喜びがあります。出場が決まった時にいつも遊んでいる友達や家族から何回も「お前は優勝する」って言われてました。
だけど、中にはケツを叩いてくれる人がいて「このままではあかんぞ、また負けるぞ」と言ってもらい、それも僕はプラスに考えてました。
今回、「優勝します」とは言わずに「今日は勝ってきます」という話を全員にして来たんですが、その結果が優勝だと思うので嬉しいです。
──過去3回と比較して、今大会は勝ち上がるのが難しかったですか?
HARDY 難しくはなかったんですけど、心のどこかで「4回目で負けたら(過去に何度かこれで出場するの最後にしますと言いながら)言っていることめちゃくちゃだな」と思ってました。
やっぱり1番気合いが入ったというか、本当に今回で優勝して最後にすると決めていたので、背水の陣でしたね。 ──今大会、初出場のラッパーが半数以上を占めてましたが、大会前からマークしていたラッパーはいましたか?
HARDY 1回戦目のRAGAくんは、僕が大阪でレギュラー出演している韻踏合組合が主催するイベント・ENTERで何回か一緒になって、挨拶もしていたので顔見知りでした。
それでトーナメントの発表みたら、RAGAくんがいたので嬉しくなりましたね。しかもまさか今日1回戦で当たるって……(笑)。
もちろん手加減するよりかは本気でやろうと思って、とりあえず言いたいことだけは言いました。
2回戦で戦ったLocoくんは、情報が全くなかったですが、キャラも面白かったしバトルも楽しかった。準決勝のOno-Dくんは、初出場とは思えないぐらい攻めてきたんで、逆に「おー」って僕もテンションが上がっちゃいました。
今日当たったMCはみんな、僕の背中を押してくれた感じです。超ポジティブにやってましたよ。
──初戦から勢いある中でも落ち着いてるように見えたんですけど、トーナメントの中で「これ優勝できるかもな」って思ったタイミングって具体的にありましたか?
HARDY 準決勝のOno-Dに勝ったときですね。やっぱりそこまで安心できなくて……。
あの試合で勝った時点で、今日は優勝しないとダメだなって思いましたね。
──Ono-Dさんは初出場で準決勝まで上がってきて勢いがありました。やりづらかったですか?
HARDY 彼とは同じ世代というのもあって、東京に行った時も話したことがあって。実は会うのは3回目ぐらいです。
バトルは初対決だったんですが、どちらかというとライブセッションみたいにできて楽しかったですね。 ──決勝のRed Eyeさんとの試合を振り返っていかがでしたか? Red Eyeさんも近年の大会で頭角を現した注目のMCですし、ラップスキルは秀逸だったと思いました。
HARDY 僕の1個下なんですけど、年齢関係なく落ち着いてるラップで、綺麗にレゲエを取り入れてきて、それにも喰らいました。
僕も延長に入る前の3バース目で落としきれなかったところがあったんで「延長なるかな」と感じてました。延長1回で決着ついたのは良かったですけど、最後まで勝ち負けはあんまり分からなかったですね。強かったです。
──勝敗を分けたのは何だと思いますか?
HARDY 気合の入れ方じゃないですか。気持ちがバイブスに変わって、リリック、フロウ、テンションの全部が、最高の頂点に達したのが良かったです。
──前回大会の決勝でも飛び出した「ラップをするのは明日の為」というパンチラインも繰り出しましたが、自然に降りてきましたか?
HARDY そうですね、あれは自然に出てきちゃいました。
今日と今日を生き繋いでるわけじゃなくて、明日というか次の自分のためにラップしてるようなものなので。前回より強い気持ちで言えたかなと思います。
──念願の優勝を果たしましたが、次の目標はありますか?
HARDY この結果が、プラスになるかマイナスになるかは僕の次の行動次第です。
それを理解してる分、うまく活用していきたい──選手権に出たラッパーは何かと言われがちですが、それは選手権に出た奴らがダサいんじゃなくて、選手権に出た後の行動がダサい人たちが多いからだと思います。
だけど、今日審査員していたT-Pablowさんが大きい存在になってるのを見て、僕も「あいつも昔は選手権に出て優勝した」って言われるぐらいの存在にはなりたいと思いましたね。 ──最後にMCバトルシーンについて。2015年頃よりMCバトルやフリースタイルの大きなブームが続いて、長い時間が経っています。現在は少しこのシーンも落ち着いてきたような印象を受けます。HARDYさんはどう考えていますか?
HARDY 波があるということは飽きもくるので。リスナーがバトルだけを見てるから飽きがくるんだと思うんですよ。
僕も大きな口叩けないですけど、会う人から「バトル見ました」「あのバトル好きです」ってよく言われます。だけど「ライブが好きです」って言われるのは大阪だけなんですよね。
だから、もっとお客さんが現場に足を運んで色んなアーティストの曲やバトル、どちらも応援するべきで。両方へのリスペクトがあったら、今後もバトルシーンは廃れることはないと思います。
(c)BSスカパー!BAZOOKA!!!第14回高校生RAP選手権in NAGOYA
高校生RAP選手権、過去大会も追えてる?
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