出会いを求める男子と非日常を求める女子
「普段はナンパできないけどハロウィンならできる」「可愛い子と知り合いになりたい」「ワンチャン!」と、女性との出会いを求めて渋谷へやってくる男性が多い一方で、取材させていただいた10代〜20代女子の30組中、出会いに期待していると答えた女性は1人もいなかった。 彼女たちはそもそもイケメンがいるとも思ってないし、ナンパされたいとも思ってない。ただ、渋谷という多くの人にとってのメインストリームで、知らない人にフランクに声をかけ、一緒に写真を撮り、盛り上がり、ハイタッチし、時にはその場で意気投合して友達にもなれる。普段の渋谷、日本では見ることができない、この非日常的な体験を求めて渋谷へやってきているようだった。 そのためか、女性は男性に比べて仮装のクオリティが圧倒的に高い。純粋に「盛り上がりたい」「目立ちたい」という思いから、仮装やメイクに力を入れる。先ほど仮装にかける金額は3,000円〜4,000円と紹介したが、彼女たちは購入した仮装セットに+αで私物のアイテムを使ってアレンジを施す。
その一方であくまで女性とのコミュニケーションが最優先だからなのか男性の仮装レベルは低く、仮装レベルが低いと一緒に写真を撮りたいと思われないので、女性も寄ってこないし、声をかけてもスルーされることが多い。
今流行りの『DEATH NOTE』のLや半端ないクオリティのゾンビ、バットマンやジョーカーといった仮装をしている男性の周りには、とんでもない数の女性が次々と自分から写真を撮ろうと声をかけ、大きな輪ができていることもあった。 男子は出会いを求めやってくる、女子は非日常的な体験を求めてやってくる。ハロウィンに対する男女の価値観の違いが感じられた2016年ハロウィンであった。
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日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。
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