2015年12月にリリースされたアルバム『色あはせ』には、音楽家/文筆家の菊地成孔さんや、演出家/映画監督の堤幸彦さんらが大絶賛のコメントを寄せている。
そんな彼らが定期的に開催しているのが、ライブハウスではないところで開催するがゆえに、観客への「注文の多い演奏会」であるらしい。
日本の童謡や唱歌を斬新にアレンジするキヲク座
「かごめかごめ」や「ほたるこい」といった誰もがよく知っている日本の童謡を、オシャレでかっこよく、ポストロックやプログレ風に、時にはアフロポリにアレンジし、後世へと歌い継いでいくことを目標としている。
1月15日に放送された菊地成孔さんのラジオ番組「菊地成孔の粋な夜電波」で紹介されたことをきっかけに、彼らは一気にTwitterで話題となった。
菊地さんは、「日本人が日本の童謡を演って、嫌な気にさせなかった、唯一の作品です」とキヲク座の「色あはせ」を紹介し、
と大絶賛。番組内で流れたファンクアレンジの「ほたるこい」についても、「確かにこれ良い」「かっこいいね」「他の曲も気になる」など、視聴者から多数の反響ツイートが寄せられた。「アレンジが凝ってるからいい。」とか、そんなシンプルヘッドじゃなくて、とにかく全体のヴァイヴスがめちゃめちゃいいです。その中で非常にクオリティも高いです。お薦めしますね、これ。「菊地成孔の粋な夜電波」菊地成孔さんの発言
アルバムの特設ページでは、菊地成孔さんのコメントが紹介されているほか、「TRICK」シリーズや『ケイゾク』、最近では『刑事バレリーノ』や、『真田十勇士』の映画公開も楽しみな堤幸彦監督も「なんだろう、この透明感は。…まるで耳が待っていた帯域にスネークインする音。」と評している。
さらには、1月21日にはJ-WAVEの番組「BEAT PLANET」でも「待ちぼうけ」がオンエアされ、こちらも「衝撃のスタイリッシュ待ちぼうけ」「ホントに素敵〜」といったさまざまな反響が。
このほかにも、YouTubeで公開されているアルバムの試聴映像についても、多くのツイートが寄せられている。
ライブイベント「注文の多い演奏会」とは?
そんな彼らが、2月6日(土)にライブイベント「第3回 注文の多い演奏会 ふゆのおくりもの編」を開催する。会場は、高円寺駅の北口から徒歩5分にあるハンドメイド雑貨とギャラリーのお店「キャナウ・フォレスト」。
昨今のペットブームもあってか、ネコやトリなどの動物をモチーフにしたり、オリジナルデザインなどで人気のハンドメイド雑貨のほか、東欧の絵本や高円寺らしい雑誌が並ぶ。また、さまざまなテーマでの展示やワークショップも行われている、木の雰囲気が漂う居心地の良い空間だ。
そんな明らかにライブハウスではないお店で開催される「注文の多い演奏会」とは、一体どういうものだろうか。キヲク座の公式Webサイトを見てみると、この演奏会についてのページがある。
イベント名からもわかるように、宮沢賢治さんの作品『注文の多い料理店』へのオマージュということなのだろう。お席によって見え方が異なります。...身長の高い方や頭の大きな方は後方へお移りいただく場合がございます。大きな帽子や横幅の広いお洋服はご遠慮願います。キヲク座 公式Webサイトより
「横幅の広いお洋服」ってなんだ!? と思うが、いろいろな作品が並び、ましてやステージもなく、そもそもライブハウスとしてつくられた場所ではないお店でライブをするということで、見に来る人たちへの配慮から、このように書いているようだ。
ちなみに、こちらの演奏会のチケットは1,500円で、500円の雑貨チケット付きとのこと。演奏とともにお店の雑貨もお買い物できて、とてもお得な気がする。 今ではインターネットで気軽に音楽も聴けるし、ライブ映像も見られるようになったが、それでもライブにはライブでしか聴けない「音」がある。
ミュージシャンが演奏するためのさまざまな機材、観客に楽しんでもらうためのステージ、照明、大きなスピーカーなど、ライブでしか楽しめないものに特化しはじめるミュージシャンやライブハウスも増えてきていると思う。
ライブでしか楽しめないものをいろいろな形でアーティストが模索し、提案してゆく流れのなかで、この「注文の多い演奏会」はとてもコンセプチュアルに、筆者の目を惹いたのだ。
アルバム『色あはせ』は売り切れ必至
↓こちらのアルバム在庫切れとなっております>_<足元悪い中お越し頂いた皆様申し訳ありません。入荷しましたらお知らせ致します。 https://t.co/I69ZGBgeaP
— ca*n*ow -キャナウ- (@canow_news) January 18, 2016
ただいま下北沢オトノマドさんでは「色あはせ」売り切れとなったようです!
再入荷いただき次第、またこちらでもお知らせいたします。しばらくお待ちくださいませ。
— キヲク座「色あはせ」 (@kiwokuza) January 25, 2016
日本の童謡を現代音楽にアレンジするという、時代と逆行するようでとても新しく感じられるのは、その音楽だけでなく、ミュージシャンとしてのスタイルやスタンスもかもしれない。CDの「注文」も「多い演奏会」になると良いと思う。
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イベント情報
第3回 注文の多い演奏会 ふゆのおくりもの編
- 日時
- 2016年2月6日(土)開場:18:45 開演:19:00
- 会場
- ca*n*ow FOREST
- 東京都杉並区高円寺北2-3-15 オフィスアイ101
- 料金
- ¥1,500(演奏会と雑貨チケット500円分)
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