講談社が、漫画『はたらく細胞』の著者・清水茜さんによる同作連載中の監修体制や当時の担当編集者の対応に関する告発を受け、謝罪の声明を公開した。
清水茜さんは自身のXで、連載開始時期に説明されていた医療関係の監修を受けられないまま本作が刊行されていたことや、担当編集から人格を否定するような言葉を投げかけられていたことなどを告発。
それにより、描写の正確性について読者から批判を受けていたことや、連載期間中にうつ病を発症したことを吐露していた。
講談社は、今回の声明で清水茜さんの指摘を認め「編集部における管理体制の不備、および不適切な対応により、清水先生に多大なるご負担とご心痛をおかけいたしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
シリーズ累計発行部数1000万部を誇るヒット作『はたらく細胞』
『はたらく細胞』は、講談社の漫画誌『月刊少年シリウス』で連載されていた清水茜さんのデビュー作。
擬人化された細胞を軸に、体内で起こる反応や病気をストーリー仕立てで紹介するという内容になっている。
アニメ化や実写映画化に加え、原田重光さん、初嘉屋一生さんによるスピンオフ漫画『はたらく細胞 BLACK』も制作されるなど、大々的にメディアミックスを展開。シリーズの累計発行部数は1000万部を超えるヒット作だ。
作者が『はたらく細胞』連載時に適切な監修を受けられなかったと告発
清水茜さんの告発によると、本作の連載開始前後の時点で、担当編集からは「医療監修が入る」という説明がされていたという。
しかし、単行本第一巻の刊行時には監修者の名前がクレジットされておらず、内容としても誤りがある状態で作品が流通。読者からは内容の不正確さを問う声が寄せられてしまっていた。
また制作体制についても、編集部からアシスタントの紹介を受けることができず、自身で専門学校の同期生複数名を採用することに。その結果、一部アシスタントが作業を拒否するなどの状況に陥り、編集部へプロアシスタントの募集を要請していたとされている。
連載中に改善を複数回要請するも、サポートを受けられず
清水茜さんは連載中、複数回にわたって監修とプロアシスタントの募集を要請。しかし、プロではなく漫画家志望の新人を紹介されるなど、満足のいくサポートは得られなかったという。
また、それらのやり取りの中で担当編集より人格を否定するような言葉を投げかけられていたことも告白。
清水茜さんは連載期間中にうつ病を発症し、最終的には心労によって連載終了を決断することになったとしている。
2021年に連載が終了してからも、 スピンオフ作品で「原作 清水茜」というクレジット表記が「協力:清水プロダクション」に無断で変更されていたほか、書籍 『はたらく細胞図鑑』(2019年発行)で清水茜さんの名義が削除されていたことが発覚したと明かしている。
清水茜さんは2025年に、講談社の別の漫画誌『good!アフタヌーン』へ短編『イエローフレイム』を掲載。現在の担当編集とは良好な関係を築いていると投稿している。
『イエローフレイム(上)』/画像はAmazonから
加えて、過去の件についても講談社と協議中であり、現在はスピンオフや新企画についても全て確認し、了承・納得したうえで制作を進めていると明言している。
講談社は告発内容を認め、謝罪へ
清水茜さんの告発を受け、講談社は7月3日(金)付けで「【お詫び】 清水茜先生による X でのご投稿について」と題した声明を発表。
指摘については「連載期間中、清水先生より環境改善に関するご要望を複数回いただいていたにもかかわらず、『医療監修体制の整備』や『然るべき作画環境(アシスタント手配等)の構築』を適切に履行することができませんでした」と認めている。
告発の対象となっていた編集者については「既に清水先生の担当を外れておりますが、本件は編集部の管理・監督体制の問題であり、弊社ならびに編集部としても重く受け止めております」と説明。
現状については「弊社関係部署を交え、先生との間で過去の経緯の清算に向けた誠実な協議を継続しております」「現在の清水先生のサポート体制や新企画の進行におきましては、先生のご意向を最優先に尊重した良好な環境を構築できていることを確認しております」としている。
「このたびは、清水茜先生をはじめ、読者の皆様、関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」として、声明は締めくくられている。
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