beesにおける“チーム”のつくり方 副代表のをかによるメンバー紹介
組織面でもう一つ強調しておきたい点があります。それは、beesはいわゆる友人同士で立ち上げた会社ではなく、作品制作や仕事の現場を通じて出会ったメンバーが、その延長線上で集まっているという点です。
メンバーそれぞれがすでに制作現場で役割を持っていて、その強みや能力がはっきりしている状態でチームになっているため、組織としての機能も自然と整理されていきました。
「誰が何を担うのか?」が明確であることは、チーム構築においてとても重要です。役割が曖昧なままでは、どうしても判断や責任の所在がぼやけてしまいます。
その点で、beesは「人が集まってから役割を決める」のではなく「役割を持った人たちが集まっている」という構造です。結果として、それぞれの専門性を活かしながら、チームとしての意思決定や制作の流れもスムーズに機能していると感じています。
とはいえ、集まったメンバーは最初から決まっていたわけでなく、のをかや私たちが作品を制作する中で“足りないピース”を探して声をかけていった結果、今のメンバーになっています。
メンバーそれぞれのスカウトの決め手になったものは何か──これに関しては、のをか本人の言葉で紹介した方がいいと思います。彼は、beesのメンバーについて、次のように語っています。
・JDGE
JDGEさん
JDGEさん
肩書き:色彩設計/美術設定/背景美術/アニメーター
これらの役割のほかにも、プロップデザイン、グラフィックデザイン、3DCGなどなど……。あらゆるセクションから作品の力になれる彼を、持て余す現場は存在しない。特にアニメーションをつくる上で、色はとても重要な要素だ。最近は美術監督としても活躍している、真のマルチクリエイターだ。
・HuMuu
HuMuuさん
HuMuu(はむー)さん
肩書き:アドバイザー/演出/アニメーター
卓越した作画力を持つアニメーターでありながら、ワークフローやチーム運営について常に鋭い意見をくれるbeesのブレインの1人。若くして新人育成に強い関心があり、周囲の原石を見出し磨く彼の試みは、すでに各現場で実りつつある。
・my0nruri、ひがしの、絹谷ゆたか
my0nruriさん、ひがしのさん、絹谷ゆたかさん
my0nruri(ミョンルリ)さん、ひがしのさん、絹谷ゆたかさん
肩書き:キャラクターデザイン/作画監督/アニメーター
アニメーションにおけるキャラクターデザインという役職は、イラストやゲームのそれとは少し意味合いが異なる。ゼロからキャラクターを生み出すこともあるが、版権案件の場合はすでにあるキャラクターをアニメの仕様に落とし込みつつ、いい絵に起こす。また動きが成立するデッサンの整合性も必要だ。個性と技術、表現力。いずれも高い水準で両立している方々だ。
・ういう、しまうま、ネコウヤ、わんたん、もふじろ〜。、8root5
上段左からういうさん、しまうまさん、ネコウヤさん。下段左からわんたんさん、もふじろ〜。さん、8root5さん
ういうさん、しまうまさん、ネコウヤさん、わんたんさん、もふじろ〜。さん、8root5さん
肩書き:アニメーター
減点方式のセクションも多い中で、原画は加点方式だと考えている。現場のアニメーターのレベルは、そのアニメが到達できるクオリティの閾値を決めると言っていい。またアニメーターの中にも、アクション、芝居、原図、絵の良さなどあらゆる武器の種類が存在し、beesのアニメーターは皆各々の光る武器を持ち合わせた、フィルムを上振れさせる優秀な人材だ。
・上甲愛士、みずみ
上甲愛士さん、みずみさん
上甲愛士さん、みずみさん
肩書き:撮影/CG
あらゆる素材を束ねて一本の映像に仕上げる。全てのセクションからバトンを託され、フィルムの最後を担う。それが撮影だ。プログラミングや3DCGなどの手札の幅も含め、人によって全くやり方が異なるのも面白いセクションだ。確かな技術と手札を持った、信頼できる2人にいつも助けられている。
・ふな、東洋
ふなさん、東洋さん
ふなさん、東洋さん、佐藤さん
肩書き:制作進行、庶務
作品を完成させるのは監督でもアニメーターでもなく、制作進行だ。たくさんのデータが行き交うアニメ現場で全てを管理し、クリエイターがよりクリエイティブに集中するための現場づくりを行う。彼らがいるおかげでbeesの作品が生まれている。
・G子
G子さん
G子さん
肩書き:アニメーション作家
この会社自体が文化となっていく未来のため、僕以外の強力な監督も必要と考えた。G子さんとなら、商業アニメ的な路線に近づきつつある僕とはまた別の方向で、あらゆるマテリアルやアプローチを横断してチーム制作の可能性が模索できる。すでにbeesメンバーと素晴らしい作品をいくつも制作しており、襟を正す思いだ。
・猫山桜梨
猫山桜梨さん
猫山桜梨さん
肩書き:イラストレーター/キャラクターデザイナー
猫山桜梨さんは、beesがアニメーション事業をはじめる前からYAMAADさんと一緒にお仕事をされていたイラストレーター。いつも高密度な描写で静謐な世界観を構築してくれる。
こうしてそれぞれが役割を持ったメンバーが集まることで、beesのチームは少しずつ形になっていきました。
beesという組織のビジョン 場所を、チームを、持続させること
beesという組織が目指しているものは、シンプルに言うと「チームで作品をつくり続けられる状態」を維持・発展していくことだと思っています。
アニメーション制作は、個人の才能に大きく依存する領域ですが、同時にチームでしか到達できない表現も確実にあります。
ただ、そのチーム制作を持続可能な形で回せているケースは、まだ多くはないと感じています。私たちのバックボーンにあるインディーアニメのシーンでも、作品の完成後にチームは解散、というケースも少なくありません。チームの意向として解散する場合もあれば、やむを得ない事情で解散を決断するケースもあるでしょう。
だからこそ、作品ごとに最適なチームを構築しながら、それを継続的に回せる組織をつくることが重要だと考えています。
beesではチームとしての持続性を意識しています
beesでは、固定された組織というよりも、作品に応じて中心となるメンバーのポジションを変えてチームを組み替える形を取っています。その一方で、各セクションにおいてディレクションをつかさどるポジションは、社内に持つことも重視しています。
外部の優れたクリエイターと協力しながら、社内にも制作ラインやノウハウを蓄積していく。両方を両立させることが、スタジオとしての強さになると考えています。
また、制作環境の設計という意味では、今後さらに改善していく必要があると思っています。スケジュールの設計や制作フロー、チームの組み方など、まだ試行錯誤している部分も多いです。
ただ、それも含めて「スタジオをつくる」というプロセスだと思っています。
短期的には、より安定してチーム制作が回る状態をつくること。中長期的には、より大きな作品や新しい形式の作品にも挑戦できる体制を整えること。その両方を同時に進めていきたいと考えています。
江ノ島に事務所を構えたのも、その延長線にある選択でした。場所を持つこと、チームを持つこと、そしてそれを持続させること──そのすべてを含めて、beesというスタジオをつくっていきたいと思っています。
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