アニメ「攻殻機動隊」草薙素子役で知られ、8月に急逝した声優・田中敦子さん(享年61)を偲ぶ追悼展が、出身地の群馬県前橋市で開催される。
場所は、JR前橋駅前の複合型ビル・アクエル前橋内にあるヒストリア前橋。期間は本人の誕生日である11月14日(木)から。入場料は無料。
田中敦子さんは、同施設で上映される映像作品でナレーションを担当。追悼展では、声優としての活躍に加え、地域貢献活動なども紹介される。
田中敦子、少佐を筆頭にアニメや吹き替えで存在感
田中敦子さんは、11月14日生まれ、群馬県前橋市出身。多くの洋画や海外ドラマで吹き替えを担当しており、特にニコール・キッドマンさんの出演作品で知られている。
アニメ「攻殻機動隊」シリーズにおける公安9課のリーダー“少佐”こと草薙素子役が代表作。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』などで、作品を象徴する存在を演じてきた。
ほかにも、『ジョジョの奇妙な冒険』リサリサ、『名探偵コナン』メアリー・世良、『呪術廻戦』花御、『葬送のフリーレン』フランメ、『アイドルマスター シンデレラガールズ』美城常務、『劇場版 BAYONETTA BLOODYFATE』ベヨネッタなどを担当。
強く艶やかな低音の声色で、様々なキャラクターを演じ、アニメーション作品を中心に存在感を放ってきた。
出身地である前橋の地で開催される追悼展
田中敦子さんの追悼展は、前橋の歴史を紹介する施設・ヒストリア前橋で本人の誕生日である11月14日から開催される。
生前、前橋市出身の田中敦子さんは同施設のナレーションを担当。
KAI-YOUの取材に施設の担当者は、「そのようなご縁もあり、ご家族の方や事務所、ご友人などの協力もありまして田中敦子さんの展示を当館にて行わせていただくことになりました」と経緯を説明した。
展示は5つのテーマで構成。田中敦子さんのプロフィールと声優としての活躍に加え、前橋女子高等学校ダンス部時代、地域への貢献、ボランティア活動を通じて、本人の歩みと功績を紹介する。
田中敦子の原点、声優業に繋がるダンス部での活動
ここからは展示の詳細について紹介する。ヒストリア前橋によれば、まず「プロフィール」では、いかにして声優を目指したか、幼少期からデビューに至るまでのエピソードと、声優業にかける思いを紹介するという。
続く「声優としての活躍」の展示では、代表作「攻殻機動隊」シリーズをはじめとした作品を一部紹介。そして3つ目には、田中敦子さんの原点だという前橋女子高等学校ダンス部時代を振り返る。
通称“前女ダンス部”で田中敦子さんは、創作ダンスを通じて表現の楽しさを学び、この経験が声優としての活動に大きな影響を与えた。ダンスで培われた表現力や感性が、本人の声に込められた情熱に繋がり、後の仕事にも大きく活かされたという。
今回は前橋女子高の創作ダンス部OG会協力のもと、当時の写真を展示する
「人柄と地元へ伝えた想いを感じていただければ」
田中敦子さんは生前、2022年の前橋ブックフェスでは愛読書を寄贈してフェスに参加し、前橋花火大会でナレーションをつとめるなど、地域の活性化に貢献。
「地域への貢献」の展示では、地元での活動にも力を注いだ田中敦子さんの姿を紹介する。
最後に紹介するのは「ボランティア活動」について。田中敦子さんは、東日本大震災をきっかけに、声優としての立場から「何かできることをしたい」と、声優朗読チャリティ「文芸あねもねR」を立ち上げ、多くの仲間に協力を呼びかけながら復興支援活動を続けた。
ヒストリア前橋は開催に向けて、「この展示を通じ、田中敦子さんの温かな人柄と、地元前橋やファンへ伝えた想いなどを感じていただければ幸いです」とコメントしている。
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イベント情報
声優 田中敦子さん追悼展
- 会期
- 2024年11月14日(木)〜
- 場所
- ヒストリア前橋
- 群馬県前橋市表町2-30-8 AQERU(アクエル)前橋2階
- 時間
- 10:00 ~ 17:00(最終入館16:30)
- 休館日
- 毎週火曜日 (火曜祝日の場合は翌日)
- 入館料
- 無料
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