実力派ボーカリスト・花たんインタビュー メジャー/ニコニコ/同人を横断する歌

実力派ボーカリスト・花たんインタビュー メジャー/ニコニコ/同人を横断する歌
実力派ボーカリスト・花たんインタビュー メジャー/ニコニコ/同人を横断する歌

ユリカ/花たん『The flower of dim world』

実力派ボーカリストとして知られるユリカ/花たんさん。二つの名義を使い分け、その圧倒的な歌唱力からニコニコ動画や同人音楽のシーンで大人気の彼女が9月24日(水)にアルバム『The flower of dim world』をリリースした。

ロックやメタルの楽曲でまとめられたコンセプトの今作は、自身3枚目のメジャーからリリースされるフルアルバム。すでに「歌ってみた」の動画カテゴリで活躍する歌手としてはベテランの域にいるユリカ/花たんさんは、なぜ多くのファンから絶賛され続けるのか。

その歌声の秘密、そしてこれまで表に出てこなかったその素顔に迫るべく、インタビューを敢行!

ニコニコ動画同人音楽メジャーシーン等の数々の場所で活動し、歌い続ける彼女はいま何を見据えているのか、話をうかがった。

実力派ボーカリストの裏の顔は引きこもり?

──花たんさんといえば、歌い手さんの中でも長いキャリアと実力のある歌唱力を持つボーカリストであることで知られています。普段はどんなトレーニングや練習をされているんでしょうか。

花たん 普段は、特に歌の練習などはせずに……家に引きこもってばかりいます。小さいころから親と一緒にカラオケに行くくらいで、歌うのは完全に趣味だったという感じです。

吉原ラメント 歌ってみた



──え! 明らかに訓練されているであろう歌声じゃないですか?

花たん いえ、最近はアニメ『弱虫ペダル』を観たり、『FF14』を延々とプレイしてばかりで……レベルが上がるのが異様に早くて周りのプレイヤーからもドン引きされています。

もともと小さい頃からお母さんが歌う曲以外は、自分で好んで音楽を聞く人間じゃなかったんです。音楽に対して人並みに興味を持ちはじめたのも遅くて、高校生ぐらいからなんですよ。最近だと街中に止まっているロードバイクを毎回チェックしてしまうのが癖で。今度『弱虫ペダル』の荒北というキャラクターと同じ自転車を買おうと思っています。

引きこもりはじめると、友達との約束すら「ごめん! 予定ができちゃった」とかブッチするくらいで……。でも引きこもっている時も、歌はよく歌っていました。

──それは意外な素顔ですね……。ニコニコ動画にアップされる前というのは何をされていたんでしょうか。

花たん 歌手になりたいという執着や夢も何もなくて、動画をアップする前は「私、将来生きていけるのかな……」という漠然とした不安感と共に、やはり家に引きこもってゲームばかりしていました。学校も、高校を卒業してからはずっとアルバイトを続けながら、適当に生きている感じで。

ずっとそんな生活を続けていたんですが、歌以外にイラストを趣味で描いていまして、それでpiapro(クリプトン・フューチャー・メディアが運営するCGM)に投稿していました。そうしたら、ある日、とある歌い手さんからイラストを使わせていただきましたという報告があり、そこではじめてニコニコ動画に「歌ってみた」という大きなジャンルがあることを知って、自分でも歌ってみようと思ったのが動画を投稿したきっかけです。その方はもう動画を投稿されていないのですが、感謝しています。

──最初の動画「ハジメテノオト」を投稿してみて、いかがでしたか? 「歌ってみた」はいまではニコニコ動画の軸ともいえる人気ジャンルだと思いますが。

花たん はじめて投稿したのは2008年ごろなんですが、全然知識がなかったので、Skypeのマイク機能でパソコンに音を入れたりしていて(笑)。そんな動画だったんですが、アップをしてみて、いろんな方から反応をもらえて嬉しかったです。

それまでは知らない人に歌を聴いてもらうなんて、恥ずかしくて絶対にできないことだったんですが、動画投稿だと匿名文化が前提にあるので、それが良かったのかもしれません。その後も動画を投稿していって、次第に認知されてきて、ずっと続けていきたいなという気持ちも生まれていきました。「歌ってみた」というジャンルだったら、私に歌うきっかけをくれた歌い手さんみたいな反応がもらえたりするのかな、と。

私にとって歌は趣味で、友達や家族遊びにいくカラオケくらいしか歌を披露する場がなかったので、知らない方から褒められるという経験ははじめてでした。友達に「上手いね」言われてもほんとかな?って疑っちゃうタイプだったので、動画でコメントをいただくことで自信になった部分はあります。家族には小さいころから夜中にカラオケオールとかに連れて行かれたりしていて、歌に触れている時間だけは結構長いのかもしれないですね。今回のアルバムも、引きこもりながら自宅で歌った音源がレコード店別の特典になっています。

ハジメテノオト 歌ってみた。



【次のページ】有名ボカロP・OSTER projectを迎えての共作について
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