吸血鬼の存在が、主人公の挑戦を引き立てる
『バンオウ-盤王-』のユニークな点は、長い歴史を誇る将棋に、永遠の時を生きる吸血鬼をかけ合わせたところです。片や少なくとも平安時代から知られ、令和に入った現代でもなお、戦略、AIの発展など、終わることのない進化を続け、親しまれている将棋。
片や歳をとることがなく、悠久の時を生き続けている吸血鬼。
300年間研鑽を続けた月山でも全てを理解できていないということが、将棋の底知れなさを物語っています。
本作には、現代を生きる人間だけではなく、月山以外の吸血鬼や吸血鬼を狩るハンターも登場します。
非日常の存在である彼らがいることで、「自分が人間でないことがバレてしまう」というリスクを背負って将棋に打ち込む月山の姿がより引き立てられています。
誰よりも将棋を愛する主人公・月山元
本作品を語るうえで欠かすことができないのが、主人公・月山元の魅力。彼の将棋への愛は、対局中に自身が吸血鬼であることさえ忘れるほど熱中する姿や、将棋教室に通う人々や対局相手へのリスペクトという形で描かれています。
誰よりも将棋を愛しているにもかかわらず、月山は、正体がバレるのを避けるため大会に出たりといった表舞台に立つことは避けていました。
それでも、お世話になった将棋教室のため、子どもたちの笑顔を守るため、リスクを承知で竜王戦に挑んでいく。
好きなことに裏表なくまっすぐ300年間も向き合っている姿は、純粋に読者の心に響いてくるでしょう。
次にくるマンガ大賞2023大賞に期待
ダ・ヴィンチとニコニコが主催している、読者投票を主軸にした漫画賞「次にくるマンガ大賞」。『バンオウ-盤王-』は今回、Webマンガ部門にノミネート。7月10日(月)11時まで、ノミネート作品から大賞を決めるためのユーザー投票が行われています。
Webマンガ部門では、2019年に『SPY×FAMILY』が、2021年に『怪獣8号』が大賞を受賞するなど、「少年ジャンプ+」連載作品が好成績を残してきました。
「次にくるマンガ大賞」ノミネート作品からは、メディア化されたタイトルも多く存在します。ファンとしてはノミネート作品に選ばれるだけでも嬉しいですし、凄いことなのですが、今後の展開に期待してしまいますね。
将棋が分からなくても読んで欲しい漫画の1つ
現代世界にファンタジックな要素を加えた新しい形の将棋漫画『バンオウ-盤王-』。将棋を知らなくても吸血鬼や人間、棋士として生きるキャラクターたちの性格描写や人間模様が楽しめる作品になっています。
はたして、主人公・月山は子どもたちの笑顔を守るため、常人を超えた天才棋士たちを相手に竜王戦を勝ち抜くができるのか?
アプリ版「少年ジャンプ+」では初回3話・最新3話は無料、その他の話は初回無料で読むことができます。興味を持った方は是非ご一読ください。
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