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livetuneが超わかる! インタビュー「ドン・キホーテにCDを置かれたら最強」

アルバム『と』は最初で最後のお祭り

──kzさんは今回のアルバム『と』ではVOCALOIDではなく、addingシリーズとしてリアルボーカルを採用していますが、ミュージシャンとコラボしてみて発見はありましたか?

kz 生には予想できない120%があることですね。VOCALOIDだったら自分の思い通りにできるので100%の楽曲がつくれるけど、例えばゴールデンボンバーの鬼龍院くんに歌ってもらった「大好きなヒトだカラ」は120%だった。

livetune adding 鬼龍院 翔 (from ゴールデンボンバー)「大好きなヒトだカラ」MV

ラストのサビで「ちょっと変えたいんだよね」と鬼龍院くんに言ったら、GLAYさんっぽいメロディをアドリブで歌ってくれて、それがすごくよかったから即採用したんです。それは僕にはなかったものだし、誰かとやるからこそできた120%だと思うんですよね。

あとは、声に想いをのせるという部分。これは、一曲目の原田さんの歌を聞いたらわかってもらえるはず。あのニュアンスを機械で出すのは、これから数十年や数百年単位かかることだと思うんですよ。ピッチを正確になぞるだけではない、何かの感情が生歌にはあるんだと再確認できましたね。

──改めて今回、とにかく素晴らしいメンバーが揃いましたよね。

kz 全曲A面ですからね。もう疲れました、僕は(笑)。直談判でアーティストに交渉しにいくアーティストっているんですかね!?

──えっ、直談判されたんですか!

kz だって、もともと友人の鬼龍院くんには「話があるんだけど」って渋谷の飲み屋に呼んで頼んだんですよ。普通にレーベルやマネージャーを通してだと、一緒にやりたいという気持ちがそこまで伝わらなくて、断られていたかもしれません。

──今回参加されたアーティスト全員とは、もともと縁が深いのでしょうか?

kz みんな、元々知り合いだったり僕がファンだったり、思い入れがある人たちですね。それは、僕は思い入れがないとその人に歌ってもらう曲がつくれないからです。

これだけのアーティストをこの人数集めて、一人ひとりと綿密なやりとりをしながら楽曲を制作して……同じようなことをやれるタイミングも体力も、正直もうないと思います。

──最初で最後といってもいい14曲が、今回はパッケージとして受け取れるんですね。

kz あと、ライブができないんですよね……。このメンツを集めてライブをやろうとしたら、フェスが開かれちゃうんで(苦笑)。とりあえず、お祭りはここまで。これからは、メンツを固定して、日本のいろんなところでライブして回りたいですね。

──それはVOCALOIDではなく、誰かとユニットでもやろうということですか?

kz そうです。一人はすでに心当たりがあって、もう1人2人追加するかもしれないですけど。

いま言えるのは、1人のボーカルに絞ると、逆に幅広い楽曲が制作できるんです。今回みたいな豪華なことをやるのもすごく楽しいんですけど、アルバムということで考えると、やっぱり全曲A面になってしまう。アルバムには地味な曲、遊びがあるものじゃないですか。でも、それを一度きりのゲストに歌ってもらうのは違いますよね。

固定させると、いろんな力の入れ方でやれる楽曲がバリエーションで増えていって、つくる方も楽しいし、聞いてもらう人にもベスト盤みたいなものとはまた違った楽しみ方をしてもらえると思うので、これからはメンバーを固定していく方向にシフトしていきたいなと考えています。

アルバムタイトル『と』の4つの意味

──アルバムタイトルにもなっている『と』ですが、これは将棋のと金ですか?

kz そうです。小学生のころから将棋が好きで祖父とやったりもして、歩兵が金に成るのがカッコイイなと思っていて。それで、いまの自分の立ち位置がなんだって考えた時に歩兵だなと。

──歩兵は1歩ずつしか進めないけど、たどり着くと金になるという。

kz ええ。僕は、インターネットからやってきた一般兵なんですよ。それが、いろんな力を得てなんだかんだ進んできて、頑張ってやってきて金になれたら、それ以上のことはないですよね。だから、今回もジャケットをやってくれたファンタジスタ歌磨呂さんに「と金を押し出したい」と最初に伝えて。

──ご自身が金になった、という意味ですか? それとも、その決意の表明ですか?

kz 自分が金になったというよりは、ひっくり返りたいという欲に近いですね。金になったと思ってしまったらダメで、成長できなくなってしまうとも思うし。いまは、移動できる方向が少ない「銀」ぐらいにはなれているかもしれないですね。

──これからの動きも楽しみな銀というわけですね。ここからは、歩兵としての歩みの集大成ともいえる、『と』にまつわるみなさんとの思い出を1曲ずつお話いただけたらと思います。
【次のページ】本人による全曲紹介!!
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